幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
春香達の戦いの場に駆けつけたメオンとクロスは旧知の仲であった事が判明した。クロスの目的は古代極大魔法の魔導書であり、メオンが魔導書を託した作業員は、何故かクロスの後ろに立っていたのだった………


第55話 クロス側の筋書き

メイト「あの人………メオンさんが魔導書を持たせた人………!?」

 

近くから様子を見ていたメイトは、目の前にいる作業員が魔導書を託された人物と同一人物である事に気付く様子を見せた。

 

メオン「………貴様、どういうつもりだ」

 

これにはメオンも理解に苦しむ様子を見せていた。

 

作業員「こ、こうするしかないんだ………! 今の王族にこんなのを渡したら本当に世界は終わる! だったら、真の救世主となるクロス様に渡すべきだ!!」

 

作業員はそう言うと、魔導書をクロスに投げ渡した。

 

クロス「………ご苦労」

 

クロスはそれを受け取り、作業員は声を荒らげながらその場から逃亡した。

 

U「………成程、奴は最初からお前達側の人間だった訳だ」

 

その光景を見たUは、作業員が最初からクロス側の人間であった事を察する様子を見せた。

 

クロス「そうだ。その様子だとメオンは気づいていなかったらしいが………この魔導書が俺の元に回ってくるまでの筋書きは俺の想定したものだ………まあ、そこの2人に一泡吹かせられたのは想定外なんだが」

 

クロスは、ここまでの展開が自身の筋書き通りである事をここで語った。春香とUのコンビに苦戦を強いられた事は流石に想定外のようだが、それでも概ね自身の思った通りに事は進んでいる事から、現状に満足しているようだった。

 

メオン「そんなものをお前達が持ってどうなる………! また罪を増やすつもりか!?」

 

メオンはクロスの行動原理が理解出来ず、思わずそう問いかけた。

 

クロス「………罪ならいくらでも背負ってやるさ。だが、今の国家体制に期待出来るものなんて何も無い。俺は忘れていないぞ、6年前のあの日、俺が国家に反逆する道を決定づけたあの事件の事を………!」

 

するとクロスは、どこか怒りを見せるようにそう言い返した。

 

春香「6年前………?」

 

これには春香も首を傾げていた。そしてクロスは、近くにいたミアスの肩を掴むと………

 

クロス「………メオン、お前には俺の気持ちは分からないだろうな。お前は国家に忠実な男だから………次に会う時は容赦しない」

 

メオンに対し、自身の気持ちを理解する事など出来ないと言わんばかりにそう呟く。そして、春香とUに視線を向けると………

 

クロス「それと………春香とU………だったか。お前達の強さは本物だ、それは素直に認める。お前達と次に会う時を心待ちにするとしよう」

 

2人の強さを認める言葉をかけると共に、次に会う時を心待ちにする事を語ると、{クロッククイック}を発動してその場から離脱した。

 

メオン「クロス………」

 

この時のメオンは、クロスの名を弱々しく呟く事しか出来なかった。そして春香達は、そんな彼の心情を思わず察してしまう事となったのだった………

 

 

 

古代極大魔法の魔導書はクロス側に渡ってしまい、同時にクロス達が逃亡した事で、魔導書の防衛には失敗してしまった。そしてこの時の出来事が、次の大きな事件を引き起こすきっかけとなってしまう事を、この時の春香達は知る由もなかった………

To Be Continued………




次回予告
メオンはミラクレンド国王に魔導書防衛失敗を謝罪する事となった。結果としてその場は収まったものの、春香は事態に対する違和感を感じていたのだった………
次回「春香の中の違和感」
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