ボーダー上層部が集まる会議室……そこに、とある男が召集されていた。
「朝日隊員……」
「はい」
呼び出された者の名は朝日 昇。ボーダー所属のエンジニアだ。助手である三雲と雨取もいる。
「……刀語の話をしていたという報告が来ている。作ったのは完成形変体刀十二本だな」
「話しただけで呼び出されるとは。まぁ作ってないんですけど」
「なん……だと……」
「似たような物があるから後回しにしたんでしたっけ?」
「うん、能力持った刀とか剣は、なんちゃって斬魂刀あるから」
アルティメット太刀川計画でなんちゃって斬魂刀を作ったため、完成形変体刀十二本は後回しにしたのだ。
「なら虚刀・鑢か」
「なんでそんなに詳しいんですか?」
雨取妹がヤケに詳しい上層部にたずねる。
「そこのアホが作った物の実験結果を聞く前に、原作を視聴することによって何が来ても対応出来るようにしとるんだよ」
結果、アニメ知識が増えていく上層部の面々、楽しそうに見てるのは忍田、林藤、唐沢である。たまに忍田が「この技はいいな」と呟くと、かつて車を斬られた城戸がビクッとするとここに記す。
「いや、そっちもありますけどメインじゃないですね。雨取これでトリオン体になって」
「はい!」
雨取妹がトリガーを起動すると美しい女性に姿を変える。
「というわけで、見稽古の再現です。こちら七実トリオン体、虚刀流もいけます」
「あー、そっちか」
普通に完成形変体刀十二本か虚刀流再現で来るかと考えていた上層部だったが、まさかの変化球である。
「まず作った理由としまして、相手の攻撃をそれ以上の力で真似すれば、相手の心折れんじゃね?という発想です」
「何となく言いたいことは分かるな」
何となく朝日の思惑が理解出来る上層部の面々であるが
「だが、近距離武器はどうするつもりなんだ?トリガーは真似出来ても動きが真似できないと意味はないぞ」
忍田が尤もな疑問を朝日にぶつける。
「相手の動きを分析し最適な動きで真似するシステムを組み込んで見た結果、生駒旋空とかは真似出来ました」
生駒旋回を真似出来たことに驚く上層部の面々である。
「素手で旋空してましたよね」
「なんで手刀で旋空出来るんだ……」
虚刀流だから……理由はただそれだけだろう。
「あと、コピーはこの特殊なトリオン体でないと出来ません。分析とか処理とか重いので」
「まぁ、それはそうだろうな」
分析と処理のコストが重く、通常のトリガーでは使えない様だ。
「あ、あと一度真似したトリガーはログが残るので、それを元にトリガーを作ることも可能です。あ、風刃もコピー出来ましたよ」
「黒トリガーのコピーも可能なのか!?」
この男、またも世界観が壊れる物を作っている。
「はい、トリオンで出来ている物はコピー可能ですね。流石にトリオン合金だとかのトリオン以外の物が必要なトリガーは無理です」
「いや、基本的にトリガーってトリオンがメインなんだわ、トリオン合金とかトリオン変換器なんてあるの地球だけだから」
アニメの再現用に作った物のせいで、トリオン技術のレベルが凄い勢いで上がるボーダーであった。
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「孤独のココアタイム」
朝日はいつもの自販機でココアを買っている。助手の2人は戦いたい太刀川に連れ去られた。
「……またココア飲んどるのか」
「鬼怒田さんじゃん。いつも会議後は開発室に直行してるのにどうしたんです?」
まさかの鬼怒田とエンカウントした。
「ワシも飲み物ぐらい飲むわ」
鬼怒田は小銭を自販機にいれ、コーヒーを買う。
「そういや、仕事後に冬島さんと寺島と一緒に映画見に行く予定なんですけど来ます?」
「いや、何で誘った?」
「映画代浮かねぇかなって。まだ冬島さんが予約してないから今なら間に合いますよ」
「……そういう事だと思ったわい」
コーヒーを飲み、鬼怒田は一息つく
「あと、俺2回目なんですけど、早めに見て貰わないと……話が出来ない!なに喋ってもネタバレなんすよ!?」
「しらんわ!?どうでもいいわ!?」
鬼怒田はどうでもいいと映画を見に行くのを拒否する。
「ふーん、テレビでもやるだろうからいいとかじゃなく。どうでもいいと……ふーん」
「な、なんだ?」
朝日がニヤニヤしながら鬼怒田を見る。
「最初の2、30分……」
「やめろ!?わかった!?全員分出してやるわい」
「わーい。冬島さんに言っときますねー」
仕事終わりに朝日たちは合流し映画を見に行ったのであった。