ボーダー上層部が集まる会議室……そこに、とある男が召集されていた。
「朝日隊員……」
「はい」
呼び出された者の名は朝日 昇。ボーダー所属のエンジニアだ。ここ最近、助手が出来たんですって
「横の銀色はなんだ?」
銀色のボディにヘルメットの様な顔、その姿は
「シルバー・クロウです」
正しく、シルバー・クロウであろう。
「あの、すいません……」
「ギャアアア!? 喋ったぞ!?」
とうとうAIか!? そのうち反乱とか起きるのか!?と根付はビビる。
「あ、こっちは助手の三雲です」
「は、初めまして、助手の三雲 修です。……いつもこんな感じなんですか?」
「な、なんだ、驚かせないでくれないかね!?」
いつもこんな感じです。なんなら、場合によってはもっと渾沌としています。
「そ、そいつが例の……?」
報告時、いつも一人で活動してたくせに、どうして急に助手?しかも助手にするからC級からB級にする?と驚いていた鬼怒田。だが、これでストッパーが……。と考えるが
「あぁ、入隊試験の結果が気に入らなくて直談判しようとペンチで禁止区域の有刺鉄線を切断してたと人生トロッコ問題君に聞いて助手にする事にしました」
「くそ!? 助手は助手で狂っとったか!?」
別名ペンチメンタルは伊達じゃない。流石は自分の命をベット出来る中学生だ。
「酷い言われようだ。三雲も何か言ってやれ」
「いや、自業自得だと思います。今も、ウルトラマン作ってますし」
「オマエまた作っとるんか!?」
助手に裏切られてるじゃねーか。
「くそバレたか!? でもいいもーん。もうエース出来てるもーん」
「こ、こいつ……!?」
もーんとかぬかすアラサー男性。……本当にやめて欲しい。
「で、結局の所、シルバー・クロウを作った理由は飛行トリガーの強化が理由ですね。背中のメタトロン・ウィングは飛行速度の向上と羽を飛ばす遠距離攻撃も可能とかなり便利な物です」
「……話だけ聞くと良さげじゃないか?」
現在、実験中の飛行能力付きトリオン体の更なる強化のためというのが今回の大義名分である。
「飛行能力に、こちらの廉価版をオプショントリガーとして着けるかどうかは個人の好みですね。飛行能力は案外トリオンを使いませんが、こちらは羽によってトリオンの噴出が増えてますので結構トリオンを使います」
「やはり、速度を求めるとトリオン消費が増えるか」
解決策はあるけど、それすると費用が増えるんだよなー、この組織じゃなーと朝日は思うが口にはしない。言ったところで金は増えないのである。
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「はい、ココア支給タイム」
「あ、ありがとうございます」
朝日はいつもの自販機で三雲にココアを奢っていた。もちろん自分のも買っている。
「いつも、あんなことをしてるんですか?」
「そうだよ。……お! あったあった」
朝日はスマホで何かを探して見つけたサイトを三雲に見せる。
「いろいろとトリオンフレームスピードブレイクの攻略サイトとか調べてたら……。クソゲーメガネスレってのを発見した。見事に晒されてるね」
「そんなのあるんですか!?」
「だって君の戦法クソゲーの待ちゲーじゃん。普通に嫌われる戦いかたじゃん」
スレッドの内容をみると
・引きこもって置き弾の罠だったりワイヤー張って遠隔ビットでちまちま攻撃してくるのがホンマクソ
・全盛期ベルティゴかよアイツ
・真似すると本体が武装的に貧弱だから、初期地やリス地によっては準備出来るまでに死ぬから真似もムズい
・それな、アイツなんであれでタイマン勝率6割あんの? 運いいの?
・アイツが一番やばいのチーム戦だから、チームが時間稼いでる間に罠はられて突破出来ないとビットに殺されるから。
・あのメガネってチーム戦の勝率8割あるし、あの機体環境なのか?
・いや、初期地によるから割りと運ゲー寄りの機体よ。真似たら勝てるタイプじゃないわ。よく分からない判断力してるせいで行動読めないのよアイツ
・真向勝負に弱すぎて特殊な判断力ないと無理だなこれ。
「マジでクソゲーしてんね……」
「いや、本当にあれが一番勝てるんですよ」
変な方向に進み始める三雲であった。