幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
満身創痍の中、1人歩き続けるUはクロスと遭遇する事となった。意識が薄れ始めても尚クロスの攻撃を防ぐUに対し、クロスは厄介さを感じていたのだった………


第78話 真っ黒な怒りの力

Uの厄介さを感じたクロスは両手を組み合わせると、詠唱を開始する。

 

U「させるか………!」

 

Uはそれを止めようと歩き出すが、再び視界がぐらついた。

 

U「うあっ………!? (ぐうっ………また意識が………!)」

 

Uは今にも消えそうな意識に抗う様子を見せていた。だが、その隙に魔法の詠唱を終えたクロスは………

 

クロス「極大魔法{クロノスクロック・エターナル}!!」

 

結界を展開し、Uと自身を空間内に閉じ込めた。

 

クロス「お前には言わずとも分かるが………この空間内では{クロッククイック}と{クロックスロー}を、俺の手が触れずとも発動出来る!!」

 

クロスは改めて効力を説明すると、自身に{クロッククイック}、Uにクロックスローをかける事で、スピード面で優位を取った。クロスはヒットアンドアウェイの要領でUに接近して攻撃した後、一度距離を取ってから攻撃するパターンを繰り返す。Uはセイバーを使ってなんとか攻撃を防ぎ続けていたが、意識が消えかけている事からとても苦しそうだった。そのような戦いを続けている中、結界から少し離れた場所に、春香の姿が現れた。

 

春香「(結界………極大魔法によるものでしょうか………?)」

 

春香は目の前にある結界を極大魔法のものと認識すると、結界の中で戦っている人物達に目を向ける。

 

春香「(あの中にはクロスと………Uさん? でも、顔色が優れないような………?)」

 

春香は結界の中にいる人物が誰かは分かったものの、Uの顔色が優れない事を疑問に感じていた。そんな中、Uは何度目か分からないクロスの攻撃を防ごうと右手を動かそうとするが、この場面で視界がぐらついた。

 

U「うあっ………!? (ダメだ………! また意識が………!)」

 

意識を失いかけるU。これによってクロスの攻撃に反応出来ず、クロスの拳のグローブについた爪がUの胸を貫いた。

 

U「があっ!?」

 

Uは口と胸から血を吐き出した。その光景を見た春香は血の気が引いていく気持ちとなり………

 

春香「U………さん………!?」

 

これまでの冷静さが一転して動揺を隠しきれなかった。一方でクロスはUに攻撃が当たった事に信じられない様子を見せており、Uはその隙に右足でクロスの身体に蹴りを入れた。

 

クロス「ぐあああっ!」

 

クロスの身体は結界を突き破り、強引に極大魔法を解除させた。

 

U「がはっ! げほっ、げほっ!!」

 

Uは血を吐きながらセイバーを支えに座り込む。

 

U「(心臓を避けた………無意識に生存本能が働いたか………)」

 

胸を突き破られたにも関わらず冷静な様子を見せるU。しかし、Uは突如として横から真っ黒なエネルギーを感じ取った。

 

U「(な、なんだ………? この真っ黒なエネルギーは………!?)」

 

Uはエネルギーが感じとれた方に視線を向ける。するとそこには春香が立っており………大きな憎しみを感じられる怒りの表情を浮かべていた。

 

U「はる………か………!?」

 

Uは春香の様子に大きく動揺する様子を見せた。Uの呟いた言葉から、クロスは思わず春香の方に視線を向けたが、その直後、クロスの顔面に真っ黒なエネルギーが突き刺さり、クロスは悲鳴を上げる間も無く大きく吹き飛ばされた。

 

クロス「な、なんだ………!? あれは春香………なのか………!?」

 

Uやクロスは春香の様子や姿に驚きを隠せなかった。そして真っ黒なエネルギーを放出する春香は徐々に姿を変え、真っ黒な悪魔の姿へと変貌した。

 

U「あの姿………まさか春香の中にある魔族の力が………!?」

 

Uは春香の中にある力の暴走が理由である可能性を感じていた。そして春香は少し動いた後………

 

春香「………ウアアアアアアアアア!!」

 

言葉にならない咆哮をあげた。この咆哮は周囲一帯に風圧を発生させ、近くにいたU達は吹っ飛ばされた。

 

U「うあっ! (あんな春香、久しぶりに見た………まさか僕が刺された所を見てたのか………!?)」

 

血を吹き出しながら吹き飛ばされたUは、地面に倒れてから身体の感触を失っており、立てずにいた。それと同時に春香が先程までの光景を見ていた事を察知する様子を見せる。しかし、今は春香の異形の姿に動揺する事しか出来なかったのだった………

 

 

 

そして、春香の咆哮による風圧は、メザイアとディバイスの戦う場にも届き、その威力はディバイスの極大魔法による結界を外側から粉砕する程だった。

 

ディバイス「………! な、なんだ………? ………まさかボスの身に何かあったのか………!?」

 

ディバイスは突如起きた事態に困惑する様子を見せると共に、クロスの危機を感じ、メザイアそっちのけで風圧が発生した方角へ走り出した。メザイアは追いかけようとしたが、状態異常によるダメージや麻痺の後遺症からその場に倒れてしまった。

 

メザイア「詰んでいた盤面から一転して………偶然助かった。しかし、奴は何故撤退を選択したのだ………?」

 

しかし、メザイアの頭の中はディバイスが戦闘を放棄した事に対する疑問でいっぱいだった………

 

 

 

クロスによって大きなダメージを負ったUだが、その光景を見た春香の力が暴走し、勝負どころでは無くなってしまった。果たして、春香の力の暴走はその後、どのような影響を及ぼしてしまうのだろうか………!?

To Be Continued………




次回予告
怒りで力だけが暴走する春香は、クロスに追撃をかける。だが、力の暴走は想像以上に恐ろしく、春香の意思を無視した暴走を起こしてしまうのだった………
次回「怒りと力の暴走」
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