生存者   作:ORC機関

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永遠の冬やACから影響を受けて七星7㎜を吸いながら思いついた作品
こんなクソ雑魚の作品ですが楽しんでいただけたら幸いです。


重装甲擲弾兵

狭い操縦席をモニターが照らす。

「残弾が低下、補給を受けてください」

繰り返されるアナウンスが五月蝿いので強制停止させる。

機外で鳴り響いている戦闘の砲声が操縦席を満たす。

モニターに表示されたメインカメラの映像は地獄を映していた。

動かなくなった主力戦車は大きく曲がった砲身とハッチから燃え上がる炎が見え、路上には人だった肉片が転がる。

友軍の機体は建物にもたれ込むように座っており、操縦席のある胸部に大きな風穴が開いていた。

操縦者はもう死んでいる、彼から弾薬を貰おうにも弾薬庫付近まで火が回っているため弾薬の回収は不可能だろう。

メインカメラを駆動させ周囲を警戒する。

砲声や爆発音は止まないが住宅街は人の気配はなく静かだった。

戦略地図にも敵の情報は表示されていない。

騒がしいのに、凄く孤独に感じた。

「防衛司令部から各員に通達、現時刻をもって町の放棄を決定」

「全部隊は宇宙センターに合流し脱出部隊を支援せよ」

絶えず賑やかな通信回線から命令が発せられる。

無理もない、このまま町に固執すれば戦力を無駄に失ってしまう。

相手の練度は高くないが数が多すぎ、幾ら高度な訓練を行っている我々でも他勢に無勢だ。

左足のペダルを踏み込むとジャンプスラスターが轟音を響かせた。

スラスターを吹かして跳躍し住宅の屋根へと登る。

先ほどの集結地点である宇宙センターのシャトル発射場は絶え間ない対空砲火が空に伸び、撤退するシャトル便を守っていた。

発射場は川を超えた丘の上にある。

望遠ズームを起動し橋周辺を伺えば撤退する部隊が車列を作っていた。

モニターを等倍に戻し私は移動を開始する。

サイドスラスターを吹かし街路に着地、脚部履帯式機動ユニットにて中央線を駆け抜けた。

敵重装甲擲弾兵(SPzG)が2機確認。

操縦桿のスイッチを操作し、武装を変更。

左腕刺突爆雷を用意し、信管は20秒で設定。

FCSシステムリンク中、完了。

機体は最大戦闘速度を維持、敵はこちらを補足したようだ。

ロックアラートが鳴り響く、白い塗装に派手な装飾のSPzGは王国騎士団所属。

接近アラートの合図でサイドステップで回避し敵機を左寄りに捉えた。

刺突爆雷をすれ違い様に直撃させ、すぐさまパージ。

刺突動作で機体胸部がもう1機に向いている。

このまま胸部機銃を発砲、敵機が怯む。

私はスラスターで後方へ回避行動を実施。

1機目の刺突爆雷が起爆し上半身と下半身を分離した、2機目は爆風で横転。

そのまま敵機頭部に50㎜PzKを叩き込んだ。

「橋が落ちるまでにたどり着けるかぁ、これ」

戦略地図を展開すれば、不明機と友軍機の位置が表示されている。

地図内で移動する味方機の後ろを追従する不明機が目についた。

この先の十字路を横切っていくようだ。

十字路の角まで移動し右腕だけ露出させる。

これにより、被弾面積を抑えつつ偵察や射撃を行える。

ガンカメラを起動させ、大通りの様子をうかがう。

白色塗装のSPzGが赤十字を掲げる車列を追跡しているようだ。

肩部に装備されている信号弾射出機から青色信号を上空へ射出する。

「頼む誰か来てくれよ」

望み薄だろう、この救援要請の青色が誰かに届くことを祈る。

敵機が信号弾に気づいて速度を落としていく、敵に届いた、仕掛けるなら今だ。

曲がり角から右肩部まで露出させ有線式のミサイルを発射。

同時に牽制の50㎜を射撃する、PzKの射撃管制装置とミサイルは同期している為、敵に通知されるロックアラートは50㎜の射撃管制のみ。

刹那、敵機は速度を上げた。

実体剣を抜刀し私の50ミリを切り抜いてしまった。

「嘘だろ」

打ち込んだ弾丸がすべて映画のように切り伏せられていた。

鮮やかな手並みに思わず見惚れる。

すぐに頭を切り替え牽制射撃、脚部を狙う。

敵は50㎜を切り抜くので頭がいっぱいの筈だ。

私の読み通りミサイルは脚部に命中した。

駆動系に与えた損傷は姿勢制御を困難にさせる。

相手を横転させるのには十分だった。

前方に一回転し私の目の前にうつ伏せの状態で沈黙、私はそのまま頭部を踏み潰す。

敵ながら素晴らしい操縦技術だった。

どんな奴が操縦していたのだろうか?

そんな純粋な興味から敵機の無線に接続してみることにした。

「君すごい操縦技術だね、出来れば別の形で出会いたかった。」

「ぁ…」

か細い声が耳に入る。

無理もない、転倒した衝撃でつらいはずだ。

「君はいい操縦手になれるよ、次は殺すけど」

私の右脇を車列が通る。

運転手が片手をあげていた、お礼のハンドサインだろう。

私は右腕を上げ運転手に答えた。

貨物室の負傷兵たちが嬉しそうに手を振っていた。

「私が…お前に…」

気の強そうな女の声が聞こえた。

きっと、訓練生の中では優秀だったのだろう。

とても悔しそうに、親の仇のように唸っていた。

「いいよ恨んでも、けど次戦場で会う時は容赦しないからね」

敵機のハッチが開いてパイロットが転がり出てきた。

黒くて綺麗な長い髪に眼鏡をかけた女、王国騎士団の制服を着ている。

歯を食いしばって私を睨みつけているが、彼女に戦闘能力はない。

そんな怨嗟の視線を背に私は移動を開始した。




マジでエンドロールにたどり着けるのかこれ(クソ雑魚作者の感想)
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