英雄伝説 天の軌跡 (完結済)   作:十三

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※この章では『英雄伝説 天の軌跡』に登場するオリジナルキャラクターについて紹介致します。ネタバレを嫌う方はブラウザバックを推奨いたします。

※この項目では主人公について紹介致します。

※キャラのMatrixに関しては話数が進むにつれて追加される可能性があります。
 追加された際は活動報告、Twitterにて通知、そして前書き下記にて追記・修正場所を載せていきます。


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2021/01/03 【Matrix:No.12】~【Matrix:No.14】を更新。




オリジナルキャラクター設定集
主人公設定


 

 

■レイ・クレイドル

 

【性別】男性

【年齢】17歳

【身長/体重】149cm/42kg

【髪色/瞳色】黒銀/紫色

【一人称】「俺」(公的な場合は「私」や「自分」)

【所属/役職】トールズ士官学院特科クラスⅦ組

【異名】《天剣》

【武装】長刀《穢土祓靈刀(エドハラエノタマツルギ)布都天津凬(フツアマツノカゼ)

【投稿者】筆者

【元ネタ】特になし

【イラスト】

【挿絵表示】

 

 

【Matrix:No.1】

 本作の主人公。学生の身でありながら武人としての最奥到達者”達人級”の技量を持ち、他の仲間たちに「戦う者」としての心構えと技量をサラと共に仕込んでいくのと同時に、学生生活を自分なりに謳歌している。

 士官学院に入学するまではリベールのツァイス、クロスベルで遊撃士として活動していた経験を持ち、「力に頼らないで物事を解決する」という搦め手にも精通している。やや乱暴気味な口調で誤解されがちではあるが、一部の例外を除いて敬意を払うべき年上には敬意を払って対応しており、また学業には真面目に取り組んでいるため、教師陣からの信頼は高い。Ⅶ組内での座学の順位はエマ、マキアスに次ぐ。

 現在はサラと共にⅦ組メンバーの練度強化(という名の魔改造)に着手しており、本人としてはそこそこ楽しんでいる様子。

 基本的に節介焼きであり、一度引き受けた事は必ずこなす主義。頼まれれば否とはあまり言わないが、時と場合、物事の善悪を判断するだけの余裕は持ち合わせている。

 意外ではあるが、料理が得意かつ趣味であり、凝った料理から限りある食材でサッと作る料理まで網羅する。しかし本人曰く「本職には敵わない」。ただし、その情熱は本職にも比肩する。

 また、これも意外だが年下によく懐かれる。無垢な一般人の子供から明らかに普通ではない子供まで様々であり、フィー、レン、ミリアム、アルティナもその括りに入る。因みに本人は年下の異性は恋愛感情に至らないと断言している。つまりロリコンではない。

 

【Matrix:No.2】

 遊撃士になる前の前歴は、結社《身喰らう蛇(ウロボロス)》の《執行者》No.Ⅺ。《天剣》の異名を持ち、”武闘派”の一角として若くして頭角を現していた。

 《鉄機隊》に所属する副長にしてアリアンロードの戦友でもある《爍刃》カグヤに師事して剣技を磨き、名立たる”武闘派”の《執行者》達と比肩するまでの実力を得た。一時期は頻繁に出入りをしていた為、《鉄機隊》の騎士たちとは大体顔見知りであり、当初はマスコットキャラ扱いで可愛がられていた過去を持つ。他の《執行者》達とも程度の差はあれど交流はあったようだが、その後、とある出来事を契機として《結社》を脱退し、しばらくの放浪生活を経てカシウス・ブライトに推薦される形で遊撃士となった。

 だが、武人としては《理》を開く一歩手前まで若くして至った彼だが、経験がものを言う高度な腹の探り合いに関してはまだまだ発展途上なところがある。

 

【Matrix:No.3】

 普段、彼は本気で怒るようなことはない。怒っているように見えても、そこには必ず怒り以外の感情が混ざっているのだが、「身内の揉め事が関係ない人間に飛び火する事」「自分にとって大切な存在が害される事」に出くわした際は本気で怒る。激情家ではないが、暴発を内側に収めたまま怒るタイプである。

