幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
和平交渉をする為にバトルウォーへやってきた春香達。そこで最後の1級魔法使いザスター=サンチスが出迎え、春香達は話し合いの場まで案内される事となったのだった………


第153話 無意味な交渉

そして春香達も席に着席後、国王の隣にバトルウォーの軍師であるクルーフが着席する。

 

クルーフ「………それでは、本交渉を行うに当たり、我々からの要求を申し上げる」

 

クルーフは着席してから間もなく、懐から紙を取り出し………

 

クルーフ「まずこの戦争を終わらせるに当たり、そなたらには降伏という形で降りてもらい、我が国の支配下に置かせてもらう。当然、支配下に置くという形のため貴国の領地は全て没収とする。そして、賠償金についてだが………」

 

そう言って、まるで自分達が戦勝国と言わんばかりな様子で自分達に有利な条件を次々と提示してきた。

 

役人「ま、待ってください! これでは私達が敗者みたいになっているじゃないですか!!」

 

これにはマジェステンド側の役人も指摘を行ったが………

 

クルーフ「………何か勘違いされているようだが。貴殿等はこれまで1度も我が国を攻めていない。それに我々にはまだ戦力が残っている。更に、そなたらは王族が全滅している。それを踏まえれば我が国が有利な交渉を行うのは自然な事だ。それとも、我々無しで国を建て直す術があるとでも?」

 

クルーフは、マジェステンド側が一度も攻めに出なかった事、そして王族が誰もいない事を理由に自分達の優位を語った。それを聞いた役人は信じられないと言わんばかりに悔しそうな様子を見せていた。

 

春香「(やはり、あの人達は自分達の有利のみを取ろうとしますか………はあっ、こうなったら交渉なんて到底無理です。あまり秩序を乱す真似は良くない事ですが………)」

 

そんな中、春香は溜息をついて席を立つと………

 

春香「………帰りましょう。1級魔法使いを7人失ってもなお自分達が有利と思い込んでる馬鹿な国の相手なんてしていられません」

 

そう言って、さっさと帰ろうとする様子を見せた。

 

クルーフ「………座れ、白髪の女。話はまだ終わっていない」

 

クルーフは春香に対して着席するように言い放つが………

 

春香「嫌ですね。何を思ってこんな交渉を行ったのか知りませんが………そちらばかり有利になるのは何の意味も無いです。そして、それを当然とばかりにニヤける馬鹿な王様にも飽き飽きします」

 

春香は冷静な様子で交渉の内容とバトルウォーの国王を侮辱するかのようにそう言い放った。

 

国王「な、なんだと!? この無礼な女が!!」

 

これにはバトルウォーの国王も怒りを顕にしていた。

 

春香「無礼な方が無礼を指摘するとは滑稽なものです」

 

しかし、春香は国王のブーメラン発言を冷静に指摘した。それを聞いた国王は怒りを顕にし………

 

国王「ザスター! あの女をつまみ出せ!!」

 

ザスターに対して、春香を追い出すよう指示した。ザスターは席を立ち、ローブの中から杖を取り出すと、その先端を春香へ向けた。

 

春香「はあっ………やる気ですか?」

 

春香は呆れた様子でそう問いかける。

 

ザスター「悪いがこれも陛下のご命令だ」

 

ザスターはあくまで仕事として彼女を追い出そうとしていた。

 

春香「そうですか………なら万一死んでも文句なしですね?」

 

それを聞いた春香は溜息を漏らす。

 

ザスター「何を言っている………お前に私は倒せん………! {ファイアボルト}!」

 

ザスターは春香に殺されるなど考えていないのか、そう言って杖の先から火の矢を放つ。だが、春香は残像を残すスピードでこれを回避。その直後に右手に出現させていた杖の先端をザスターの背に押し付ける。

 

春香「まさか私ごときなら倒せるとでも? ………それは笑い草です。それに、私を倒せた所で1番強い人にはなれません。私がなれていないんですから」

 

春香はザスターを嘲笑うかのようにそう言葉を返すのであった………

 

 

 

和平交渉が開始されたものの、その内容はバトルウォー有利のものであり、とても交渉とは言えないものであった。その結果春香が不満をこぼし、バトルウォー側の怒りを買って対立する事となった。果たして、この騒ぎの結末はいかに………?

To Be Continued………




次回予告
ザスターは一定の範囲において、究極の探知魔法を発動しており、人や魔法など関係なく探れる探知魔法の使い手だった。しかし、春香はそんな相手を前にしてもロクに苦しそうな様子を見せていなかったのだった………
次回「究極の探知魔法」
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