俺がコイツでこいつがあれで   作:熱々の冷やし中華

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今回は少し短めです。



第3話 More haste, less speed
人生ゲームに上手い下手ないよな(偏見)


 梅雨入りの季節が今年もやって来た。

湿気が高いのが嫌いな自分にとっては憂鬱でしかない時期だ。元々客が多い店ではないが梅雨の時期になると客足が遠のき多少楽になるくらいしか良いところがない。

 

 「クルミ〜そろそろ時間だぞ〜」

 「毎回ご苦労さま。ボクも行くよ」

 

 新しく従業員となったクルミだ。

 まぁ接客や厨房に立った経験は0なので従業員という判定が合ってるかは分からない。

 だが、こんな見た目でも腕は本物だ。

確かに最初は疑っていた。

だが、俺のスマホの検索履歴を全て答え出した時から俺はコイツの腕を信じている。

 流石最強のハッカーだ(白目)

 

 「それでは、閉店ボドゲ会ーースタートッ!」

 

 『『『イエーーーーーーーーイ!』』』

 

 主催者である千束の掛け声と共に、恒例のボードゲーム大会が始まった。

 昔は見ているだけだったが山寺さんたちに手取り足取り教えて貰い、参戦する様になり早5年。

 クルミが加わってから俺は何度も王者の座を逃している。

今日こそは絶対に勝つ!前回も同じ事言ってたけど。

 ここでイカれたメンバーを紹介するぜ!

 

 「締め切りが明日って言ってましたよね?」

 「今日の私にはカンケーないし♪」

 「止めましょう・・・・・・仕事の話は」

 「実は自分も勤務中で」 

 「刑事さん、悪だねえ」

 

 このメンツだぞ。勝ったな、風呂入ってくる。

 因みに俺は学生だからマトモ組だ!

 

 「早く始めましょうよー」

 「じゃあ順番決めるぞー」

 

 常連の1人である北村さんの発言を皮切りにクルミが音頭を取り始めた。勝負は此処からだ。

この順番によって勝敗が決まると言っても過言ではない!

 因みに前回は順番も有利だったけどクルミに負けたからあんまり意味は無いのかもしれない。

 

 「ねぇ〜たきなも一緒にやろうよ〜!レジ締めなら私も手伝うから」

 「もう終わりました」

 「はやっ!」

 「レジ誤差ゼロ、ズレ無しです」

 

 流石たきなだな。じゃあゲームしようか(中毒症状)

 

 「てことは、もう暇でしょ?」

 「ほら、おいでよ。たきなちゃん」

 「そーだぞ、たきなー」

 

 伊達さん達が誘いの言葉を掛ける。

 だが、たきな自身は乗り気じゃ無い様だ。

 

 「いえ、結構です」

 

 そう発言するとたきなは振り返らずに店の奥へと行ってしまった。

 こんなキッパリ振られる事あるもんだな。

たきならしいと言えばそうなるけど。

 視線を机の方に戻すと常連組から困惑の声が上がる。

 

 「おじさん、多過ぎるのかな」

 「恥ずかしいのよ、年頃」

 「店で遊ぶ方がおかしいんだけどね。」

 「2人はたきなちゃんと遊んだりすることはあるの?」

 「(任務で)一緒に外出したことならありますよ」

 「女の子と2人でお出かけなんて。律くんやるじゃない」

 「やめてその言い方!?」

 

 そんな会話を続けていると千束と目が合う。

伝えたい事を理解した俺は、勝利を諦め店の奥へと足を向けた

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 「ねぇ〜たきな」

 「なんです?」

 「一緒にゲームやろ、ね?」

 「もう帰るので」

 「明日は定休日だし、1ゲームくらい参加したら?」

 「お断りします。着替えるので」

 

 取り付く島もないとはこの事だな。

なかなかガードが硬い。本人が無理と言っているのなら強要する必要もないけど。

 

 「千束、健康診断と体力測定は済ませたのか?」

 「え、お前まだ受けて無かったの⁉︎」

 「へ?あっ、いや、まだ。あんな山奥まで行くのダルいし」

 「明日が最終日だぞ、ライセンスの更新に必要だ。仕事を続けたいなら行ってこい」

 「えぇ…そこは先生か律がどうにか言っといてくれないかなぁ…。2人の頼みなら聞いてくれるでしょー、楠木さん」

 「先生はともかく、俺に関しては5年くらい会ってないから無理だと思うぞ」

 

 第一、俺そこまで楠木さんと仲良くないし。

そんな中、楠木の名前が出た瞬間目の前の引き戸が開いた。

 普段の癖もあり、つい視線をそちらに向けると、

 

 

 

 「司令と会うんですか」

 

 

 

 そこには下着姿の彼女の姿があった。

 

 

 

 「うぉ、ばっか服!」

 

 これまでの人生の中でも1番の反応速度で俺は目自分の顔へとパンチを撃ち込む。だが時既に遅し。千束の目は一部始終を捉えておりこちらに無言の圧を掛けてくる。

 

 

 「…見たよね?」

 「…前が見えねぇ」

 「耳が赤くなってるよ。絶対見たでしょ」

 「他の視点で考えてくれ。咄嗟に自分の手で自分を制した事実は評価されるべきだと思う。」

 

 というか先生は目を逸らしただけだけどセーフなのかよ。

 これだから大人は(ヤケクソ)

 そんな押し問答をしていると再び引き戸が開かれた。

 

 「私も連れて行って下さい、お願いします」

 

 制服に着替え切ったたきなが深々と頭を下げてくる。この様子を見るに本当に本部に戻りたいんだろう。

 

 「お願いします」

 

 2度目の懇願。また深く頭が下がる。

鋼の様に固い意志を感じるトーンに少し動揺する。此処までしている彼女を突っぱねるような真似は少なくとも俺たちは出来なかった。

 

 「わかったよ、たきな」

 

 千束は困った様に、微笑みながら了承した。

たきなは『ありがとうございます』と感謝を述べた。更衣室の方へと荷物を纏めに戻る直前、俺はたきなに声を掛けた。

 

 「その、さっきは本当にごめん。俺の不注意だった」

 「いえ、私がいきなり開けたのが原因です。気に病まないで下さい」

 「お詫びに何でも言う事聞く権利でも」

 「気にしてないので。では」

  

 そう言ってたきなは更衣室の扉を閉めた。

 絶対気を使われただろうな。今度からどうやって顔合わせよう。

 そうやって肩を落としていると千束が此方に寄ってきて言った。

 

 「それで、律も勿論明日行くよね?」

 「行くわけないだろJK常識的に考えて

 それに、俺には新作ゲームをやるという重要な予定が」

 「すまないな、律。明日は本部に向かって貰うぞ。

 楠木から直々に指名が来ている」

 「何で直前にそんな事言うんですか⁉︎」

 「連絡自体は先週からしていたらしいぞ」

 「ブロックしていたのがここで裏目に出るとは」

 

 絶対まともな内容じゃない。しかも只事ではないのは確定だ。

 もう駄目だお終いダァ!

 この状況に打ちひしがれ、思考が曇っていると

 不意に千束の手が肩に乗った。

 

 「じゃあ3人で行こっか!」

 

 もうDAやだ( ;∀;)

 

 




最近感想が増えてて嬉しい。
更新は遅いですがこれからも気長に待ってて下さい。

展開は原作準拠のまま、敵キャラとしてオリキャラを出すのは賛成?(オリ敵は一人で、オリ主の過去に滅茶苦茶関わっているものとする)

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