幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
暴走する春香に殺されかけるUだったが、無理を押してムーンシロミヤへ変身。彼自身の力を注入して春香の暴走を止める事に成功するものの、春香は心に大きなダメージを負う事となったのだった………


第81話 真っ黒な事態

その後、泣けるだけ泣いた春香は、Uをお姫様抱っこで運びながら城へ向かっていた。春香の表情は今も暗い様子だったが………

 

U「[………春香。君が落ち込むのは分かる。多分僕が君なら………同じ反応をしたと思う………でも、あれは仕方無かった]」

 

Uはテレパシーで春香に声をかけた。それを聞いた春香は顔を俯かせ………

 

春香「仕方無くありません………私が感情に身を任せたせいであんな事に………」

 

自身が怒りのあまりに力を覚醒させると共に、暴走した事について酷く傷付く様子を見せていた。

 

U「[………前に僕が起こした事と似てるな]」

 

しかし、それを聞いたUが次に語ったのは、過去に自身が似たような過ちを踏んだ事の話だった。

 

U「[僕のムーンシロミヤもその前身的な形態は、君を助けようとした感情が独り歩きして誕生してしまった力だった。でもその時の君は真っ黒に塗りつぶされた僕の心を元に戻してくれた。だから僕のムーンシロミヤは、僕の過ちと君の寄り添う気持ちから生まれた奇跡の形態だった。君がいなかったら………僕はいつか暴走して世界を壊していたかも分からない………さっきの過ちは君だけが起こした事じゃない………僕も踏んだものだ。君だけのミスだなんて思わないで欲しい………寧ろ、その苦しみを共有し合える仲なんだ、僕達は………だから、僕は君を責めたりしない。君の苦しみを知っている唯一の人間なんだ。だから………苦しくなったら僕の胸の中で泣いていいんだ]」

 

Uは自身の過去の過ちを語ると共に、それを止めてくれたのは春香だった事を語った。その事から、自分は今の春香と同じ苦しみを共有出来る関係である事を春香に諭し、自身を頼るよう語った。

 

春香「Uさん………ううっ………」

 

同じ苦しみを理解してくれるUの言葉を聞いて幾らか安心したのか、春香は再び泣き出した。Uは春香が再び泣き出した事に驚いたが………

 

U「(………しばらくは泣かせるだけ泣かせてあげようかな)」

 

Uは右手を重々しく上にあげると、彼女の頭を優しく撫でるのだった………

 

 

 

それからしばらくして、城に着いた春香達。この時には春香は冷静さを取り戻した様子を見せ………

 

春香「………すみません、はしたない姿をお見せして………」

 

Uに対して落ち着いた精神状態で改めて謝罪を行った。

 

U「[夫婦間のやり取りにはしたないもへったくれも無いだろう? 気にしてないよ]」

 

Uは相変わらず声が出ないものの、テレパシーで春香の謝罪を受けいれた。2人の関係が落ち着いた直後、城の玄関にて、メイトが春香達を見つけた直後、彼女達の元へ走ってきた。

 

メイト「春香師匠! U師匠!!」

 

メイトは慌てた様子で2人に声をかける。

 

春香「メイトちゃん? ………どうしたの?」

 

メイトの様子から、また良くない知らせであると察知する春香。メイトは次に春香達に対して伝えた。

 

メイト「あの………王様と一緒に逃げてた大臣様が慌てて戻って来て………王様が殺されたって語っていました………!!」

 

それは、大臣に促されて逃亡していた国王シロムが殺害されたという知らせだった。

 

春香「な、なんですって………!?」

 

それを聞いた春香は驚きの声を漏らした。Uもこれには驚いていたが、何か気になった様子を見せていた。

 

春香「[………? Uさん? どうかされましたか………?]」

 

Uの様子を見た春香は、テレパシーで彼に声をかける。

 

U「[いや………国王が死んだ事にはビックリしたが、一緒に逃げていた大臣だけ戻ってきたのがちょっとな………春香、メイトちゃんにそいつの怪我の具合とか聞いてもらってもいいかな?]」

 

Uは大臣の事について違和感を感じたのか、春香の口からメイトに問いかけるよう依頼する。春香はそれに小さく頷くと………

 

春香「………メイトちゃん、大臣様はお怪我とかされていたかしら?」

 

メイトに対し、Uから頼まれた疑問を問いかける。

 

メイト「えっと………怪我はしてなかったと思います。息は切らしていましたが………」

 

メイト曰く、怪我はしていなかったらしい。それを聞いたUは驚きつつも、どこか有り得そうと言わんばかりの様子を見せ………

 

U「(………またきな臭いパターンか………)」

 

事態をどこかきな臭そうにそう呟くのだった………

 

 

 

Uの言葉で落ち着きを取り戻した春香はUと無事に和解する事に成功する。しかし、直後に知らされた国王シロムの死。果たして、それを聞いた春香達はこの先どの道を選ぶのだろうか………?

To Be Continued………




次回予告
国王シロムの死に対し、マジェステンド内にいる1級魔法使い達が、エリハを除いて集結した。だが、この会議にやってきた大臣は、自身が国王の代理として政治運営をする事を突如として宣言する。メザイア達の反対を押しのけてまで地位にこだわる大臣の言葉に対し、春香は着いていけない事を言い放つのだった………
次回「大臣の横暴」
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