ボーダー上層部が集まる会議室……そこに、とある男が召集されていた。
「朝日隊員……」
「はい」
呼び出された者の名は朝日 昇。ボーダー所属のエンジニアである。
「今朝出現したトリオン兵を処理したあれは何だ」
最高司令官である城戸正宗が朝日にたずねる。顔が厳ついため圧が凄い。
「あれは、対トリオン兵用に私が開発し作り上げたトリオンドライブとトリオン合金を使った兵器」
上層部の者達の前にあるモニターには片手に巨大な実体剣を持つ2Mほどの人型兵器が写っている。
「その名も……ガンダムエクシア(小型)!!」
「知っとるわ!? 知っとるから貴様を召集したんだ!?」
鬼怒田が声を荒げる。徹夜し、そろそろ仕事を終えるかと思っていたら、画面にエクシアが映りそれどころでは無くなってしまったのだ。
「ま、まさか鬼怒田さん……!」
「なんだ……!」
「宇宙世紀派か!? だから呼び寄せたのか!? 初代かゲルググを作れってか!?」
「そんなわけないだろ!?」
ちなみに鬼怒田がどっち派かはここでは触れないとする。
「ちなみに朝日隊員、アルケーガンダムとメッサーはないのか?」
「林藤支部長は黙っていろ」
アホなことを言い出した林藤に対し、城戸は黙る様に促す。頭には青筋を立てている。
「アルケーとメッサーは無いけど根付さんが喜ぶと思って作ったジ・Oならあります」
「なんでだ!? なんで私が喜ぶと思ったんだね!?」
「さあ? 強いていうなら直感ですかね?」
なんで好きそうかは触れないでおこう。
「てか、自分が何作ろうが文句は言わない契約では?」
この男、自分の才能を知っているため、最初の契約時に作った物に文句は言わないこと、自由に作らせることなど、自分の創作に文句を言われないように先手を打っていた。
「流石に言わせてくれ!? ガンダム飛んでるの目撃されて問い合わせ凄いんだが!?」
忍田が声を荒げる。こっちはこっちで出勤中にエクシアが飛んでるの見て驚いているのだ。
「個人の趣味で作ったコスプレとか言ってりゃいいじゃないですか。売りに出すわけでもないし」
「いいわけあるか!?」
問い合わせが増えるだろうが!と根付はキレる。
「一つ聞くが……飛行技術はトリオン体に流用可能か?」
「あー、ドライブを体に……てのも無理だから厳しいっすね」
「そうか」
鬼怒田はエンジニアとして、エクシアの技術が流用可能か尋ねる。しかし、エクシアはあくまでロボ、人体に限りなく近いトリオン体に流用できる技術はほぼないのだ。
「トリオン合金の製錬方法だけ渡しましょうか」
「ああ、今回はそれでいい……それでだ」
30分ほど経過し、朝日は解放されたのであった。
~~~
「ふいー、作りたい物を作っただけでこれかい」
朝日は自販機でココアを買い飲んでいた。やっぱりココアは人を救う力があるぜ。なんて考えながらボケッとしている。
「いや、そりゃー怒られるでしょ朝日さん」
「あら人生トロッコ問題君じゃん」
「その呼び名ヤメてって」
朝日に話しかけたのは実力派エリートこと、迅悠一だ。
「どうしたの? フラッグカスタムでも作って欲しいの?」
「違うから。マスラオでもスサノオでもブレイブでもないから。たまたま通りかかっただけだよ」
「ありゃ」
先手取られちゃったとニヘっと朝日笑う。
「朝日さんも懲りないねー」
「次はもっと凄いの作っちゃるもんねー」
ボーダーが強化される未来が見えるので、迅は朝日を放置する事にした。代償は上層部の胃である。
「じゃ、もっと凄いの頼むよ朝日さん」
「あいよー。次は何を作ろーかなー」
そういうと朝日は去っていた。
「ふう、何はともあれ、ボーダーの未来も安泰だな」
迅は見えた最善の未来に突き進むのであった。