春香とUは、激闘が目の前に迫っている中でも平静な様子で食事を取っていた。2人の中に恐怖は無く、その理由について2人のは長い人生で似たような状況を何度も踏んでいる事による感覚麻痺であると考えていたのであった………
食事の後、春香とUの2人は自室で策を練っていた。2人で話し合いを進める過程で1時間経っており………
春香「………先の対決を見るに、あの人が10種の古代極大魔法を使ってくるという話は事実でしょうし………恐らくこれらを組み合わせられます。あの人が使う古代極大魔法は私達や現代の魔法使いのように鎧が生成されるものではありませんが………同時に好きなように掛け合わせられるだけの技量と魔力があるのでしょう。というか、あの鎧は現代の魔法使いが使う為の変換器的なものなのでしょう。これがないと使えないというか………まあとにかく、あの人の前では10種類のどれかが唐突に飛んでくる想定で動くしかありません」
春香はエタールの魔法の特徴や対処法について語る。
U「そうなるか………強化形態でゴリ押すか?」
Uは春香に対し、自分なりの対応策を語る。
春香「正直それも考えてます。とはいえ、こちらはタイムリミットがあります。無策に使えばすぐに倒さなければいけなくなります。2人の体力が切れたらこちらは間違いなく負けです」
春香は強化形態での勝負も考えていたが、それはタイムリミットが生じるリスクある行為だった。やるにしてもせめて策が必要である事を語る。
U「やっぱり体力の面か。それを考えると………どうしたものか」
Uは体力の問題についてどうするかを考える様子を見せていた。その最中、春香達の部屋の扉にノックの音が聞こえた。鍵は開いていたので、直後に扉が開き、そこにはメイトが立っていた。
メイト「あの………失礼します………」
メイトはあからさまに元気の無い様子で部屋に入ってきた。
春香「………どうしたの、メイトちゃん?」
春香もそれを感じたのか、メイトに対して自身から声をかけた。
メイト「お忙しいところ失礼します………あの、確認したい事があって………」
メイトは確認の為に2人の元を訪れた事を語る。
メイト「………お2人は本気で戦うおつもりですか………? 私はその時眠ってしまっていたので詳しい事は分かりませんが………その………私としては古代極大魔法10種を使う魔法使いと戦うなんて………無理です………なんなら、想像しただけで怖いです………」
そしてその内容は、エタールに対して本気で勝負を挑むのかというものだった。
春香「………怖いと思うのは恥ずかしい事じゃないわ。というか、怖いと思っていないのは私達の感覚が常人の域を逸脱しているからだもの」
春香はこれについて、メイトの感じる恐怖は何もおかしくはない事を語った。おかしいのはこのような絶望に慣れてしまっている自分だとも語る。
メイト「でも………! 幾らお2人が百戦錬磨の実力者であるとしても………普通、あそこまで呑気に次の事は考えられません………!」
それだとしてもここまでの落ち着きようはメイトにはとても理解出来なかった。それを聞いた春香とUは顔を見合わせると………
U「………10種の最強魔法使えるって話は確かに凄い話だけどさ………別に自分としては今回と同等、もしくはそれ以上に絶望感じた敵なんていっぱいいるしなぁ………」
Uは今回以上に絶望を感じた事はたくさんあった事を口にする。
メイト「そ、そうなんですか………?」
メイトは信じられない様子で首を傾げた。春香とUは再び顔を合わせると………
春香「………そうね、まだ少しだけ時間もあるし、昔話でもしてあげましょうか………」
春香は過去を懐かしむかのように、昔の話を始めたのであった………
策を練る春香達の元を訪れたメイトは、自身の中にある恐怖を吐露し、この状況で冷静に動ける2人が理解出来ない様子だった。しかし、それには2人にとって今回の事以上に絶望を感じた出来事が腐る程ある事が、その理由である事が明らかとなったのであった………
To Be Continued………
次回予告
春香達の昔話を聞き、2人が今回の事を特に苦だと感じない理由に納得してしまっていた。だが、春香達は怖いなら戦わなくていいと、あくまでメイトの本心に寄り添うアドバイスを送るのであった………
次回「本心に寄り添う選択」