幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
暴走状態の春香の攻撃によるダメージが響き、左腕を折られてしまうだけでなく体力切れが近いU。しかし、Uの力を多く注入された春香も動きが鈍くなり、確実に春香の中でも変化が起きている事は間違い無かったのだった………


第86話 死闘の結末

春香の動きは目に見えて悪くなっており、攻撃があからさまに大振りになっており、Uも流石に当たらずにかわし続けながら、春香の身体に突き刺さったままの触手がエネルギーを注入し続け、春香の真っ黒なエネルギーは一気に弱まっていた。

 

春香「ううっ、ああっ………!」

 

オマケに、春香は先程から声を漏らし続けており、暴走状態と呼ぶにはあまりにもおかしい挙動となっていた。しかし、Uも体力切れのタイムリミットが迫っており、決して余裕ではなかった。

 

U「はあっ、はあっ………(体力切れが近い………しかし、あとちょっと………!)」

 

Uはふらついた足取りの中で春香に接近し、彼女を羽交い締めにして、触手のエネルギーによる注入を進める。春香はその中でも暴れ続けており、肘などでUの身体を何度も殴ってきており、Uもその痛みを強く感じていたが………

 

春香「あっ、ああ………! Uさ………ゆ………うさん………!!」

 

春香の意識が戻ってきているのを実感しているのか、Uは挫ける様子を見せず………

 

U「[春香!! 君が戻り始めているのを肌で感じている………! 僕がやれる事は全てやった………! 後は、君自身が戻ってくるだけだ………!]」

 

テレパシーで春香に声を届けようとしていた。春香は羽交い締めにされた状態で未だ暴れていたが、春香は少しして苦しそうな声を漏らし始めると共に、暴れるのを止めた。

 

春香「ああっ………! うあああっ!!」

 

春香は身体から真っ黒なエネルギーと、普段の春香の魔力が交互に大小化し、春香の身体の中のカオス差を物語っていた。

 

U「[はあっ、はあっ………僕の残っているエネルギーを全部………君を起こすのにくれてやる………!!]」

 

Uは羽交い締め状態の春香に全てのエネルギーを全て流し込んだ。その直後にUの変身が解除されてしまったが、春香の身体に宿るエネルギーが全て大きく放出された。

 

U「うわあっ!?」

 

Uは放出されたエネルギーに吹き飛ばされ、地面に倒れた。だがその直後、春香の身体に入っていた3つの力が大きく放出されると共に、融合。春香の身体を覆った。

 

U「うああっ………!? (な、なんだ? 何が起きてる………!?)」

 

Uは目の前で起きる光景に驚きを隠せなかった。そして、春香が人間の姿に戻ると共に、融合された力は春香の身体に豪華な装飾の付いた魔導服として身に纏われていた。そして、春香の目は右目は元の緑に戻ったが、左目はUと同じ青に変色していた。春香は目を覚ましたかのように一瞬声を漏らした後、自身の身体に目を向ける。今まで何が起きていたか分からない様子だったが………

 

春香「[………Uさん………私は何を………?]」

 

春香は首を傾げながらテレパシーで自身の身に起こった事を問いかける。

 

U「[………良かった。戻って来てくれたんだな………]」

 

Uはテレパシーで安堵の声を漏らすと、そのまま背中から倒れた。

 

春香「………! Uさん!!」

 

春香は変身を解除すると、慌ててUに駆け寄った。変身が解けた後のUはどこか苦しそうな様子を見せていたが、呼吸自体は確認出来る事から何とか生きてはいた。

 

U「[大丈夫………ちょっと疲れただけ………]」

 

心配する春香に対し、Uは疲労によるものだと説明する。その直後、疲労が回ってきたのか、春香が完全に力をコントロール出来るようになった事に安堵したのか、そのまま眠ってしまった。

 

春香「[………Uさんがいなかったら私はこの力に怯えて何も出来なかったかもしれません………ありがとうございます………!]」

 

春香はUに対し、感謝の気持ちを投げかける。しかし、テレパシーによって送ったものである為、この感謝の言葉は春香以外に知る術は無かったのだった………

 

 

 

春香の力をコントロールする為の命懸けの策は成功し、春香は完全な形で新たな力を自分のものに変える事が出来た。これにより、春香達の策は1歩前進する事となったのだった………

To Be Continued………




次回予告
城へ戻った春香達は、2人の戦いを見ていた1級魔法使い達に先程の対決の件を問いかけられる。春香は喧嘩だと言い放ってはぐらかすが、大臣エレフトが密かに自分達を見ていた事から、彼への疑いを明確なものへとするのだった………
次回「疑念の確証」
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