エタールの封印が解かれるまでの時間が限られ、絶望する面々の中で春香とUはまるで諦めていなかった。果たして、2人の心境は如何なるものであろうか………?
会議室を出た2人は、城の食堂に来ていた。
U「………他の連中、本気でビビってたな。無理も無い話だが」
Uは冷静な様子でメイト達が恐怖を感じていた事を口にした。春香も何事も無かったかのように料理を作っており………
春香「因みにUさんは恐怖を感じていたりは?」
いつも通りの声でUにそう問いかける。
U「無いね。あんな強敵は腐る程見てきた。もう相手が強いから怖いとかそんな感情は慣れでどっか行ったよ」
Uは冷静な様子で特に恐怖などは感じていない事を語った。事実、Uは近くに置かれていた湯呑みを手にし、呑気に緑茶を飲んでいた。
春香「そう帰ってくると思ってました………はい、完成です」
春香はUならそんな回答をしてくると読んでいたのを口にすると共に、彼の目の前に料理を盛り付けた皿を複数置いた。
U「おおっ、久しぶりの春香の手料理だ」
Uは春香の手料理を前に子供のような反応を見せていた。
春香「これから生死を賭けた戦いをするとは思えない程に呑気ですね」
春香は呑気なUの態度に思わずそう呟いた。
U「強敵相手にビビるのは別に人間の本能そのものだと思う。でも僕の場合はアレだな………長い人生の中で強敵ばっかと戦ってきたからかな? ………感覚が麻痺してる。春香だって実の所怖くなんかないだろ?」
Uは長い人生の中で何度も今のような状況に遭遇していた事から、感覚が麻痺してしまっている事を自覚していた。それと同時に春香も恐怖を感じていない事を見透かす様子を見せた。
春香「………そうですね。正直、今回の事以上に怖い事なんて幾らでもあるので」
春香はUの言葉に頷く様子を見せた。それを聞いたUは………
U「安心したよ。というか、怖気付く可能性なんて別に考えていなかったけどさ」
そう言って、安心する様子を見ていた。
春香「じゃあ怖いと言ったらどうするおつもりで?」
春香は冗談交じりに、もし怖いと言った時の場合について問いかける。
U「ハハッ、足手まといになるとか言って置いてったかもな」
Uは笑いながら冗談を口にする。
春香「Uさんならそうするでしょうね。私があなたの立場でもそうしましたでしょうし」
春香も予想できた答えにそう呟き、自身が逆の立場でもそうした事を笑いながら語る。
U「………君も案外辛辣な所あるな」
これに対し、Uは苦笑いをしながら思わずそう呟くのであった………
2人の様子は、これから生死を賭けた激闘に挑むとは思えない程に冷静なものであった。その原因には、この2人にとって今回の激闘は特に恐怖を感じていた事が大きく関係していたのであった………
To Be Continued………
次回予告
1時間が経ち、春香達が再び策を話し合う中、メイトが2人の元を訪ねてきた。メイトは2人が本気でエタールと戦おうとしている姿勢に驚くと共に、自身が恐怖を抱いている事を告白するのであった………
次回「心の中の恐怖」