 

【Matrix:No.4】

 極東の島国に拠点を置いていた高名な呪術一族”天城(アマギ)”の末裔という出生歴を持つ。母であるサクヤ・アマギが有していた天才としての遺伝子を受け継ぎ、今わの際に母から継承された一族に伝わる呪術”天道流”の技術を戦闘用に改造して使用している。

 ”天道流”呪術は様々な効果を持つものがあるが、レイがその中でも特に得手としているのが「神性・聖性・魔性存在の封印及び従属」である。本来であれば数多くの使い魔と契約できる才能を有しているのだが、彼の場合はシオンという特級存在と永続契約している為、体内呪力の7割以上をそれに持って行かれているのが現状。とはいえ、神性存在の中でも特に規格外レベルの存在と契約できている時点で彼も充分規格外である。

 

【Matrix:No.5】

 カルバード共和国の辺境にあるクァルナ村にて生を受けたレイは、本来であればそこで薬師であった母の仕事を受け継ぐか、或いは街に出て遊撃士の仕事に従事していたかもしれない。

 だが5歳の時、「呪術師の一族の末裔」という特異な生まれに目を付けた邪教集団《D∴G教団》によって村は襲撃され、母を目の前で喪うだけでなく、拠点(ロッジ)の一つに拉致されてしまう。

 そこで様々な人体実験を施されていたが、「薬物・毒物に高い耐性を持つ」という呪術一族の特性に阻まれて”グノーシス”の影響を受ける事はなかった、しかし最終的に彼は、教団が確保していた《D》の神格が宿った聖遺物(アーティファクト)・《虚神の黎界(ヴァナヘイム)》を左目に埋め込まれ、その拒絶反応に耐え切ったものの、同じく収容されて顔馴染みになっていた少女が死んでしまった事で彼の心は壊れ、同時に二度と虐げられない、目の前で命を奪われないだけの力を欲するようになる。

 その願いは、そのロッジの制圧に来たカグヤによって叶えられる事になる。己の無力さを嘆き、贖罪の感情で強くなるレイ・クレイドルの第二の人生の始まりだった。

 

【Matrix:No.6】

 レイの武装は《執行者》に就任した際に《盟主》より賜った意思を有した長刀・《穢土祓靈刀(エドハラエノタマツルギ)布都天津凬(フツアマツノカゼ)》であるが、《虚ろなる神(デミウルゴス)》が遺し、レイの左目に嵌め込まれた《虚神の黎界(ヴァナヘイム)》を《結社》の技術力で加工し、より使用者への反動を少なくした改名聖遺物《慧神の翠眼(ミーミル・ジェード)》も装備の一つと言える。

 現在に於いてこの”眼”の能力は「”大崩壊”以後に於いて築かれた文明技術の解析」である。ただしこれは無機物に限り、”人の心”などというものはどうあっても解析できない。これは、これを遺した《虚ろなる神(デミウルゴス)》が人の心を理解しようとした結果、その醜さに耐えきれなくなり消滅してしまった事に起因するものと思われる。

 なお、この”眼”の能力を使っている最中は恐ろしい程の頭痛に苛まれ、もし間違って《虚ろなる神(デミウルゴス)》に近しい存在に接触しようものならば体そのものに影響が出る事が確認されている。

 また、《虚神の黎界(ヴァナヘイム)》に封じられた呪いにより「体の成長」が著しく阻害されている。愛刀の”浄化”の能力により緩和されてはいるが、同年代の同性よりも子供っぽい体つきなのはその所為。一応気にしており、「チビ」などと言おうものなら制裁の一つは覚悟すべし。

 

【Matrix:No.7】

 レイ・クレイドルの行動原理は基本的に”贖罪”である。自身が弱かったから助けられなかった命を幾度も見て来たからこそ、「強くなったからには何かを護らなければならない」というある種の強迫観念に憑り付かれている節もある。そして、それが傲慢な考えであるという事も重々承知。

