幻想魔法大戦記〜白髪の魔法使い〜   作:Uさんの部屋

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前回までのあらすじ
ミアスの本心を知っても尚戦う事を選んだミレストは、キマイラの自爆によって道連れの形でミアスを撃破した。しかし、2人の死は両陣営にとって重要な人物の死となってしまったのだった………


第97話 白髪コンビの隠密策

ミレストがミアスを巻き込んで死んでしまったその頃、マジェステンド内では、未だ目を覚まさないUに対し、心配しつつもどこか冷静な様子を見せていた。しかし、そんな彼女の元に大臣エレフトが慌てて走って来ると………

 

エレフト「おい! 白髪の女! お前が戦いに行かない事が貴族達の間で問題視されている!! その男の容態よりもまずはこの国の為に戦え!!」

 

エレフトは春香が出撃しない事に未だ文句を言っており、彼女に出撃を命令した。

 

春香「(………なりふり構ってられない状況ですか。これは黒ですね………下調べはもう良いでしょう)」

 

しかし、それは春香の中でエレフトが高確率で後ろめたい事情を抱えている事を裏付けた。春香もそれを待っていたかのような様子を見せると………

 

春香「………いいでしょう。Uさんも心配ですが………私もメザイアさんやミレスト様は心配ですからね。最期くらい、貴方の面目を立ててあげましょうか」

 

春香はそう言って、戦いに行く事に漸く同意した………

 

エレフト「………ふん、やっと行く気になったか」

 

エレフトは威張りつつも、どこか安心したようにそう呟いたのだった………

 

 

 

その後、春香が出撃する事となったが、エレフトはわざわさ国の門まで見送りに来ていた。

 

春香「………確認しますが………今回の事件で私達1級が死んだ場合はどうするおつもりで?」

 

その際、春香は1級が死んだ時の対処を探っていた。

 

エレフト「その時はバトルウォーに協力を要請する。あそこには1級が8人もいるからな」

 

エレフトはその際に、バトルウォーに協力を要請する事を語った。

 

春香「………そうですか。(あくまで私達は万一………いえ、死んでも構わないくらいの駒扱いという訳ですか………逆に安心しましたよ)」

 

春香は素っ気ない返事とともに、エレフトはマジェステンドの1級魔法使いなど心配もしていない事を察知する。そして………

 

春香「ああ、1つ言い忘れていましたよ大臣さん」

 

旅立つ直前、春香は何か伝え忘れたと言う様子を見せ、口を開いた。

 

エレフト「………なんだ?」

 

エレフトは春香の言葉に首を傾げた。

 

春香「………後ろには気をつけてくださいね。そうしないと今日が貴方の命日になってしまいますから………」

 

春香はエレフトに対し不吉な言葉を語った。それを聞いたエレフトは笑い出し………

 

エレフト「ふははは! ………馬鹿げた事だ。さっさと行け!!」

 

春香の言葉を鼻で笑うと同時に出撃を強要した。

 

春香「………馬鹿な人ですね………では、私は出撃しますので」

 

春香は呆れた表情を見せた後、その場から走り出して出発した。その様子を見たエレフトは………

 

エレフト「………最後まで生意気な女だ。万一帰ってきた時には俺に逆らうとどうなるか教えてやらんとな………」

 

春香に対し、仕返しをする事を考え出していた。

 

?「へぇ………どうなるか気になるな、僕は………」

 

そんな中、エレフトの言葉に対し男の声が聞こえた。

 

エレフト「ふん、貴様も気になる………か………!?」

 

エレフトは自信満々に口を開いたものの、少しして何か違和感を感じた。そして彼が振り向いた直後、声の主のものと思われる人物の右手がエレフトの顔面を掴み、彼の頭から地面へ叩きつけた。

 

エレフト「ぐああっ!!」

 

エレフトはとてつもない痛覚を感じていた。エレフトが自身の顔を掴んだ人物に目を向けると、そこにはずっと眠っていたはずのUがいた。

 

エレフト「貴様………! ずっと眠っていたのでは無かったのか………!?」

 

エレフトはUが何故ここに居るのかが信じられない様子だった。

 

U「偽装に決まってるだろマヌケ。逆におかしいと思わなかったのかよ、春香がお前なんかに協力するなんて………いや、馬鹿だから分からないのか。そうかそうか………」

 

U曰く、眠っていたのは偽装であった。それと同時に春香が協力する事に違和感すら持たなかったエレフトのおめでたい頭を嘲笑うようにそう呟いた。そして………

 

U「………さて、本題に入るとするか………お前がここまでやってきた本当の目的はなんだ? 答えないならここで殺すぞ」

 

Uはエレフトの目的を尋問し始めた。

 

エレフト「………ふん、答えるもの………ぐぶえっ!?」

 

エレフトは黙秘しようとしたが、Uは再びエレフトの後頭部を地面に叩きつけた。

 

U「黙秘なんてねぇんだよ。そんなに死にたいならこのまま頭潰して殺してやるが?」

 

Uはエレフトに対し、黙秘する権利など無い事を突き付けた。エレフトは自身が立たされている状況に漸く気付いたのか、今になって慌て出していた。

 

エレフト「は、話す………! 全部話す………!! だから生命までは助けてくれ………!!」

 

エレフトは生に対する執着から、自らの目的を話す事を語った。

 

U「(………上手く行った。奴が頭の中で描いていた陳腐な計画は………僕達の立てた計画の想定にマッチしていたんだよ………このバカの知らない内にな………)」

 

それと同時にUは、エレフトが立てていた計画は自分達の計画の想定であった事を心の中でほくそ笑んでいたのだった………

 

 

 

エレフトの言葉で漸く出撃する春香だったが、それは春香とUにとって、エレフトを追い詰める為の想定内の動きだった。果たして、2人の策に追い詰められたエレフトの命運はいかに………?

To Be Continued………




次回予告
エレフトは自身がバトルウォーの人間であり、今回のブラック渓谷での戦いを使って、バトルウォーの1級魔法使いを手引きしてマジェステンドを滅ぼす算段だった事を明かす。それを聞いたUはその1級魔法使いの居場所を吐かせる事に成功。だが、エレフトの外道ぶりに苛立ちを感じたUは驚くべき行動に出たのだった………
次回「大臣エレフトの末路」
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