俺がコイツでこいつがあれで   作:熱々の冷やし中華

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不定期で投稿していきます。




第1話 Easy does it
機関銃乱射はバトロワ顔負け


 リコリス 表向きには普通の少女の姿をしているものの、実際にはDA(Direct Attack)に所属する

暗殺者のことを指す。彼女達は国家機密を守り、犯罪者を密かに排除するために訓練を受けたエリート達だ。

エリート達だ。(大事な事なので2回言いました)

 

「嘘だろアイツ寝坊してるんですか!?」

 何やってんだよエリート!

 『現場がかなり危ない状況だ。 律、後どれくらいで着く?』

 

 え、普通に千束が遅れてることは無視するの?

 「今向かってますよ。30秒後には到着すると思いますよ。」

『リコリスが人質に取られている。だが商人は生かしたまま確保する様命令が出ている。』

 

 え、思ってたより状況が悪すぎる。これ失敗しそうだけど大丈夫かな。

 

「現場は何階でしたっけ?」

『6階だ、急いで階段を登れ』

「いや直接入りますよ」

『今は冗談を言う場面じゃないぞ』

 

 Qかなりの速さでビル群の屋上を走り回っている人間がガラス張りのマンションの6階に最速で入る方法は?

 Aガラスを突き破って直接入る

 完璧だな風呂入ってくる。

 

『無理はするんじゃないぞ。千束も現場に今到着した。中で合流しろ』

「大丈夫ですよ。そんな機関銃に撃たれたりしない限りは怪我もしませんって!」

 

 勢いよく向かいのビルからジャンプし現場に焦点を当てる。

 緊迫した状況のビルの外で、無思慮な声が響き渡った。

 

 「ライ◯ーキック‼︎」

 

      パリッン‼︎

 

 いやぁ我ながら天才的な入り方だった。てか武器商人が鳩が豆鉄砲を食ったような顔してる。 何でコイツら常識人みたいな顔でこっち見てるんだよ。

 

 そんな呑気な事を考えつつ、ターゲットへと狙いを定めた時に彼は妙な違和感を感じた。 

 武器商人の1人が自分から見て右側を凝視している。 最初は急に飛び込んで来た自分(変人)への視線だと思っていたが何か可笑しい。 

 

  ガチャリ

 

 金属と金属が擦れる音がする。

 武器商人と同じ方向に目を向けるとリコリスが機関銃を構える姿が見えた。

 

 「えっ?ちょちょちょちょちy」

 

 瞬間、静寂を引き裂くように、乾いた金属音が響き渡った。連続する「ダダダダッ」という音が耳元でこだまする。咄嗟に体を縮め、近くにあった柱に全力で駆け寄る。荒い息を飲み込む様にして柱の裏に身を潜めた。

 

 「先生、司令部に伝えて下さい。「お前はバカなのか」と」

 『私がそんな侮られるような指示を出した覚えはないが?』

 

 やべ、繋げる先間違えた。

 

 「そもそも武器商人を生け捕りにする様に言ったのは貴方でしょ。その為に接近戦に持ち込んだのに何で俺が巻き添えを喰らい掛けてるんですか!?」

 『苦情ならセカンドリコリスに入れろ。私はクレーム対応を受け付けていない』

 「言い返せないからって逃げようとしないで下さい。現場の責任は司令の楠木さんにあるんですから」

 『お前は本当に姉に似て見当違いな奴だな』

 「あれは姉じゃ断じてないです。IQで言ったら俺の方が兄のポジションです。決して間違えないで下さい」

 

 そんな会話を続けていると唐突に銃声が止んだ。 耳を澄ましてみると武器商人の呼吸音は聞こえない。人質に取られていたリコリスの怯える声とそれに近づく機関銃の主だけが聞こえていた。

 

 「君、これは狙ってやったの?」

 既に息を引き取った武器商人とリコリスを指刺しながら機関銃を持つリコリスに問い出す。

 彼女が使った機関銃は1秒間に10発も発射される代物。もし人質以外を狙って当てていた場合彼女の狙撃の技術は相当な物になる。

 返答が来る間もなく彼女はバックに入れていた銃を出し銃口をこちらに向けた。

 

