春香の最終試験は、大半の受験者に混乱を与えるものだった。ミトルは解錠魔法を用いる事で楽々攻略したが、解錠魔法の無いメイトに果たして攻略法はあるのだろうか………?
それから30分程考察を行うメイト。攻略法は中々見えないが、魔力を身にまとって空けようとしてみたり、小箱に{ファイアボルト}を放ってみたりなど、とにかく動いてみた。しかし、小箱はびくともしなかった。
ミトル「空く気配が一向に無いわね………」
その間もミトルはメイトを見守っていたが、メイトが全く小箱を空けられない事を心配する様子を見せていた。
メイト「………空かないなら春香師匠はこんな無理な課題を試験にしません。絶対に何か攻略法が………」
しかし、不可能であるなら低級魔法使い達が確実に落ちる試験となってしまう事から、春香がそんな馬鹿げた試験を用意するはずがない………そう考えてメイトは試験には絶対に攻略法があると考えていた。
ミトル「とはいえ、情報は貴女のお師匠様が言った、小箱を空ける事においてあまり深く考え過ぎない事………くらいしかないし」
だが、ミトルは情報があまりにも無さすぎる事を口にした。
メイト「………深く考え過ぎない………なら、1つ試してみるべきなのかな………?」
そんな中、ミトルが再度口にした春香のヒントに何か引っかかる様子を見せていた。
ミトル「何か分かったの………!?」
ミトルは首を傾げながらメイトに問いかける。
メイト「確証はありませんが………」
メイトはそう言うと、身体に魔力を纏わせる。
ミトル「魔力を纏いながら空ける方法………? それは最初に失敗した方法じゃない………?」
ミトルは、メイトが再び同じ手段を取った事に首を傾げていた。だが、メイトは目を閉じて小箱の蓋を手にすると、小箱ははっきりと空いてしまった。
ミトル「ええっ!? あ、空いた………!?」
ミトルは一瞬何が起こったか分からない様子だった。そして、これには受験者の誰もが驚いていた。
メイト「………成程、思ったよりも単純な仕組みだったって事ですか」
メイトはそう言って、小箱を空ける為の条件を確信する様子を見せた。
魔法使い4「ど、どうやって空けたんだ!? 教えてくれ!!」
他の受験者達はメイトの空けた方法が気になっていた。だが、ミトルはメイトの腕を掴むと、その場から走り出した。
ミトル「教えちゃ試験にならないでしょうが!!」
ミトルはそう言って、ヒントを与えてはならない事を考えていた。他の受験者達はメイトからヒントを聞き出そうと追いかけようとしていたが………
春香「あっ、言い忘れていましたが………他の人から答えを聞いて空けた場合、即座に脱落するのでご注意を」
春香が後出し同然で言い忘れていたルールを語る。
魔法使い3「そういう事は先に言えー!!」
そう言って、受験者達は不満を口にする。すると春香はニッコリと笑顔を見せ………
春香「………脱落がいいですか? それとも人生終了がいいですか?」
全身から莫大な魔力を放出し、脅しをかけた。
魔法使い4「っ………!! し、試験頑張りやーす………」
受験者達は諦めて小箱を空ける事になった。この光景には他の1級魔法使いもビビっており………
U「………馬鹿な連中だよ、呆れて反吐が出る」
Uは完全に呆れた様子を見せていたのだった………
そして、一旦廊下に出て、他の受験者達から逃げ切ったメイト達は………
ミトル「そういえば………どうして小箱が空けられたの………?」
ミトルが今一度どうやって小箱を空けたのかについて問いかけた。
メイト「………春香師匠の言う通り、深く考えないで空けましたよ。こうすれば空くってイメージを持つというか………平たく言えば、頭空っぽにして空けました」
メイト曰く、その答えは春香のヒントをダイレクトに受け取ったものだった。
ミトル「そんな方法で………!? というか、それならこの試験の答えって深く考えたらダメって事じゃないの………?」
ミトルは、メイトが導き出した答えに困惑を隠しきれなかった。そんな中、大広間から廊下への扉が開く。2人が扉に目を向けると、そこには春香が立っていた。
メイト「春香師匠………!?」
これには、メイトとミトルのどちらも驚く様子を見せていたのだった………
メイトは深く考えず事を辞め、イメージを持つだけで小箱を空けてしまった。果たして、春香は何を考えてこのような試験を行ったのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
廊下に出てきた春香は、今回の試験の意図をメイト達に語る。その中でメイトの導き出した攻略法に設定した理由が明らかとなるのだった………
次回「春香の意図」