ボーダー上層部が集まる会議室……そこに、とある男が召集されていた。
「朝日隊員……」
「おう!」
呼び出された者の名は朝日 昇。ボーダー所属のエンジニアだ。ん?なんかおかしくない?
「一応聞くが……朝日隊員なのか……?」
背に界王と書いてあるオレンジの胴着にツンツンとした黒髪
「オッス!オラ悟空!ワクワク「黙りなさい」はい」
孫悟空である。ちなみに超クオリティの3Dモデルがそのまま現実に出てきた様な姿をしている。
「とうとうやりおったな貴様!?」
「やっちゃいました。ちなみに亀仙流トリガーの見た目を変えただけです。なので、本家程のスペックはしてません」
「してたまるか」
本当にしてたらどうなっていた事か。
「亀仙流トリオン体に界王拳ってか、界王様の技をプラス出来たんで、めちゃくちゃトリオン体のデザインにこだわり抜いた結果です」
「何がそこまでお前を突き動かすんだ!?」
鬼怒田の困惑の声が響く。本当にどうしてこんな事に……。
「かめはめ波を練習していた、あの頃の思い出……とかですかね」
「……ちょっとだけ何を言いたいかわかるんだよなぁ」
子供の頃、かめはめ波とか螺旋丸とか練習した思い出……があっても普通は作らねぇんだわ。
「しかしクオリティ高いな。アニメから飛び出したみたいだ」
「へへ! サンキュー!(そこそこの声マネ)」
「やかましい!?」
絶妙に似てない声マネが鬼怒田の怒りを加速させる。しかも今回は見た目だけのため、他に成果がない可能性もある。
「あ、そうだ。そういや界王様パッチ当てて元気玉使える様になったんですよ」
「だから何が貴様をそこまで突き動かすんだ……ん?」
ふと、鬼怒田は思う……。元気玉は確かあらゆる場面からエネルギーを分けて貰い玉を放つ技の筈だ。
「ま、まさか!? 貴様、だいぶ前の仮面ライダー1号の時の!?」
「トリオン吸収システムを再利用しました」
よ、よりによって、あれを再利用したのかと鬼怒田は頭を抱えた。
「これを利用すればスターライトブレイカーもいけますぜ」
「するなバカモン!」
以前に朝日が作った物のせいでリリカルなのはを履修済みの上層部の面々は、辺り一面を消し飛ばす様な物をホイホイ作るなとキレる。
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「今度は別のカートリッジを……」
朝日はいつもの自販機でココアを買っていた。孫悟空の姿のままで。
「なんか悟空いる!?」
「オッス!オラ悟空!(低クオリティ)」
「なんだ朝日さんか。お疲れ様です」
出水がやってくる。
「お疲れ様。太刀川は?」
「ボーダーメカ戦記にはまってたらしくて……レポートが……」
「やってくれてありがとうとバカじゃねぇのアイツというのが同時に来た。不思議な感情」
やってくれるのはデータ取れるからいいんだけど、学業を疎かにするのは違うじゃんと朝日は思う。
「どうせボーダーに勤めるだろうし、大学辞めたらいいのに」
「大学は卒業しておかないと親御さんが……」
太刀川慶、生まれる時代を間違えた男。ボーダーが無ければどうなっていたのだろうか。