 「ちょと待てちょと待て!俺は一般人じゃなくて関係者だよ。ほら、リリベルって知ってるだろ?」

 「存じ上げませんね」

 「そこの目付き悪いファーストに聞いてみろ。俺の事知ってる筈だから」

 「律、勝手に割り込んで来た癖に人の目付きに難癖付けるなんていい度胸だな」

 「何言ってんだよフキィ。俺はフキの目付きが悪いと言った覚えはないんだけど?」

 「この場にファーストのリコリスはお前以外私しか居ないんだよ」

 「イヤーワタシニホンゴワカラナイ」

 「ったく。そんな事はどうでもいい。 お前、エリカを殺す気か?」

 

 フキのその問いに一気に現場に緊張が走る。 ピリピリした空気感の中黒髪のリコリスが選んだ回答は火に油を注ぐ物だった。

 

 「…生きてますよね?」

 

 次の瞬間、乾いた音がビルの静寂を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 「途中で乱入した割に何も出来なくてすまんね。流石にあの量の銃弾だと避けるのに手一杯なもんでね」

 「…そもそもあれは避けようと思って出来るもんじゃねえよ。本当にお前ら姉弟は変わらねえな」

 「にしても大丈夫かあのリコリス。越権行為だからワンチャン転属じゃね?」

 「まあ可能性は高いだろうな。作戦が水の泡になったんだ。謹慎処分程度では済まない。」

 「まぁそうなるか・・・・・まあ、あの高い射撃能力があれば基本何処でもやって行ける筈だ。んじゃ、俺はそろそろ戻るよ」

 「…先生によろしく言っといてくれ。そういえばお前怪我はどうした?」

 「…もう治ったけど?」

 「やっぱお前は千束と同じ化け物だよ」

 

 そんな事を話しつつ現場を後にする。 ビルを降りる途中、黒髪のリコリスが落ち込んでいる様子で立っていた。 リコリスは自分の顔を見るなりすぐに頭を下げた。

 

 「いーよいーよ頭下げなくて。それより顔は大丈夫?フキのやつ強めに殴ってたから痛かったでしょ。さっきフキに強めに言っといたから」

 「…私は何か間違ったことをしたのでしょうか?。あの場で最も合理的な判断だった筈です」

 「命令を無視した行為なのが問題だったんじゃない?本部の人はお堅いからね〜。」

 「…あの判断には何の意味があったんでしょうか」

 「そんな気に病む必要はないよ。君は仲間を救った。それに理由は必要ない」

 

 あれだな。我ながら回答が完璧だったな。 これは決まった(確信)

 そんなことを考えつつもう一度帰路へ着く。階段を降りる直前にあることを思い出し振り返った。

 

 「そういえば聞きそびれてたから今聞くね。

名前はなんて言うの?」

 「井上たきなです」

 「オッケーたきな。俺は錦木律。また仕事の時よろしくねー!」

 

階段から外に飛び降り道路に着地する。新しく出来た知り合いとの再会を夢見ながらビルの谷間を滑るように広がる朝日を浴びつつ喫茶リコリコへと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「でっかい犬ですね!オオカミみたい!」

 「ほら千束、道草食ってないで早く入るぞ」

 「ねぇ律、もう少し姉に対するリスペクトを覚えて欲しいんだけど」

 「いやお前はどちらかというと妹だろ。万一姉だとしても尊敬の念を抱くことは出来ない」

 「ねぇ見て!食べモグのクチコミでこの店ホールスタッフが可愛いって!これ私の事だよね?」 

  

 こいつ普通に人の話無視しやがった

 

 「いや、ホールスタッフってことはミズキの事を指してる可能性だってあるぞ」

 「いやいやいやいや、絶対これ私の事だよ。

あっ先生ただいまー!」

 

 そんな会話をしつつ喫茶リコリコに入ると見慣れない人影を見つける。

 ロングの黒髪に紫がかった大きな瞳、セカンドの制服は彼女を表すのに充分な物だった。

 

 「あれたきなじゃん。どうしたのこんな所にわざわざ」

 「あれ、律もしかして知り合い?」

 「ほら前のビル現場の奴あっただろお前が遅れてたやつ。あの時知り合ったリコリスだよ」

「へー可愛い子だね・・・てかどうしたのその顔」

 「例のリコリスだ、話したろ千束」

    「「「え⁉︎」」」

 

 何それ俺だけ話聞いてなかったんだけど。

けれどもここに転属ということはやはり処分は重いものだったって事か。

 

 「今日からお互い相棒だ、仲良くしなさい」

 「この人が・・・・・?」

 「この子がぁ!」

 

