俺がコイツでこいつがあれで   作:熱々の冷やし中華

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投稿頻度を上げると言ったな。
あれは嘘だ


第2話 The more the merrier
弁当で一番美味しいのは天ぷら弁当。異論は認める


 聞き慣れたアラーム音が荷物で散乱した部屋に響き渡る。と同時に象牙色の無地のシーツに淡いオレンジ色が重なり、日の光が部屋全体を照らす。 目を開けると同時に6.1インチの画面上に着信履歴が写し出された。 

 これワンチャン遅刻じゃね?などと悠長に考えていると振動で震えるスマホに気付く。 画面を見てみると、そこに書かれた時刻は見慣れた時刻を大きく外れた午前8時30分を指していた。

 呼び出し元は我らが愛すべきミカ先生である。悠長な事をしている場合ではないと頭の片隅では理解しつつ折り返しの電話を掛けた。

 

 「おはようございまーす先生。今起きた所です。」

 『おはよう律、依頼主との合流まで後1時間もないぞ。今から送る指定した駅へ急いで向かってくれ』

 「どれくらい急ぎだっけ?」

 『現在武装集団に襲われている』

 「俺以外に護衛を行うのは誰?」

 『千束とたきなだ』

 「ミズキは留守番?」

 『既に逃走ルートの確保に向かっている』

 「ご冗談を。怠惰なミズキが任務に積極的なんて天地がひっくり返っても有り得ないですよ」

 『報酬が一括前払いで相場の3倍だと天地もひっくり返るもんさ』

 

 相場の3倍という巨額に若干の疑念を抱きつつ、使い慣れたバックに任務中に食べる為の軽食を慣れた手つきで入れ込む。おぼつかない足取りで玄関へと駆け出し、勢いよく扉を開けた。

 

 「行ってきまーす。誰もいないけど」

 

 周囲から見ると不信感しか抱かれないであろう言動を取りながらスマホに表示された位置に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おはよーう律遅れてごめんね」

 「おはよう御座います律さん」

 「おはよう2人とも、俺は今来た所」

 「ねぇ律聞いてよ!さっきお店でさーー」

 

 軽い雑談を交えつつ事前に購入していた切符で駅構内へと足を踏み入れる。 さて、長距離の移動を電車で過ごす時一般的に食事は何で済ますだろうか? そう、駅弁だ。地域ごとの特産品や名物料理が詰め込まれたそれに胃袋を掴まれた人も多いだろう。

 

 「ねえ駅弁買おうよーー!」

 「気持ちは分かるけど移動時間は少ないし」

 「えぇー、折角の特急だよ?絶対買った方がいいって!たきなも駅弁買おうよ!美味しいよ?」

 「結構です」

 「たきなを使って買う口実を作るな。移動時間は少ないから食べ切れるの選べよ」

 「やったー!。やっぱり此処は肉行くべきだよね、あっ、この牛肉弁当下さ〜い」

 

 あいつ絶対後で残すぞ、俺には分かる。

 呑気な様子で弁当を購入する千束(アホ)の様子を横目に無表情で千束に視線を向けるたきなに俺は話しかけた。

 

 「千束との活動は慣れてきた?」

 「はいと答えると嘘になります」

 「まあそうだな。逆にアレに1ヶ月で慣れたらそれはそれで怖いけど」

 「アレ呼びしたの聞こえてるからね!」

 「あと今回の任務内容電車乗ったあとに詳しく教えてくれない?俺寝坊しててあんまり聞けてないんだよね」

 「任務の詳細については電車内で千束に伝えるつもりなのでその時にお伝えします。…あと律さんと千束って本当に似てますね?」

 「え、アレに似てるってなんか嫌だな。俺そんな千束っぽい?」

 「今日千束も遅れていましたし、いつもあまり真剣に見えないなどの点から似ていると判断しました」

 「ねえ普段から知り合いに観察眼が鋭いとか言われない?」

 「……そう言われるのが本部への評価に繋がるのですか?」

 「たきな、これは冗談って言ってだな」

 

 談話を続けていると光沢のある白の車両がホーム内で音を立てながら停まる。

無機質な機械音声による案内が目の前の車両が自分達が乗らなければならない便なのを表していた。

 

 

 

 

 

 車両に乗った後、3人で指定席へ腰掛ける。俺ら錦木兄妹とたきなが対になるよう座り、たきなが逃走手順について説明するのと同時に千束が弁当に手を掛け出した。

 

 「…逃走手順は以上です、羽田でゲートをくぐったところでミズキさんと交代….って聞いてますか?」

 「うん、依頼主凄腕ハッカーでしょ?どんな人かなぁ?」

 「やっぱ眼鏡で痩せてて小柄な人でしょ」

 「それそれ!カタカタカタ、ターン!」

 「…映画の見過ぎですね」

 

 ため息交じりの声で答えながらたきながリュックから何かを取り出す。「エネルギー」や「ビタミン」など健康関連の文言が書かれた掌サイズのそれを見て千束はたきなに疑問を投げかけた。

 

 「たきな何それ?」

 「ゼリー飲料です」

 「いやいやたきなさん、今の状況分かってるのかな?」

 「依頼人に会う為に特急に乗ってます」

 「そう!その前にお昼食べとかないと」

 「今食べてます」

 「え〜それが?特急だよ?駅弁食べようよ!

