俺がコイツでこいつがあれで   作:熱々の冷やし中華

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やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、このタイトルを見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このタイトルを作ったんだ。

じゃあ、注文を聞こうか。


第7話 Time will tell
偵察、喫茶Forbidden!(ポロリもあるよ)


 DA東京支部内のとある一室。

 似顔絵制作に勤しむ二人を中心に、窓のない壁で囲まれた部屋の中で俺を含めた関係者五人が二人の様子を静かに見守っていた。

 

 リコリス連続襲撃犯の首謀者こと真島についての情報提供の為にリコリコから派遣されたのは、至近距離での戦闘を行った千束とたきなの二名と、二回も邂逅した上に会話も幾つか交わした俺の三人である。

 最初は腕の骨折がまだ治っていないのを理由に断ろうとしたのだが、真島の情報を現状誰よりも保持している俺が召集を避ける事は不可能な事だった。 

 最初に骨折の事を楠木さんに知らせた時は『寝言は寝て言え』と一蹴されたのはマジでムカついた。口内炎三個くらい出来て欲しい。

 意地でも今回は行かないと心に決めていたが、当日になって千束が駄々をこねたせいで来る羽目になったのも本当に許せん。

 

 さて、話を戻して似顔絵についてだ。 

 二人が記憶を頼りに描いている真島の顔だが、出来の方はどうなって……

 …俺が知ってる真島じゃない……

 いや、過程だけで判断するのは良くないのは重々承知だよ?だけどさ、限度って物があるじゃん?

 千束は髪色は合ってるけど、何か…その……うん、少女漫画みたいで良いと思います(小並感)。

 たきなの方はーーまあ、初期のピカソみたいで良いんじゃない?(適当)

 まあ、あくまで制作()()ですからね、ディア◯ロも言ってた様に結果がちゃんとしていれば良い__

 

 「それが真島か?」

 

 おいおい、楠木さんよ。二人はまだ描いてる途中に決まっているだろ?

 全く、これが完成品に見えるとかそろそろ老眼なんじゃ__

 

 「「はい、これが真島です!」」

 

 成る程、俺が思っているより老眼の人間は多いらしい。

 あと襲われた張本人が言うのも変だけど、二人とも真島に頭下げた方が良いと思う。流石に馬鹿にし過ぎ。

 俺とフキが呆れ顔でお互いの似顔絵を罵り合っている二人を見ていると、それに気づいた楠木さんが俺を見ながら言った。

 

 「お前も書きなさい」

 「ふっ、利き手を骨折した人間に何を言ってるn_」

 「山岸によれば手だけなら完治してると聞いたが」

 「……俺って実はキャンバスアレルギーで」

 「知るか、物は試しだ」

 「鬼かアンタは」

 

 誰が何と言おうと俺は絶対に書かないからな!!

 書くくらいならもう一回腕折った方がマシだ!!

 

 手掛かりになる情報がないと判断した楠木さんは、俺達に帰宅許可を出しながらそそくさと部屋を去っていく。

 たきなは自分の似顔絵の情報力で引き止めようとしているが、あれで真島を探し出せと言う方が酷である。

 俺が荷物をリュックに纏めて居ると、近くで見ていたサクラがため息混じりの声で二人を見ながら言い放った。

 

 「リコリスは絵も必修にすべきっすね」

 

 いや、本当に仰る通りです。

 

 

 ●〇●〇

 

 

 昼過ぎのリコリコにて。

 この時間帯は平日な事もあってか店内にいる人数は少ない。しかし、数少ない厨房係である俺が居なくなった事で基本的には大忙しだ、特にミズキが。

 さて、明日で治療自体は終わるのだが今日までは休養日という事で俺は常連の客などと雑談をしていた。勘違いされそうだが、これも業務の一環なのだ。

 喫茶リコリコはその雰囲気もあってか、店員とじっくりと談話したいという人間が少なくない。

 しかし、その雰囲気を作り上げた千束はワンオペで客を捌く余裕がある訳ではないのだ。という事で、俺が談話係に任命されている。

 まあ、ここ一週間で色んな人間と話したよね。

 例えば、休日に不審者と間違えられた阿部さんや雑誌に掲載する記事に行き詰まっている徳田さん、色々と何か抱え込んでそうなカナちゃんや編集に筆ペンで殴られる夢を見た伊藤さんとか……