 「先生なんで教えてくれなかったんですか、流石に心臓に悪いですよ。」

 「すまない。千束越しにお前も知ってると思ってたもんでな」

 「あれぇ律くんもしかして同年代の女の子が

急に来たせいで緊張しちゃったのかなぁ?意外とウブなとこあるじゃなぁい!」

 「寝言は寝て言え酔っ払い」

 

 そんな会話をしていると千束に振り回されていたたきなが此方へと避難して来る。

 

 「錦木律さんお久しぶりです」

 「律でいいよ。てかお久しぶりってそんなに日数自体は経ってないし」

 「司令からはいろいろとお聞きしています。」

 「え、マジで?楠木さん何て言ってた?」

 「幾ら撃っても死なない変人と」

 「ボコボコにしてやろうかなあいつ」

 

 なんだよ死なない変人って。可愛い後輩に変なこと吹き込むんじゃないよ全く。

 

 「この前のアレ凄かったね!その顔は名誉の負傷?」

 「いえ、これは・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「殴らなくたっていいでしょ!!!」

 

 電話越しでの千束とフキの喧嘩が始まった。

 それを横目にカウンターに座るたきなに作り置きしていた抹茶のガトーショコラを提供する。

 

 「・・・頂いていいんですか?」

 「いいよ。試作メニューだから味の感想を言って貰えたら嬉しい」

 「・・・・美味しいです。」

 「コーヒーも飲んでみて。先生のコーヒーは比べ物にならないくらい絶品だから」

 「いや、律のデザートは私のコーヒーに引けを取らない出来さ。料理の技量なら私を十分に超えている」

 

 まぁ先生の指導あっての腕なので自分より先生が上なのは変わり様のない事実なんですけどね!

 

 「うっせぇアホ!」

 「無茶苦茶捨て台詞言ってるけどもしかして言い争いで負けた?」

 「全然負けて無いですー!ったく指令指令って!少しは自分で考えろっての」

 「俺らくらい従わないのも問題あると思うけどそれは?」

 「それとこれでは話が別でしょ!」

 

 いやあんま変わらないと思う。

 そんな話をしていると千束の視線がたきなの方へと向かう。

 

 「ご馳走様でした」

 「えー!!たきなに何上げたの!?」

 「今朝作った抹茶のガトーショコラ。冷蔵庫にまだ一つあるから帰ってから食べろよ」

 「えぇぇ!今食べたいよぉ〜」

 「たきなお代わりいr」

 「わかった帰ってから食べるって!」

 

 店長のコーヒーも飲みながら幸せな様子のたきな。

 なんというか年相応の女子という感じがして新鮮な気分だ。

 

「よし!早速仕事に行こうたきな!」

「はい!」

 

 千束の号令にさっとたきなが立ち上がる。

 その素早さからやはり彼女がリコリスであることを実感する。

 千束が着替えている間に隣にたきなが寄って来る。 

 

 「あの、ここは何をする部署なのでしょうか?喫茶店と普段の任務との関連性が不明です。」

 「詳しいことは千束に後で聞いてくれ。これを始めたのは千束だから千束に聞いた方がいい答えが出ると思う。」

 「…律さんは今から行かないんですか?」

 「今日は非番だからね。一応他に聞きたい事とか何かある?」

 「・・・何で律さんは此処で働いているんですか?司令には一応優秀だと聞いていますが、それなら此処で2人とも働く意味がわかりません。」

 

 おい楠木さん一応って何だよ一応って。

言われる原因に心当たりはあるけれども。

 

 「なんか本部ってお堅いじゃん?他の理由もあるけど、自分は楽しく生きたいからそうする為に此処にいる」

 「…理解出来ません。」

 「出来なくてもいいよ。無理に理解することじゃないしあのバカの相棒になればその内分かるようになるよ」

 「・・・精進します」

 「たきなお待たせー!それじゃあ早く行こ!」

 「わかりました。」

 「そいじゃ、行ってきまーす!」

 

 「良かったわね、可愛い後輩が出来て」

 「飲んだくれの先輩より数倍は嬉しいですよ」

 そんな軽口を叩きつつ俺は仕事に向かった。

 

展開は原作準拠のまま、敵キャラとしてオリキャラを出すのは賛成?(オリ敵は一人で、オリ主の過去に滅茶苦茶関わっているものとする)

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