幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
春香はクロスを圧倒するものの、力を抑えきれずに意識を失い暴走してしまった。その結果Uに危害を加える事態となってしまい、Uは一方的に叩きのめされてしまうのだった………


第80話 命懸けの抑制策

春香の拳が真っ赤になる程、暴走する彼女はUを殴り続けた。Uは元々の疲労に加え、春香に殴られたダメージで意識を手放しかけていた。

 

U「ぁ………(………もう、声も出せない………このまま暴走した春香に殴り殺されるのかな………?)」

 

Uはこの時、死も覚悟していた………だが、暴走する春香の表情を見たUは驚いた。先程まで怒りを顕にしていたのに、この時は無表情だった。びっくりする程何も感じない春香の表情を見たUは、春香の意思が全く無い事を察知し………

 

U「(………ダメだ。僕がここで死んだら暴走した春香が世界を壊してしまう………! そんな事を春香が望んでいる訳が無い………!)」

 

Uは自身がここで死ねない事を感じた。そして、震えた手で春香の腕を掴むと………

 

U「………変身………!」

 

Uは変身の言葉を呟く。するとUの背から白い触手が出現すると共に鎧へ変化。更に彼の背から生えてきた触手が春香の身体に突き刺さった。

 

U「(僕の力を流して抑制を試みるしかない………! 僕の体力がすっからかんになるかもしれないが………春香が望まない事をするより100倍マシだ………!!)」

 

Uは触手から自身の力を流し込み、春香の暴走する力を抑制しようと考えていた。暴走する春香はそんな状況でも暴れる様子を見せたが、Uは両手を掴み続け、彼女の意識が戻る事に賭けていた。

 

U「(戻れ………! 戻って来てくれ、春香………!!)」

 

今のUに出来る事は、春香が戻ってくる事を信じて力を流し込む事だった。春香の身体から放出される真っ黒なエネルギーは少しずつ抑えられていき、春香の暴走も少しずつ弱まっていき、Uは残っていたエネルギーを全て流し込んだ。

 

U「っ………!! (ぐうっ!? もう、体力が………)」

 

だがその直後にUは体力が尽きてしまい、変身か強制的に解除されてしまった。しかし、春香側も真っ黒なエネルギーが止まると共に目の色が緑に戻り、元の姿へと戻った。

 

春香「ううっ………! ………私は何を………?」

 

春香は意識が戻ると同時に、頭を押さえながら状況把握を行おうとしたが、彼女の目にボロボロのUが倒れている光景が映った事で状況を察知してしまった………

 

春香「………いや………」

 

春香は現実を受け入れられない様子だった。しかし、先程まで傷付けていた相手が相手の為、現実から逃げられなかった。

 

U「ぁ………(春香………!)」

 

Uは声をかけたかったが、疲労から声を出せなかった。そして現実に困惑する春香は………

 

春香「いやあああああああああああ!!」

 

悲鳴混じりに声をあげてしまった。Uは春香の様子に慌て………

 

U「[落ち着け!! 春香!! 僕は生きてる!! 死んじゃいない!!]」

 

テレパシーで春香に声をかけた。それを聞いた春香は声を止めたが、直後に目に涙を浮かべると共にUの胸に顔を埋め、そのまま泣き出してしまった。Uは腕に力を入れる事も苦しく感じていたが、春香の頭に手を回し、彼女の頭を優しく撫でるのだった………

 

 

 

春香の力の暴走は、Uの自身を省みない行動で何とか抑える事に成功した。しかし、春香の感情は崩れてしまい、Uはボロボロの状態だった。この時の事態は、春香の心に酷い傷を与えたのだった………

To Be Continued………




次回予告
その後、春香はUとテレパシーで会話を行い、Uが春香の暴走を仕方の無い事と割り切り、彼女を許した事で春香は幾らか落ち着きを取り戻す事が出来た。だが、城へ戻って間もなく、2人の前に現れたメイトから、衝撃の事実を聞かされたのだった………
次回「真っ黒な事態」
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