ちょっと食べる?」

 「結構です」

 「流石にその量は少ないんじゃないか?俺の握ったやつで良ければ一個あげるよ」

 「え、いいんですか!」

 

 何故かたきなの反応が良い。てっきり断られるもんだと思っていたので予想外だ。

 

 「ねぇ何でたきな私のは食べないの?」

 「すみません律さんの料理なのでつい」

 「あれ?2人って一緒にご飯食べる程仲良かったっけ?」

 「賄いでよくたきなに作るんだよ」

 「…私食べてないんだけど」

 「イヤーナンノコトカワカンナイナー」

 「ちょっと、ちゃんと説明してよ!」

 「そんな事より早く弁当食べろよ、あと少しで到着だぞ」

 

 そもそも乗り換えの駅まであと1分も経たずに着くのだ。俺はともかく前々から任務内容を把握していたたきなはあえてゼリー飲料を選んだのだろう。そんな事もつゆ知らず、呑気に千束たきなへ煮卵を献上している。そんな光景を横目でうかがっていると車内に到着を知らせるアナウンスが鳴り響いた。

 

 「降りますよ」

 「ええ〜!?」

 「10分足らずで乗り換えなので私と律さんは軽食を選んだんです」

 「そうなの!?律〜最初に教えてよ〜」

 「だから駅弁買おうとしてたの止めたんだよ、あと駅弁の残りは間見てちゃんと食べろよ」

 「ちょっと置いてかないで〜!」

 「…やっぱり聞いてないじゃないですか」

 

 数十分後、無事乗り換えを終え駅から合流地点へ向かう最中、千束はたきなに本日2度目の任務内容の確認を行っていた。

 

 「店長が駐車場に車を用意してくれてるようです。」

 「えっマジ⁉︎はいはいは〜い!千束が運転しま〜す!」

 「私がします」

 「ええ〜なんで?たきな運転できんのかよ〜」

 「逃走手順把握してない奴が目的地まで運転出来る訳ないだろ」

 「出来なきゃリコリスになれないでしょう」

 「2人とも言い方キツくない?」

 

 唐突に2人から強い口調で返されたことで楽天的だった千束の顔に一筋の焦りが現れた。すぐ顔に出る辺り千束が嘘が苦手だという事実を改めて再確認した。

 

 「あの駐車場ですね」

 「うぉ!スーパーカーじゃん‼︎」

 

 光を反射し、何処か鋭さを感じる流動型のボディを持つ車体に千束は興奮で感嘆の声を抑えれずにいた。

 

 「やっぱり私が運転する〜‼︎」

 「目立ちますね」

 「なんか情けなくて涙出そう」

 

 大人気なく金網を握りながら体を動かす千束を眺めていると人気の少ない場所には似合わないけたたましい音が鳴り響く。思わず振り返ると迅速にこちらに向かってくる一台のワゴン車の姿が見えた。ワゴン車は俺達の前で急停止し、助手席の窓から運転席の主がこちらに声を掛ける。

 色々可笑しな部分があるが混乱を招いているのは運転席の者が人間じゃない事が原因だろう。

 というか昼間から着ぐるみを着ながらワゴン車運転してるなんてどう考えても変態じゃないか

 

 「ウォール」

 「ナット」

 「早く乗れ追手が来るぞ」

 「えっえっ今の何それ合言葉?カッコ悪」

 「千束早く乗って来い。気持ちは分かるけど俺の脳はもう理解を拒んだよ」

 「いやっそれもそうだけどさ、スーパーカーは?」

 「なんか勘違いしてるけどそれは只の一般人の奴だぞ」

 「えぇ〜スーパーカーが良いんだけど〜⁉︎」

 

 そんな千束の主張も虚しく、俺達を乗せたワゴン車は猛スピードで出発した。

 

「何で守られる側が颯爽と車で現れるのよ?普通逆でしょ!」

 「千束、押すんじゃない。お前が俺に当たるたびにたきなにも衝撃が行くから」

 「私は大丈夫なので遠慮しないで下さい」

 「いやそう言う訳にはいかんでしょ」

 

 この年の男女の体が何度も当たるのは色々危ない。最近痴漢冤罪とかあるから怖いんだぞ!

 

 「あぁ〜スーパーカー…」

 「目立つしこっちのほうがいいと思いますよ」

 「予定と違ってすまない。ウォールナットだ」

 「はいはい千束です。隣にいるのが律で彼女がたきな」

 「何かイメージしてた感じと違いますね」

 「痩せこけた意地汚い眼鏡小僧とでも?だとしたら映画の見過ぎだよ」

 「おーい言われてんぞ千束」

 「いやいやいや、だとしても着ぐるみじゃないでしょうよ」

 

 おい、思ってても本人の前でそれ言うなよ。口には決して出さないで心の中でそう呟いていると変態着ぐるみことウォールナットが口を開いた。

 

 「ハッカーは顔を隠した方が長生きできるってだけさ。JKの殺し屋の方が異常だよリコリス」

 「クマのハッカーより合理的ですよ」

 「たきな違うぞ、あれはト◯ロだ」

 「そうなんですか?」

 「2人とも違うよ、犬だよ!」

 「リスだ」

 

 犬ってカスってすらないじゃないか(他人事)

というよりリスだろうがトト◯だろうが変態なのには変わらん。

 

 「どう合理的なんだ?」

 「つまり、日本で1番警戒されない姿って事ですよこれ」

 「JKの制服は都会の迷彩服という訳か」

 「この大きいの何ですか?」

 「僕の全て」

 「全ての割には小さくない?」

 「国外逃亡には身軽な方がいいだろ?」

 「見るからに重そうな姿でそれ言う?」

 

 リスの着ぐるみを着た謎多き変態、ウォールナットとの談笑もそこそこに少年1人、少女2に着ぐるみを乗せたワゴン車は次の目的地へとエンジンの出力を上げ人通りの多い街中を走り抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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展開は原作準拠のまま、敵キャラとしてオリキャラを出すのは賛成?(オリ敵は一人で、オリ主の過去に滅茶苦茶関わっているものとする)

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