幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
ミトルが下級魔法使いを圧倒的実力であっさりと脱落させる活躍を見せるが、チームの空気は険悪だった。更にこのタイミングでミトルと同じ3級魔法使いのイヴァル=ヘルドが奇襲をかけ、メイトのグループはアメルを失う事となったのだった………


第13話 一瞬の奇策

メイトのグループとイヴァルのグループの対決は、メイトグループが数的不利を被っており、更にメイトが5級という関係上、イヴァルのグループが一見すると有利だった。

 

魔法使い1「イヴァルさん、俺達はどうすれは?」

 

イヴァルと同じグループの魔法使い達は、イヴァルからの命令を問いかける。

 

イヴァル「お前達の出番は来る。俺のサインが来るまで身構えてろ」

 

イヴァルは既に策を構築しているのか、意外にも最初は1vs1の構図を希望していた。イヴァルは杖を手元で振り回すと………

 

イヴァル「………{ヘルファイア}」

 

先程アメルを葬った魔法でミトルを攻撃する。

 

ミトル「{マジックシールド}!」

 

ミトルは正面に防御魔法を展開し、イヴァルの炎を弾いた。

 

イヴァル「やはり硬ぇな。なら、これはどうだ!」

 

イヴァルはミトルにヘルファイアを防がれた後、再び魔法の詠唱を開始する。

 

ミトル「(大魔法………!?)させな………!」

 

ミトルは大魔法が来る予感を感じ、そこを潰そうと防御魔法を止めようとする………

 

イヴァル「今だ!」

 

しかし、イヴァルのサインはここでやってきた。イヴァルと同じグループの魔法使い2人は、それぞれ{ファイアボルト}と{アイスブラスト}を連発。それを目にしたミトルは防御魔法を発動し続ける他無かった。

 

イヴァル「よく反応した。しかし、これを前にすれば話は別だ!!」

 

これによりイヴァルは大魔法の詠唱を完遂。イヴァルの頭上には巨大な炎の塊が現れていた。

 

イヴァル「くらえ! 大魔法{バーニングブラスト}!!」

 

イヴァルは巨大な炎の塊をミトルに向けて放つ。しかし、その威力は特大であり、ミトルは押し返せずに苦痛の表情を浮べる。

 

ミトル「(このままじゃ質量で押される………!)………はあっ!」

 

ミトルはこのままでは直撃を受ける事を悟ると、防御魔法に宿っている魔力を膨張させ、自爆させる。これにより{バーニングブラスト}を弾き返し、炎の塊を天井にぶつける事に成功するが、その反動でミトルは吹き飛ばされ、地面に倒れる。

 

メイト「ミトルさん!!」

 

メイトは慌てる様子を見せる。そして、ミトルが立ち上がろうとした時、イヴァルの杖がミトルの目の前スレスレに振り下ろされる。

 

イヴァル「ミトル、お前はゲームオーバーだ」

 

イヴァルはそのままトドメを刺そうとする。イヴァルをサポートしていた魔法使い達もイヴァルの勝利を確信しており、彼の後ろに突っ立っていた。しかし、そこへメイトが杖の柄を地面に叩き付ける。

 

イヴァル「あ………?」

 

メイトの突然の行動にイヴァルと、彼と同じグループの魔法使い2人はメイトへ視線を向ける。

 

メイト「………{ホーリーライト}!!」

 

それと同タイミングにてメイトは杖の先端から光を放出する。

 

イヴァル「ぐあああっ!? 目がぁぁぁ!?」

 

イヴァル達3人は突然の光を受け、目を眩まされる。ミトルは何が起きたか分からない様子だったが、その隙にメイトがミトルの手を引き、彼女を連れてその場からの逃亡を図る。

 

イヴァル「ま、待て! くそっ!!」

 

イヴァルは苦し紛れに{ファイアボルト}を放つが、視覚を失われている為に杖の向いている方向はデタラメであり、メイト達に当たる事は無かった。少ししてイヴァル達は視覚が回復するが、既に目の前にメイト達の姿は無く、みすみす逃亡を許す結果となった。

 

イヴァル「くそっ! あの小娘がああぁぁ………!!」

 

イヴァルはミトルを潰せなかった上に、完全に眼中に無かったメイトに一本取られた事が屈辱な様子を見せていた………

 

 

 

なお、ここまで5分程の激しい展開は近くにあったカメラらしきものに映っており、先程の大広間の隣の部屋にてその映像を目撃していた。

 

エリハ「{ホーリーライト}………本来呪いの解除の効力を持つ聖なる光を咄嗟に目眩しに使うとは………彼女、中々良い対応力を持ってますね。奇策とはいえ、自分より格上の仲間を守りつつその場は撤退を選択した。この試験を通過する中で必要なのはあくまで生存。無鉄砲に格上に勝つ事では無い事をあの子は本能的に理解している………」

 

エリハはメイトの咄嗟の対応力を絶賛する様子を見せる。

 

ミレスト「そういえばあの子、春香様とU様のお連れの子ですよね? 5級にしてはあそこまでの対応が出来る子はそういません………何か入れ知恵を?」

 

ミレストはメイトが春香達と一緒にいた魔法使いである事を思い出すと、彼女達の助言の線を考えていた。

 

春香「ふふっ………さあ?」

 

春香は微笑みを見ながらはぐらかすようにそう呟くのだった………

 

 

 

ミトルがイヴァル達の策に嵌り、絶体絶命の危機に陥ったものの、メイトの機転に効かせた行動で全滅を免れる事に成功した。しかし、まだ試験は終わらない。果たして、メイトのグループは一次試験を突破する事が出来るのだろうか………?

To Be Continued………




次回予告
メイト達はとある一室に身を隠しており、再起を図る事を考えていた。そんな中、ミトルは何故自らを助けたのかを疑問に感じており、彼女へ問いかけるのだった………
次回「助ける理由」
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