 元より《結社》に身を置いて後ろ暗い任務をこなしていたという事もあり、自分の行動が果たして”正義”であるのか否かという事は常に悩み続けている。そもそも、この世に絶対的な正義など存在しないという現実主義者で、だからこそ自分が「正義の味方」「英雄」と呼ばれることを嫌う。「自分はそんな人間ではない」という悲観的な心が常に在り、だからこそ周りと打ち解けているように見えても実際は一人で悩み、悩み続けて結論を出すという一面が見られていた。―――士官学院に入学して、本当の仲間たちに出会うまでは。

 彼と接し、彼の在り方を憂いていた者は分かっていたが、レイ・クレイドルに必要だったものの一つが「全てを知った上で、それでも全面的に受け入れてくれる仲間」だった。強いか弱いかなどは関係なく、ただ同じ目線で接してくれる同世代の友。17年という月日を経て、彼はようやく”それ”を手に入れたのだ。

 

【Matrix:No.8】

 そして彼にもう一つ必要だったのが、「心が折れそうになった時に全てを受け止めてくれる存在」。つまりは理解ある恋人だった。

 悲惨な半生を辿ってきたレイを憐れむのではなく、共にこれからの人生を歩む存在。彼に何があろうと、彼がどんな道を歩もうと見捨てないでいてくれる存在。サラ・バレスタイン、クレア・リーヴェルト、シャロン・クルーガーの3人は、心の底からレイ・クレイドルという男の存在そのものを愛し、支えると決めた気丈な女性たちだった。

 彼女たち3人を愛するという事に当初は「ダメ男」と自らを罵倒し続けていたレイだったが、次第にそういった思いは自分を信じて愛してくれている3人にも失礼であると思うようになり、堂々と愛するようになった。

 逆に言えば彼にはそれだけの魅力があるという事であり、反転して力強くあれど脆い為、「ちゃんと見ていないとダメだ」と他人に思わせる一面も存在しているという事である。そのあたりは歳相応と言えなくもない。

 

【Matrix:No.9】

 《結社》に所属していた時期が長かった為、「殺人」という行為を忌避するような事はない。無辜の人間を殺すという行為は過去の自身の体験から嫌悪しているが、戦場で覚悟を持って立ち向かってきた人間を敢えて殺さずに生かすという事を嫌う節がある。殺す際も甚振る事を良しとせず、なるべく一撃で仕留めるのがやり方(一部例外有り)。しかし、《結社》を抜けて遊撃士になった後は、カシウスに対する恩返しの意味合いも含めて人間の不殺を貫いている。

 もし彼がその誓いを破るような時は、彼にとってどんな事があっても決して相容れず、殺すことでしか決着が着かない相手と相対した時だけだろう。

 

【Matrix:No.10】

 自分が血が滲むような修練の果てに”達人級”という魔境にまで至った為か、彼は「諦めていない人間」に対して世話を焼くのが好き。だからこそ、諦めずに「強くなろう」と思っているⅦ組の面々に対しては本気で当たっており(加減を間違えている節はあるが)、その実力の伸び方は目を見張るどころではなかったりする。しかし本人曰く「獅子が我が子を千尋の谷に突き落とすようなやり方しか知らない自分は教育者には向いていない」と断言しており、将来そう言った道を歩むことはないだろう。

 そもそも理不尽な鍛え方をした師を反面教師にすると言いながらも、程度こそ違えど同じような鍛え方をしている時点で同じ修羅の仲間入りをしている。

 

【Matrix:No.11】

 誤解されがちではあるが、士官学院に入るまでに出会った人たちとの関係が全て「表面上だけのもの」というわけではない。《結社》時代のものは勿論、遊撃士時代に知り合った人物との思い出も、レイにとっては全て「忘れてはいけないもの」である。ただそれが、彼を変えるにはあと一歩及ばなかったというだけの事なのだ。

 彼は同じ元《執行者》のヨシュアの事を親友と呼んでおり、その関係に偽りはないが、同じような境遇で育ってきた彼とはどう足掻いても「お互いを変える関係」にはなれなかった。それはそのまま、レンにも適用されてしまっている。「自分は自ら陽の当たらない世界に生きることを選んだのだから、せめて他の人間には真っ当に生きてほしい」という願いがあるというのも理由の一つである。

