私は彼女の恋路のためにゲームを開いた
「へ〜!そんなにやってるんだ。珍しいこともあるもんだね〜」
『そ、そうかな?』
「うん、だって玲ってばいっつも変なゲーム買ってはすぐに挫折してるじゃん?」
『そ、それは上手く動かせなかったり最初の街から出られなかったりするだけだから…』
「う〜ん…いつ聞いてもゲームとして破綻してない?あまりやったことない私でもおかしいのはわかるよ?」
『あ、あはは…楽郎君の趣味は変わってるから…』
親友の言葉を聞き、楓は深く頷く。思い返すは彼と共通の話題を持ちたいと玲が始めたゲームの数々。
例えばネフィリム・ホロウ。
ACのようなロボゲーでありながら、その操作を全てアシストなしで操作せねばならんのだ。VRでこれは現実で羽でも生えてなければ不可能とすら言える。君は生身でターボを吹かせる感覚と言われてわかるだろうか?
楓は少しだけ触り、赤い色の機体をした人と激戦を繰り広げた後、脳の酷使により倒れてしまいやめた過去がある。
例えば幕末と呼ばれるゲーム。
FPS系でないにも関わらず、プレイヤー全員がPKという破綻したとしか思えないゲーム。
しかし全員が同じなら、もはやそれはそういうゲームだ。周り全てが敵ならば全員を倒せば良い。まさに『幕末』である。
楓は1週間やり続け、普通に辞めた。ゲームは楽しくやるものだ。苦痛を感じるならば辞めるのが得策である。
「まあ、それは置いといて。玲が今やってるのってシャンフロでしょ?どうなの?」
『うん、一応姉さんとトップクランって呼ばれてるところの団長と副団長をやってるよ』
「トップ!凄いじゃん!それでそれで?例の彼が来る気配はあるの?」
『う〜ん…まだわからないかなぁ。行きつけのゲーム売り場の人に頼んで、買ってたら連絡して貰えるようにはしてるけど…』
「玲にしては珍しく慎重すぎない立ち回りだ…今回はガチだね」
『あ、うん…それで、肝心の相談なんだけど…』
「そういえばそうだった!?何〜?」
『えっと…楓にも一緒に、シャングリラ・フロンティアをやって欲しいな〜…って』
「…え、私?!…いいの?多分、足引っ張っちゃうよ?」
『そ、そんな事ないよ!楓には今までも何度も助けられたし…』
事実、そうである。
例の彼が苦戦に苦戦を強いられたフェアクソは持ち前のコミュ力でクソエルフの機嫌を取り、素の幸運値で罠を全て回避し、元凶がクソエルフだと気づいてないためモチベもそこそこに、ラスボスも何故か攻撃が裏返り当たったり、当たり判定が消滅して事実上の無敵となって初見突破するなど凄まじい活躍を披露した。
なお、当の本人は『いつもよりは難しくないね』程度である。
また、
「う〜ん…いいよ!久々に玲と一緒にゲームしたいしね!」
『ほんと!じゃあソフトはそっちに送っちゃうね!』
「ええ?!いやいや悪いよ!」
『無理言ってるのはこっちだから、それに楓もそんなに余裕がある訳じゃないでしょ?』
「……わかった。今回は好意に甘えとくよ。でも!次はちゃんと払うからね!」
『ええ、それじゃあ
「は〜い、また後…で?え?」
困惑する中、突然チャイムが鳴る。
「あ、はーい」
その中身は…
「…まさか、返事を見越して既に配達してた?全く、玲ってば変なところ行動力高いんだから…」
シャングリラ・フロンティア。そのパッケージそのものであった。
「仕方ない…!設定、やりますか」
ハードを拾い、ゲームを入れる。
元よりやってみたくは思っていたのだ。良い機会と思うことにした楓であった。
楓のゲーマーか否かの判定→同じゲームを何ヶ月とやったり、毎日18時間くらいやる人のこと。
玲ちゃんが恋愛レジギガスなせいで楓が常識人枠になってしまった…
これも全て半裸鳥頭のせいなんだ!お前のせいだな!サンラクっ!
プロムンの方と交互に更新していけたらな〜と思いまする。