マジェステンド側はミラクレンド壊滅の知らせを受け、クロス達がいると見ているブラック渓谷の調査を考えるメザイア達。しかし、大臣エレフトは総力を挙げて攻める事を宣言。その意図は、春香をしてエレフトを倒す必要性を感じる程に真っ黒なものであった………
一方その頃、クロス達はどこかも分からぬ場所に集結していた。クロスは春香にやられた時のダメージが残っているのか顔に絆創膏を貼っていたが、本人は特に気にしていない様子だった。
クロス「ミラクレンドが滅ぼされれば、唯一離れていたメオンはマジェステンドを頼る………面白い策じゃないか、軍師」
クロスはそう言って、彼が軍師と呼ぶ白いローブの人物に対し、軍師の提案した策を賞賛していた。
???「ミラクレンドの戦力はメオン=エアルの実質的なワンマンチームだ。奴が抜けている間に滅ぼせばマジェステンドに頼る他無いのは分かっていた。バトルウォーは我々とも他の2国とも協力する気はないらしいからな」
軍師はこの策を当然の結果と言わんばかりの様子で考えていた。
???「そして我々の位置を晒した事で奴等は嘘でもここに魔法使いを送り込むしかない。我々の存在を賭けた大きな戦いとなるだろうが………まあいい。マジェステンドの1級魔法使い達が瓦解すれば自然に滅びるだろう。国王は死んだという噂をバトルウォーに帰還する兵が呟いていたよ」
軍師はどこかほくそ笑むようにそう呟く。そしてそれを聞いたエフィドは………
エフィド「性格の悪い事だ」
軍師の性格の悪さを毒づいた。
???「褒め言葉と捉えておこう………私は性格が悪い奴だからな」
軍師はそれを言われても動じるばかりか喜んでいた。
ミアス「………しかし、貴方の策で本当にマジェステンドの1級魔法使いは釣れるの? マジェステンドにはかけ離れた強さを持つ者が2人もいるのに?」
そんな中、ミアスは軍師の策を疑う様子を見せていた。だがその直後、軍師は鼻で笑う様子を見せ………
???「釣れるさ。何故なら私は既にマジェステンド内部の組織体制に細工を施している。奴等は確実に来るさ………総力を挙げて」
彼が最初から策を施していた事を明かした。
ディバイス「初耳だぞ?」
ディバイスは軍師の言葉に首を傾げる様子を見せた。
???「言ってないからな。まあ言わない方が私にとっては都合が良かったんだよ」
軍師はそう言うと、悪びれない様子を見せる。その様子を見たディバイスは………
ディバイス「………俺達の前でも姿は隠すし、策はギリギリまで伏せたままだし………そもそも男か女かも分からないし。まあ俺は男だと思ってるけどな。声が少し高いのが気になるが、あまりにも策がグロすぎるし、口調も女っぽくない」
軍師の秘密主義に対し、思わずそう呟いた。それを聞いた軍師は………
???「そう思いたければそう思えばいい」
答えは明かさずに、彼等の想像に任せる様子を見せた。
ミアス「………仮に総力を挙げて攻めてきたとして………Uや春香………だったかしら? あの白髪の魔法使いが現れたらどうするの? あの2人はクロスですら手を焼く相手だというのに………」
そんな中ミアスは、春香やUが攻めに参加して来た時の対策を問いかけた。この2人の対処はクロス達にとって最大の課題点であるが………
???「問題ない。その対策の為にクロスとミアスをマジエドの洞窟に向かわせたんじゃないか。あの時に手に入れた古代極大魔法の魔導書。これをクロスが使えばいい。そうすれば勝率は上がるだろう………あくまで可能性の話だが」
軍師は、先のマジエドの戦いで奪取した古代極大魔法の魔導書があれば勝てる可能性を突き付けた。それを聞いたクロスは………
クロス「………いいだろう。軍師、アンタの策に乗ってやるよ」
そう言って、懐から古代極大魔法の魔導書を取りだし、覚悟を決める様子を見せた。しかし、ミアスだけはどこか軍師の策を疑うような、怪訝な様子を見せたのだった………
クロス側がブラック渓谷にいるという情報は確かであったが、やはりそれはマジェステンド側の魔法使い達を誘う罠だった。そして翌日に起きた戦いが、マジェステンド側とクロス側の最大にして最悪の戦いとなる事をこの時の魔法使い達は知る由もなかった………春香とUの壮大な策が影で動いていた事も………
To Be Continued………
次回予告
大臣エレフトの決定を覆せなかった事から、マジェステンド側は1級魔法使い、2級魔法使い達の殆どが出撃する事となった。しかし、春香はその状況となってもUを理由に出撃を拒否。大臣エレフトの苛立ちは更に増す事となったのだった………
次回「大臣の苛立ち」