 うん、常連としか話してねぇや俺って。

 

 何かコレだと俺が身内としか話せないコミュ症みたいになるが、別に新規のお客さんと話さなかった訳ではないのだ。

 俺だってこれでも年頃の男子だ、同年代の女子からの指名があれば直ぐに飛びついていたさ。

 けどさ、女子と喋るとたきなが明らかに不機嫌になるの。

 何かこう…言葉遣いは変わらないんだけど何か冗談とか言っても無視されるし、いざ女の子と話そうとしても厨房から無茶苦茶怖い顔で見られるから喋るに喋りにくい。

 

 「あぁ〜暇だ………」

 「辛そうだね律くん、暇なら伊藤さん手伝ってあげたら?」

 「何言ってるんですか北村さん、伊藤さんが珍しくネーム終了の目処が立ってるんですよ?見守ってあげるのが俺らの仕事でしょ」

 「いやーまぁ……でも手伝うのに越した事はないでしょ」

 「……だって放置した方が面白そうだし」

 「本音漏れてるよー」

 

 これまた俺が会話しているのは常連の北村さんだ。

 常連の中でも貴重な常識人枠の一人であり、暇を持て余した俺の数少ない話し相手である。

 しかしながら、顔を机に押し付けながら今にも死にそうな声で喋っている俺を見ても何も動じないのは、もう色々と手遅れと言っても過言ではないのでは?

 

 「俺が同年代の女子と話せたらこんな目に遭わなくても良かったのに…」

 「折角なんだし、たきなちゃんと雑談でもして来なよ?年齢も一個差しかないんだし」

 「じゃあ北村さんは兄弟の前で男友達を口説くこと出来ます?」

 「うーん……無理…かな?」

 「何で少しだけ溜めがあるんですか……」

 

 あれ、俺が勘違いしていただけでもしかして北村さんって肉食系女子なの?初めてリコリコに来た時から大人しい人だから草食系だと思っていたわ。

 

 「大体、そういう目的で接したら軽蔑されるに決まってますよ……たきなだって女子と喋りたいからって理由で俺が近づいて来たら嫌でしょうし……」

 「言い方…私はたきなちゃんから律くんへの好感度は律くんが思っているより高いと思うけど?」

 「前までは兎も角、さっきだって俺が喋ろうとしただけで明らかに怒ってたの見たでしょ?」

 「……律くん、それ本気で言ってる?」

 

 北村さんが真面目な表情で俺を見つめながら問いかける。

 いや、本気とかじゃなくて事実を言っているだけなんですケド。

 俺が心の中で不満を垂れていると、長年の勘から俺が何を思っているかを察した北村さんはハァー、とため息をつき、手で顔を覆いながら天を仰いだ。

 そして一言ポツリと呟いた。

 

 「そういうとこだよ、律くん」

 

 どういうことだってばよ。

 

 

 ◯●◯●

 

 「じゃあ休憩入りま〜す」

 「お前には休憩って概念はないだろ」

 「でも一応働いていたし…」

 「常連客と喋っているのを働くとは言わんだろ」

 

 うるさいうるさい、俺が仕事だって思った時点でこれは休憩になるんです!!

 

 声には出さずにクルミを見つめながらキッチン裏へと入ると、珍しく頭を回転させている様子の千束がいた。

 さっきから見かけないなと思っていたがまさかずっと籠もっていたりしないよな?忙しさのあまりミズキが音を上げていたけどお前が原因じゃないよな?

