ボーダー上層部が集まる会議室……そこに、とある男が召集されていた。
「朝日隊員……」
「ゔぁい」
呼び出された者の名は朝日 昇。ボーダー所属のエンジニアである。……あるんだが、
「なぜベムスターの腹部の口で捕食されている」
補食されていた。朝日を腹部にある五角形の口で頭を齧っている。ひとつ気になる点はうつむいて下を眺めている事だが、まぁ、朝日を眺めているだけであろう。
「ぐぬぬぬぬ……ぬん!!ふぅ……、犬が顔舐めるのと同じじゃないっすかね」
「捕食されている様にしか見えんが!?」
なにバカをしとるんだ!と鬼怒田が怒る。だいぶショッキングな光景を見させられたのだから当たり前だろう。
「で、ベムスターを作った経緯としまして……まず、かわいい」
「可愛がってるやつに捕食されかけてどうする!?」
愛情表現なのにと朝日は思うが、端から見ればペットに食われている飼い主である。
「ってのは冗談で、今回は対トリオンに特化させました。
具体的にはトリオンによる攻撃無効化&吸収による回復です。いっぱい作って近界に放流すれば……近界の国がとんでもない事になりますね」
「なんて凶悪な思考回路!?!?」
「ただトリオン合金とかの純粋なトリオン以外の攻撃は通ります。近界にそんな物あるか知らんけど」
「徹底的な近界アンチ兵器!?!?」
トリオンを使った攻撃を吸収したり無効化するくせに、物理はダメージは入るという対近界クソゲー仕様である。まぁ、ダメージ与えたところで、そこらにあるトリオンを捕食しダメージ回復するだけなのだが。
「一つ確認したい事があるのだが」
「なんでしょう」
城戸がベムスターについて確認したい事があるという。
「何故そのベムスターはずっと下を向いている?」
そう、朝日を離した後もベムスターはずっとうつむき、下を見ているのだ。
「地下深くにアレがあるからでは?」
「あぁ、アレか…………そいつアレ食おうとしてるのか!?」
地下深くにあるアレ……アリステラのマザートリガーである。
「止めろよ!?絶対に止めろよ!?」
「別に大丈夫ですよ。変わりはいくらでもありますから」
「そういう話じゃないんだが!?!?」
旧ボーダー組が本気で焦りだす。城戸も冷静なふりをしているだけで内心は汗がダラダラだ。
「冗談です。そこらへんのセキュリティはちゃんとしてますよ」
実はこのアホ、勝手に地下を広げているついでに、セキュリティ面を向上させているのである。
「そのベムスターよだれ垂らしてるが!?」
ベムスターが意地でも食ってやるといった表情で、よだれをダラダラと垂れ流しているため、信用出来ないと忍田が言う。あたりまえだ。よだれ垂らしてるベムスターに信用なんて出来るわけがない。
その後、どうにかベムスターを静めた朝日たちであった。
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「帰ってきたココアタイム」
何が帰ってきたというのだ。
「……バキューモン」
「それ作ったら覚悟しておけよ」
「あ、鬼怒田さん」
自販機の前にやって来た鬼怒田はアホの不穏な一言に対し怒る。
「そういや、前に渡したハロってどうしてます?」
過去にサポートAIに戦闘の補助をさせようという名目で朝日が作ったハロである。
「開発室で元気に跳ねとるわい……たまに佐鳥が持ってこうとして根付くんと嵐山にブロックされとる」
「アイツまだハロ狙ってるんですか!?」
嵐山隊 佐鳥 賢……、何故かハロに頭を焼かれたスナイパーである。
そろそろ佐鳥に何かやった方がいいか?と考える朝日であったとさ。