生存者   作:ORC機関

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皆様、お元気でしょうか?
暑くなってきましたね、梅雨はどこに行ってしまったのかと思う今日この頃。
早くも30度をまたぐ日がやってきており、屋外の喫煙所から足が遠のいてしまいます。
身体には良いんでしょうけど()
こまめな水分補給をして無理をせず、生き残りましょう。
どうかご自愛くださいませ。


後を負うもの

私はSPzGの操縦席に居た。

今日は王国騎士団学校の生徒たちに戦闘機動を見せなければならない。

オットーくんたちの下見から数日後、ヘルマからお願いされた仕事だ。

機体の改修工事は部品もまだ届いてないため、今の内に乗り納めておくのが良いのではないかと彼女の口車に乗せられて私はここに居る。

「SPzGの戦闘は基本的に陣形を組みながら戦う」

「これは他兵科との共同戦闘時に最前列で盾の役割を担うため」

「だが対SPzG戦闘では違う」

ヘッドセットからヘルマが生徒たちに解説する声が聞こえた。

私はFCS設定を再確認する。

FCSリンク済みの武装一覧に目を通す。

右腕PzKや右肩部の有線誘導弾はいつも通り、しかし左腕には久しぶりに使うSeL-Kが装備されている。

Selbst Lader-Kanone(自動装填カノン砲)は元々主力戦車のタイガー4に搭載されていた120mm滑腔砲をSPzGの手持ち武装に改造した物だ。

SeL-Kは120mm44口径だがタイガー5主力戦車の55口径砲で作られたSeL-KLも存在する。

後者は射程、威力も向上しており人気の武装だ。

装填されている対戦車榴弾はSPzGから一般兵器まで対応可能。

万能な武装でさまざまな部隊で使われている。

しかし、欠点としては装弾数が少ない事や反動が強い。

シュルツェンと爆発反応装甲のアップグレードパッケージが普及しているため一撃で墜とす事は難しい。

「僚機との連携をとり、変化する状況に対応しなければならないの」

「教本通りの戦法なんてもってのほか、如何にして敵の裏をかけるか考えなさい」

「今回は私とフランツ講師がお手本を見せるから、次回の機動演習に備えてよく見ておくように」

生徒たちがこちらを見上げていた。

挨拶の一つでもしておくべきだろう。

私はハッチを開け、搭乗口から身を乗り出して生徒たちに手を振った。

ヘルマが手招きしている。

生徒たちへ何か喋れと言う事だろうか?

言うよりやって見せたほうが早いと思うのだが。

私は全力で首を振り、手でバツ印を作る。

「いいから、きて!」

ヘルマはビシッと脇の地面を指差している。

耳を後ろに反らせ、彼女の尻尾が激しく動いている事から不機嫌そうだ。

彼女の頑固さに負けて、私は渋々操縦席から移動する。

彼女の生徒達は三十人程度ほど、様々な種族、年齢は若い。

「やあ、みんな元気かな?」

気さくな挨拶をしてみる、反応は薄い。

世代が違うせいなのだろうか?

「フランツ・ベッカー伍長、元連邦軍外地進駐軍重装甲擲弾兵団第34装甲駆逐所属の大ベテランよ」

ヘルマが誇らしげに語る、お前は私の何なのだ?

授業参観に親が来たような気分だ。

生徒たちは互いに声を抑えて話し出した。

「やめてくれよ恥ずかしい」

ヘルマに一言抗議し、私は生徒たちに向き合った。

「えー、現進駐軍教練隊に所属しておりますフランツです」

「指導する立場としては初めてなのでよろしくね」

やはり、借りてきた猫のような感じだ。

互いに顔を見合って首を縦に振る生徒たちに何とも言えない気まずさが滲んでいた。

「質問よろしいですか?」

生徒の一人が小さく手を挙げる。

私より高い背、金髪のショートヘアに中性的な顔立ち、良いところの出身だろう。

どこかの誰かさんを思い出す。

「なんでしょう」

「フランツ講師は何故こちらに?」

彼は小首を傾げながら問い掛ける。

まぁ、あの肩書きを聞いた後だとその疑問は最もである。

「上司や同僚からの推薦もあるけど1番の原因は隣にいるヘルマかな」

「あら、不満だったかしら?」

私の回答に少し嫌味っぽくヘルマが言う。

外堀を埋めたのは事実じゃないか。

「いや、足を失くした私にピッタリな転職先だよ」

「そう」

ヘルマは満足そうに言うとバインダーに目を通す。

「足、悪いんですか?」

彼は目を見開いた。

「彼、撃墜されたの」

ヘルマはバインダーから目を逸らさずに言ってのけた。

「撃墜された時に機体の自動給弾装置や推進剤に引火して…足がね」

改めて言葉にすると少し辛かった。

「でも腕前は優秀よ、私が保証する」

私の説明にヘルマが補足した。

雑談はこのぐらいにして本題に入らなければ。

「まぁ、とりあえずやって見せよう」

無理矢理だがここで区切り演習の準備に取り掛かる。

ゾロゾロと生徒たちは見学区画へ移動を始めた。

「どう?生の後輩たちを見て?」

「自分たちもあんなクソガキだったのかなってさ」

改めて教える立場になって見えてきた事に何とも言えない懐かしさを覚えた。

誰しも通る道なのだろうけど。

「実戦経験前なんてこんな物じゃないかしら、まだ歩くだけで楽しい時期だろうし」

「そのうち実戦を経験して乗るのも怖くなってくるんだろうね」

「そうね」

ヘルマと並んで生徒たちの背を見送る、私の同期も随分と少なくなってしまった。

改めて時間の流れを感じて何とも言えない寂しさが胸に湧き出てきた。




SPzJにFlaK40Zwillingを載せたい。
でもそれをやると人型じゃ無くなりそうなんだよなぁ(ジレンマ)
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