バトルウォー側から提示された和平交渉の話し合いの場。しかし、これは大半の人物から罠だと睨まれていた。話し合いでは、敢えて交渉に乗る空気になると共に、春香の中で何か秘策がある様子を見せたのだった………
交渉が行われる2日前に、交渉の場へ向かう者達がバトルウォーに向けて出発する事となった為、特定の人物が交渉へ向かうまでの4日間は、マジェステンドを警護しつつ束の間の猶予期間で様々な人物が特訓や作戦会議に時間を費やしていた。だが………
春香「………いい、メイトちゃん? 攻撃魔法の連続詠唱は相手にぶつける魔法物のイメージと生成と射出の両工程を繰り返す事により成立するの。そして、それを効率良く行う小技として、魔法物のイメージを最初の1発目の段階で固定しておく方法があるのよ。次に違う魔法を使いたいなら、別の魔法物のイメージを思い浮かべる工程からやる必要はあるけど、同じ魔法の連射はそのイメージを何度も行う必要は無いの。何故なら魔法を使ってから1、2秒は何もしなければそのイメージがまだ頭に残るから。{ファイアボルト}でイメージするなら火の矢のイメージが使ってすぐは無意識に頭に残るのと同じ。この小技を使えば速射精度は従来の1.6倍に上昇するわ」
春香はメイトに対して修行や講義に近い技術の指導など、自分の為の時間を設けていなかった。
春香「………じゃあ、実際にやってみて」
指導を受けていたメイトは春香の言葉に頷き、彼女の指示通りに連射する為に試行錯誤を繰り返す事となった。
春香「違う。魔法を使う時に最初にイメージする癖が付いちゃってる。他の魔法に切替える時ならいいけど、同じ魔法を使う時は小さなロスになるわ」
春香はメイトに対して厳しく指導をしていた。メイトは文句1つ言わずに特訓に挑んでいたが、その様子を見ていたエリハは首を傾げており………
エリハ「あの………春香さん? なんでバトルウォーに派遣される事が決まったあの日から何も特訓をしていないんですか………?」
春香に対して、何故自分の為の特訓をしないのか問いかける。
春香「………あんまり手の内を晒したくない主義だからかしら?」
春香ははぐらかすようにそう呟いた。しかし、エリハにとってその理由は納得が出来ないものであった。
エリハ「確かに春香さんはマジェステンドの中でもお強い方です。でも、バトルウォーが春香さんを対策している可能性だってあるんですよ? だったら特訓や策を立てる準備をしておいた方が………」
エリハは春香の実力を認めつつも、対策に向けて行動するように提案する様子を見せる。
春香「………そうね。でも今はメイトちゃんの為に時間を使いたいの」
しかし、春香はメイトに時間を使いたいという理由でこれを拒否した。それを聞いたエリハは困惑し………
エリハ「どうしてそんなに自分に自信があるんですか………?」
春香に対して思わずそう問いかけた。すると春香はフッと笑う様子を見せ………
春香「自信か………考えた事もないけどね。特に、Uさんという最強の旦那様の隣にいるとね………」
そう言って、自信とはまた違う根拠故の行動である事を仄めかす。しかし、エリハには春香の思考が理解出来ず、この場では彼女の意図に気付く事は出来なかったのであった………
和平交渉に向けてそれぞれが動く中、メイトへの魔法指導を優先する春香。エリハにとってこの行動の意図は全く理解の出来ないものであったが、春香の中ではとある考えがあっての行動であった。果たして、その考えとは………?
To Be Continued………
次回予告
あっという間に日時は進み、いよいよマジェステンド側はバトルウォーへ向かう事となった。春香とUが離れ離れになる状況においても、2人は冷静な様子を保ち続けており、他の者達に疑念を与えていたのであった………
次回「平静な2人」