 自分は善人ではないと断言するなど大分ひねくれてはいるが、根底のところは善人なのだと誰もが理解している。

 

【Matrix:No.12】

 彼の師は現《鉄機隊》副長カグヤと、元《鉄機隊》副長ルナフィリアの二人である。カグヤが修行及び戦術理論、ルナフィリアが礼儀作法や基礎学問等の倫理的な面をそれぞれ指導していた。

 カグヤに関しては、戦闘時以外は基本ダメ人間であり、更に言うと典型的な天才肌であったため、修業時代に何度も死にかけていた。レイがカグヤの事を「武人としては尊敬してるけれど、それ以外は論外」と称するのはその為。

 拾われた当時は復讐心で満たされてしまっていたレイが、戦闘が絡むとき以外はマシな人格になれたのは、偏に義姉であったルナフィリアの影響と言えるだろう。

 

【Matrix:No.13】

 遊撃士になる際に、カシウスと不殺の約束をしていた為に、ギデオンの殺害以前は人殺しの技能を封印していた。

 とはいえ、彼のそもそものスタンスは、「積極的な虐殺は好まないが、殺すべき相手はちゃんと殺す」である。ギデオンを葬ったことで彼の中のスイッチが完全に切り替わり、殺害という手段を選ぶことを躊躇わなくなった。

 しかし、これは決して彼の思考が悪側面に堕ちた訳ではなく、寧ろ本来の思考に戻ったとも言える。この状態になって初めて、レイ・クレイドルという少年は敵側に居並ぶ達人達と渡り合えることができるようになる。

 

【Matrix:No.14】

 帝都での決戦に於いて、【天道流】の禁忌術【代償奉納】の影響により、左腕を失う。しかしその状態で尚、敗北寸前だったリィンとヴァリマールの前に現れ、オルディーネの物理障壁を単身で割るという常識外の力を見せる。

 その後リィンを逃がしてからクロウに対して改めて宣戦布告を行い、予め要請をしておいた《マーナガルム》の部隊により回収された。

 「次は必ず俺が勝つ」―――その誓いを胸に、彼は新たな戦いに身を投じるのだった。

 

【筆者コメント】

 「元から強くはあるけれど、最強ではない主人公」をテーマに作り上げた主人公。以前は社畜。現在は鬼畜。サーヴァントとして召喚されるのならセイバー、キャスター、そしてワンチャンライダーです。

 彼が最強ではないのは、元より世界の難易度が原作よりも一段階上がっている事と、軌跡シリーズ名物「年上は強い」を踏襲していたから。つまり彼が精神的にも成長した暁には何だかとんでもないことになりそう。

 ハーレム系の主人公ではありますが、キチンと自分の感情に整理をつけて、「全員纏めて愛する。絶対だ‼」と始めから宣言しているタイプ。自分に向けられる好意にはなるべく細かいところも気づくようにして、その度に礼を言ったり、お返しができる、所謂「デキる男」。そりゃモテるよ。因みに原作開始時点でシオンに童貞を食われている状態。子供っぽい見た目で非童貞とか犯罪臭しかしない。

 『英雄伝説 天の軌跡』に於いて、彼―――レイ・クレイドルがメイン主人公なのは間違いないですが、リィン、ユーシス、リディアといった、所謂「サブ主人公」の面々を導く役割もあります。まぁ彼自身は導いてる自覚などありませんが。

 結社、猟兵団の棟梁、遊撃士と、色々な立場を経験し、そして何より世界の甘くない一面を見続けてきたからこそ弾き出せる冷静な判断力と、一方的な価値観に囚われない柔軟な考え方。彼の武器はただの腕っぷしだけではなく、そういうところでもあります。腕っぷしだけで生き残っていけるほど、このゼムリア大陸は甘くないんです。何故なら内政チートとか結構いるから。

 100話以上続けさせていただいた作品の主人公として、これからも恥じない活躍をご期待ください。

 

 

 

 

 

 


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