ボーダー上層部が集まる会議室……そこに、とある男が召集されていた。
「朝日隊員……」
「はい」
呼び出された者の名は朝日 昇。ボーダー所属のエンジニアである。今回、助手は三雲だけだ。
「君が全集中の呼吸を習得したという報告が来ている」
「鬼滅は好きだけど何でこんなに流行ってるのかは分からない」
「どうでもいいことを喋り出すな!?」
強いて言うなら色々な要素が奇跡的な噛み合い方をした結果だと思われるがそんな事はどうでもいいのでスルーする。
「俺思ったんですよ」
「なんだ」
どうせしょうもないと思いつつも、鬼怒田は聞き返す。聞かなかったら聞かなかったでろくでもない事になるからだ。
「とりあえず、B級なりたての隊員が孤月で攻撃してるシーンを想像してください」
上層部は仕方なく頭の中で戦闘シーンを思い浮かべる。
「思い浮かべましたね………。孤月地味じゃないっすか?」
「おい誰かこのアホを摘まみ出せ」
思いの外バカな事を言い出したアホに鬼怒田がキレる。
「待ってくれ……、孤月は地味じゃないだろう」
「それはアンタとかヴィザさんと太刀川とか生駒がおかしいだけです。あれ本来ただの伸びる刀ですからね。なんちゃって虎眼流なんて出来ないんすわ」
忍田が待ったをかけるが、アンタ含め一部の孤月使いがおかしいだけだろと朝日がツッコム。それはそう。
「というわけで、刀として傑作でしょうが孤月はトリガーとしては地味です」
「それ言い出したらハンドガン使ってるガンナーも地味じゃね」
弓場とか派手だが基本地味ではあるのだ。だってハンドガンだから。しかも使ってるのは学生である。どっかの運び屋の女ガンマンが使えば派手になるだろうが使ってるのはただの学生である。
「このままでは、シューターの派手さを求めて入ったトリオン不足の子供に地味な武器を持たせる事になってしまうのです。……三雲は例外としますが」
「クソゲーメガネの事など誰も気にせんし、そもそもシューターとも思われとらん」
「僕を何だと思ってるんですか!?」
クソゲーメガネかシューターの外れ値である。
「というわけで、せめてエフェクトとかを付けて派手にしようというのが狙いです」
「いや、だからそれに何の意味があるんだ」
忍田の疑問に朝日は、分かってないなぁといった雰囲気を出す。とてもウザイ。
「いいですか、見た目がかっこよくなると……それに憧れた子供が入隊する。つまり入隊希望者が増えます」
「増えたところで絶対にエフェクト使わせないが!?!?君だけならコスプレだの個人の遊びという言い訳が通るが、大量に居たら言い訳が出来ないだろう!?」
外に漏れたらどうするんだね!?と根付が怒る。至極当然の怒りである。
「何を言うんですか、俺はただ刀に炎とか水とか風とかそれっぽいエフェクトとか特性付けるだけです。別に○○の呼吸!とか誰かが言っても真似して遊んでるだけで終わります」
「いやまぁ、炎の出る刀とかは探せば他にもあるからなぁ」
なら別にいいのか?と一部は思うが、
「いや、普通にトリオンと枠の無駄使いだろうが!?なに丸め込まれそうになっとるんだ!?そこのクソゲーメガネなんて付ける余裕無いだろう!?」
「また飛び火した!?」
鬼怒田の正論により、何かのパフォーマンスの時だけの仕様に収まったのであった。
~~~
「とんでもねぇココアタイムだ」
朝日達は、いつもの自販機の前でココアを買っていた。
「隊員増やす手段としては結構自信あったんだけどな」
「だからといって実戦で使えない物を作ってどうするんですか……」
朝日の言い分に三雲がツッコむが、
「トリオンの平和利用ってことでよくね」
「えぇ……?」
朝日のアホには効果は無いようである。