身体が重くなる事象について、クロスがUの身体に触れていた事がトリガーであると判断したUは、それを検証し、これを確信するのだった………
トリガーを見抜かれた可能性を察知したクロスは一旦距離を取り、Uの目に視線を向けていた。
クロス「(………奴の観察力は俺が想像した以上に鋭い………このまま隠し続けても、片方のトリガーがバレてしまっている以上、俺がどんなに速く動いたとしても、奴からすればただの高速移動で片付けられて対処される。避けたつもりがかわせていなかった事がその根拠だ………)」
クロスはUの観察眼に目を向けていた。クロスは初見で自らの策を破られるとは考えていなかったらしく、この状況に首を傾げていた。だが、少し考えた後………
クロス「………いいだろう。俺の力を隠す意味も無い。俺が先程操っていた魔法は2つ。それはどちらも大魔法に該当する{クロッククイック}、{クロックスロー}。前者は俺の魔力に触れた者の速度を3倍にするもの。後者は逆に俺の魔力に触れた者の速度を3分の1に落とす。どちらも3秒しか持たないのがネックであり、俺が直接触れなければ効果が発動しない………逆に言えば、俺が触ればどんな奴であろうと時の支配からは逃れられない………!!」
クロスは敢えて自身の手を晒した。
U「時………(………あの口ぶり、恐らく奴が操る魔法は時の魔法だ………春香本人からそんな魔法の存在はちゃんと聞いた事は無いが………)」
Uはクロスの説明を聞き、それが時に関する魔法である事を即座に察知した。しかし、春香から時の魔法に関する話は聞いていないのか、首を傾げていた。
クロス「………そして、お前が俺の魔法のトリガーを知った事で{クロックスロー}は意味を失い、隠す意味も無くなった………地力ではとても敵わなさそうだからな。行くぞ、ミアス様」
クロスはUを認めると共に、2人がかりでUを倒す事を宣言する。一転して2vs1の状況を迎えてしまったUだが、Uは後ろから来る何かの気配を感じた。それを感じたUはフッと笑いを零すと………
U「2人がかりか………まあ殺し合いなら普通に有り得る選択だけど………僕だって1人じゃないぜ………!」
突如としてそんな事を口にした。クロス達がその言葉に首を傾げた次の瞬間、Uの後ろから紫の矢がUの横を通り過ぎ、クロス達に向かって飛んできた。
クロス「っ! ミアス様!」
クロスは咄嗟に{クロッククイック}を発動し、紫の矢をかわした。
クロス「(あれは魔力による矢………しかもあの練度………相当の腕を持つ魔法使いだな………!)」
クロスは紫の矢が魔力によるものだと咄嗟に察知した。そして、Uの後ろへ視線を向けると、長い白髪の魔法使い、白宮春香がUの横まで歩いてきた。
春香「お待たせしました、Uさん」
到着した春香が最初に言ったのは、Uに対する到着報告であった………
クロスの魔法の原理を見抜き、2vs1の状況に持ち込まれたUだったが、春香が到着した事で2vs2のイーブンに持ち込む事となった。果たして、2vs2の対決はどのような展開を迎えるのだろうか………?
To Be Continued………
次回予告
クロスの魔法が時の魔法である事を春香に共有するU。しかし、クロスは自身の魔法を見抜かれても問題が無かった。それは、クロスが持つ極大魔法に答えがあったのだった………
次回「時を司る極大魔法」