 普段と違ってあまりにも真剣に悩みこんでいる様子なので何があったか聞こうとも一瞬思ったが、蓋を開けてみると大した事じゃなかった事も多いし、今回は無視する方向で行こう。

 俺が更に奥にある従業員室へと向かっていると、丁度部屋から出てきた先生と遭遇する。

 

 「律、明後日は何か予定はあるか?」

 「今から先生が何を言うかによって明後日が新作ゲームの発売日になりますね」

 「明後日、営業が終わった後に一緒に来てもらうぞ」

 「俺以外に誰か…」

 「二人でだ。服装は用意しておく」

 

 ねえ話聞いてた?俺まだ行くとは一言も言って無いんだけど。

 まあ、断る理由も特に無いから付いて行きますけれども……

 にしても先生から誘って来るなんて珍しいな。大人で何か誘って来るなんて楠木さんしか居な……

 あれ、もしかして俺をDAに連れ戻そうとしている?

 

 「あ、痛たたたたた…何かまだ右腕が治っていない気がするな〜明後日無理かも〜」

 「…言い忘れていたがDAは関係ないから安心しなさい」

 

 じゃあ尚更何だよ。DA関係でもなければリコリコじゃ出来ない事かつ先生と二人っきり……相撲とか?

 まあ冗談は置いといて、真面目に考えて何かしら重要な事があるのは間違いないな。

 

 「んで、そこまでして二人っきりで話たい事って何です?恋愛相談とか?」

 「いや、私達とは別でもう一人が来る」

 「……その人って可愛いですか?」

 「それは会ってからしか話せない」

 

 俺と先生以外にもう一人居て、リコリコから移動しないと出来ない事って何なんだよ。

 うーん、わからん!流石に情報が少なすぎるわ。

 元々何処に行く予定なのかも分かってないのにこれ以上は考察するには無理があるな。

 取り敢えず、今回は先生が主催のお見合いって事にしとこう。

 

 「それじゃ、ランチ終わりのプレート頼む」

 「え…は〜い」

 

 流石はプロ、切り替えが早くてよろしい。

 先生からの命令の元、俺は再びキッチンへと戻った。

 

 ◯●◯●

 

 あたりに影が落ち始めた頃、営業が終わった俺たちは店の後片付けを始めていた。

 俺は座間の簡単な掃除、たきなはキッチンの方を手際良く片付けており、クルミはカウンターでパソコンを弄りミズキは酒瓶を片手に晩酌……何か二人くらい必要のない事をしてる気がする。

 

 「どうかしましたか、なんか今日は変ですよ?」

 「んー?」

 「コイツは毎日変だろ」

 「逆にまともな日ってあったか?」

 

 いつもは何か煽られると直ぐに言い返す千束だが、今日に限っては何処か上の空だ。

 返答にキレが無いどころかそもそも返答自体がないし。

 

 「先生は?」

 

 これまた唐突な。もしや先生の居ない間に何か疾しい事でもするつもりか?流石にそこまで子供じゃないよな?

 

 「…さっき買い出しに行った」

 「なにー、もうおっさんが恋ちくなっちゃったのかな千束ちゃんは〜?」

 「うるさいぞ三十路」

 「二十七よ‼︎」

 

 こんな二十七なんて見たく無かった。

 にしても今回はいつにも増して考え込んでいるな。普段なら長くても一時間くらいで勝手に解決するのに。

 俺が千束が悩み込む理由を勝手に考察していると千束本人が口を開く。

 さっきから予想を裏切り続ける千束だが、次に放った一言はこれまでの予想を遥かに超える物だった。

 

 「皆さん___リコリコ閉店のピンチです」

 

 「「「「……え?」」」」

 

 いや、本当に真剣に悩んでたんかい。

 




今作の今後について少し活動報告にまとめました。気になる人は見に行って下さい。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=330495&uid=452963

では前回高評価をして下さった

 ⭐︎9評価 月神サチさん
 
本当にありがとうございます‼︎
感想の方も是非‼︎

今作のタイトルの略、何が良い?

  • 俺コイ
  • 俺あれ
  • コイアレ
  • その他(案があったら感想欄に書いてね)
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