幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
心に大きなダメージを負った春香だったが、Uとの対話で和解し、冷静さを取り戻す事が出来た。だがその直後、マジェステンド国王のシロムが殺害された知らせが春香達に知らされたのだった………


第82話 大臣の横暴

春香がUを医療室に運んだ後、城の会議室にてマジェステンド国の1級魔法使い達が召集された緊急会議に参加する事となった。エリハは怪我で会議に欠席する事となったが、この時にマジェステンドに残っていたミラクレイド国の1級魔法使い、メオンが出席していた。

 

メザイア「………という訳で、今回のマジェステンドが受けたダメージは深刻だ。特に………陛下が亡くなられた事はとてつもない事態だ。陛下が亡くなられた事はしばらく国民には伏せるが………クロス達の対処を行わなければならない状況でこれは最悪の事態だ………」

 

メザイアは現状に危機感を抱いていた。ミレストが見るからに落ち込む様子を見せている中………

 

メオン「………俺は1度ミラクレイドに戻って、陛下に協力を要請出来ないか交渉してみましょう。状況を聞くに、奴等も幾らか痛手を負ったはずだ。奴等が息を吹き返すまでの猶予でこちらの体制を立て直す他無いだろう」

 

メオンは、1度ミラクレイドに戻って協力要請を取り付けてみる事を呟いた。

 

メザイア「頼む、メオンくん」

 

メザイアはメオンに頭を下げる。こうしてミラクレイドの協力を仰ぐ事に決まった直後、会議室の扉が開いた。するとそこにはこの国の大臣が立っていた。

 

メザイア「大臣様………!」

 

メザイアは大臣の登場に驚いていた。

 

春香「(あの方がこの国の大臣、エレフト=ボウオーですか………)」

 

春香は、目の前に現れた男こそマジェステンド大臣こと、エレフト=ボウオーである事を察知する様子を見せる。

 

エレフト「………諸君。陛下の死は誠に残念であると共に、私の不甲斐なさが招いた事だ………だが、国の運営を止める口実にする事は出来ん。そこで、私がこの国の代理責任者となる。ミレスト様、貴女も私の案を受け入れてくださいますね?」

 

そんなエレフトが開口一番に言い放ったのは、自身が国の代理責任者となる事の宣言だった。

 

メザイア「代理責任者………? 大臣様、確かに国の運営は大事ですが、独断で決めるのは違います………!!」

 

メザイアはエレフトの言葉に対し慌てて意見を申し立てるが………

 

エレフト「黙れ。お前達は我が国の魔法使いだ。そして私が国の代理責任者となった今、私の意見は国の決定。国の決定には従うのが義務だ。異論は認めない」

 

エレフトは暴論を並び立ててメザイアの言葉を突っぱねた。あまりにも横暴な大臣、エレフト。そんな彼を見た春香は溜息を漏らした。

 

春香「(横暴な大臣………Uさんがいたら最悪手が出てましたね………)」

 

春香は呆れつつも、Uがこの会議にいなかった事にどこか安堵していた。そして………

 

春香「………私は着いていけません。そんな横暴な国になってしまったら簡単にクロス達に滅ぼされますから………反吐が出ますね」

 

春香はエレフトに着いていけない事を語った。

 

エレフト「な、なんだと………!? 貴様、誰に楯突いているか分かっているのか………!?」

 

エレフトは慌てた様子で春香に怒る様子を見せた。

 

春香「………貴女こそ。私を追い出そうが殺そうが勝手ですが………私はあくまで王様の招待客ですし………この国に来るに当たって、私が教鞭を振るっている王立学院を運営する国………つまり国家同士の繋がりがあります。そうなれば、国際問題に発展して最悪戦争になりますし………私がUさんがこの国を離反する恐れもあります………そんな中でクロス達ともやり合えるならどうぞご自由に」

 

しかし、春香はあくまで客である為、下手をすれば春香が元々いた国との国際問題になったり、マジェステンドが弱体化する。クロスの脅威が消えていない状況でそれは非常にマズイ事だった。

 

メザイア「(ここで春香くんまで抜けるのはマズイ………!!)………大臣様、ここは抑えてください!!」

 

メザイアは春香が離脱する事を恐れ、大臣を諌める様子を見せる。大臣は不満気だったが、状況が状況な為に仕方無く口を閉じた。

 

春香「………こんな会議よりUさんの方が心配ですので………失礼致します」

 

春香はそのまま会議への参加を放棄し、会議室を出て行ってしまった。春香が部屋を出た後、エレフトは溜息を漏らすと………

 

エレフト「あの女………生意気な事を………」

 

春香に対する不満の声を漏らした。

 

メオン「(あの大臣、バカか? この状況で実権を握る事の宣言がどれほど愚かな事か分からんのか? それに………春香を敵に回せばこの国の1級魔法使いは最悪全滅する………愚かな男だ………)」

 

そんな中、メオンは心の中でエレフトに対して呆れる様子を見せていたのだった………

 

 

 

国王の死に混乱する中で実権を握る事を狙うマジェステンド大臣のエレフト。そんな彼に呆れて会議を放棄してしまう春香。この時、大臣のエレフトは知らなかった。この時の会議が、春香の疑念を更に強めるトリガーとなってしまった事を………

To Be Continued………




次回予告
春香はUの元を訪れ、エレフトの事について彼へ共有を行った。その直後、Uはエレフトに対する疑いを語る。それを聞いた春香は、以前メオンから貰った資料から疑念を確実なものとする。そして2人は、大臣の真意を炙り出す為の計画を実行する事を決めるのだった………
次回「2人の疑念」
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