「…すまん、ワチの耳がおかしくなったかもしれん。もっぺん言うてくれ」
「水晶群蠍と殺り合ってたら大盾壊れかけになっちゃったから修理お願いします!」
「…耳はおかしくないようやな。ワリャ、自分の実力わかっていってんのか?」
「えっと…どっちの意味?」
「
「む、私とてただ死にに行ってる訳じゃないよ!私が持つスキルとの兼ね合わせもあって、蠍さんと殺り合うのが1番手っ取り早く戦闘経験を得られるだけだもの!」
「だとしてもじゃ!確かに、ワリャ達が死んでも生き返るのは知っとるが命を粗末に扱うなたわけ!」
「ふっふっふ…逆だよビーラックさん」
「なんじゃ、その顔は。あとワチは『ビィラック』じゃ」
「確かに今はやられっぱなしだけど…私はいずれタイマンで蠍さん達に勝つつもりだからね。今はとにかく数をこなして足りない分を補わないと」
まだ
「…本気か?相手は悪名高き水晶群蠍の集団、生半可な実力じゃ喰われて終わりじゃぞ」
「いずれはゴルちゃんとも戦うんだから、蠍さん程度で立ち止まってたら挑戦権すら貰えない!逆にこっちが喰ってあげる!」
「…はぁ、わぁったわぁった。とりあえず壊れかけとる盾見せてみ」
「あ、はい」
えっと…これだ。
「どうぞ」
「…こりゃまた随分と派手にやりよったな。あと2、3回受ければバラバラになるところやぞ」
「えへへ…9回目くらいから結構怪しくなってきたのでそろそろ寄っておこうと思いまして」
「……ん?待て、
「そう!今日で合計14回殴り込み行ってきたので!」
「ど阿呆!!」
「あてっ」
「鉄みたいな硬さしよる…ワリャは加減ちゅうものを知らんのか!」
「…装備作ってもらう前に5回は行ってる時点で割と今更だよ?」
「根っからのアホじゃ…ったく、頼まれとった物が完成しとうて良かった」
「おお!例の盾出来たの!?」
「慌てるな、今持ってきちゃる。ワリャのことや、出来とらんかったら盾なしでも平気で行きそうや」
「…いやいや、予備もあるしそんなことは…」
「ないと言い切れとらん時点で明白じゃ。ほれ、確認し」
「どれどれ〜」
・戦角盾【四翅】
クアッドビートルの背を模した大盾。その翅は所持者をどこまでも連れて行くだろう。
・パリィ時に盾が翅のように開き相手を強く弾く。また短時間であれば後ろへ飛ぶことが出来る。
「つ、強!?ノックバック増加に短時間とはいえ飛行能力…?」
こ、これを作れるビィラックさんって…
「ワチとしてもここまでの盾は久しぶりじゃ」
「凄い!かっこいいし強い!ありがとうビィラックさん!」
「おう、じゃがそれはそれとして「じゃあ行ってきます!」待たんかいワリャ!」
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「さてさて〜、水晶もかなり集まったしそろそろ蠍さんを倒してレベルアップしたいな〜…またどこかに突き刺す?」
とりあえず呼んでから考えよう!挑発!甘い香り!
「………あれ?」
来ない…いつもなら数十匹は来るのに
「食事タイムかな?いや、水晶だし集まる必要はないか」
……お?何処かで戦闘音がする!
「誰か別の人が居たんだ!ちょっと様子見を…んえ!?」
え、何あのでっかいし真っ黒な蠍さん。
「…私も参戦してみよう!」
絶対防御!シールドプレスッ!!
「私と勝負だよ!黒蠍さん!」
短時間飛行はゼル伝に出てくるパラセールです。
なので飛行と言うより滑空の方があってるかもですね。
水晶群蠍には不評なアムルシディアン・クォーツ。では、それしか食べられないほど過酷な環境で生きた水晶群蠍はどのような進化を遂げるのか。
答えは単純、生きることに特化する。鋏や顎はアムルシディアン・クォーツを割れるほど強靭に、尾はアムルシディアン・クォーツにまみれた地下を進むためより鋭く、力のみを求めて完成した部位はその一撃で水晶群蠍を屠るほど。言わばこれはメイプルの逆位置。火力に全てを注ぎ、本体の耐久も速度も他全てを捨てた脳筋の化身。
その蠍は悠久を生きる同胞を恨む