私は仕事が忙しすぎるのとスランプ気味で死にかけてますw
なのでもしかしたら誤字等あるかもしれないのであったら教えてください。
急いで直します。
「そこ!隊列の入れ替えがぎこちない!それじゃあ狙い撃ちにされる!」
「はい!ヘルマ教官殿!」
私が声を張り上げ注意すると生徒たちは逃げるように加速していく。
新規操縦者教練はいつもこんな感じで進んでいる。
エーデルワイス中央女学院からSPzG操縦者を目指して入ってきた生徒達だ。
良いところ出の箱入り娘ばかり、戦争のせも知らない子供達。
私が彼女達の頃はどうだっただろうか?
両親は私が生まれた時に亡くなり、孤児院のシスターに引き取られ生活してきた。
彼女達ぐらいの時には少しグレていた私は王国騎士団に入隊、SPzG操縦者第一期生、通称 アインズの一員として訓練に明け暮れた。
正直、この仕事が1番性にあっている。
共に戦う仲間もできたし、尊敬できる先輩達に会う事ができた。
しかし、そんな大切な人達はあの日にほとんど帰って来なかった。
空きが多くなった格納庫はとても寂しくて帰らぬ人となった現実を私に突きつけた。
だからこそ、私はこの子達の育成に手を抜く事は絶対にしない。
あんな思いして欲しくないから。
「射線を意識!敵は陣形入れ替えなんてお構いなしで撃ってくるのよ!」
「はい!」
私も教官に散々怒鳴られたっけ…あの頃は気に入らなくてムカついたけど、今となっては教官なりの優しさだったんだろう。
右往左往する訓練生を眺め私はそんなことを考えた。
実戦を経験し、一人前になれたあとに私は撃墜され、振り出しに戻った。
撃墜されるとパイロットとして復帰するのは厳しいと話は聞いていた。
確かに撃墜されたトラウマから操縦席に戻るのが恐ろしかった。
またあの日のように閉じ込められるのではないだろうか?
そんな思考が頭を埋め尽くし体が拒否を示す。
私は恐怖心で逃げ出したい自身に鞭を入れた。
演習場で何度も操縦者基礎訓練を繰り返し、演習も行った。
私より後に来た新入りに何度も撃墜され屈辱を何度も味わい、フランツの支えもありここ戻ることができた。
彼には感謝してもしきれない。
あの日、鉄の棺桶から私を見つけて救い出してくれた。
それだけじゃなく私たちの仲間を探すのを手伝ってくれた。
彼にとっては仲間の仇であるはずだ。
その後も私のトラウマから立ち直るための練習も付き合ってくれた。
辛いときも苦しいときも彼がそばにいてくれた。
そして気が付けば彼を失いたくない大切な人と思うようになっていた。
だからこそ、私は彼が戦闘部隊に戻りたいという願いが嫌だった。
彼は足を無くした、パイロットとして致命的な戦傷だ。
四肢の欠損は操縦に大きく影響する。
基本予備役か退役、ほぼ戦闘操縦者の終わりに近い。
私はそれを理解した上で彼の願いを叶えるべく私もミリーもできる限りのことをしたつもりだ。
結果はイーザとの模擬戦が示していた。
どう頑張っても元のようには戻れない、失った足は大きい。
しかし、彼自身受け入れられていなかった。
無理もない、彼の人生そのものを唐突に奪われたんだ。
彼自身の抱えた感情は私にはどうすることもできない。
撃墜された私はまだ本当に失っては居なかったのだ。
そんな私にできたのは別の道を提案するぐらいだった。
内心、このまま諦めてくれないかと思っていた。
私としては彼が不十分なまま戦闘に参加することになるのは嫌だった。
先輩達のように帰らぬ人になるのは耐えられなかった。
私が紹介した民間に払い下げられたSPzGやSPzJの操縦業務は彼自身気に入っているようではある。
しかし、彼は諦めていないようだ。
私はそれを見越して彼を王立騎士団教練隊に入隊させた。
彼の上司は戦傷で退役する仲間が活躍できるならと協力してくれ、ミリーが推薦してくれたこともあり彼を引き込むことができた。
予備役でも教導任務の隊員となれば流石に戦闘任務に引き抜かれることもないはずだ。
このまま私の補助教官として傍に居てさえすれば少なくとも彼が死ぬことはない。
SPzGの操縦手で居続けるならこれでいいはずだ。
戦闘訓練と演習の対抗部隊として戦闘も行えるし、私が常に彼のそばに居ることができる。
彼の望みを叶えつつ、大切な彼の身に危険が及ばないように私の手中に収めておいておけた。
彼にとっても悪くない筈だ。
しかし、彼の考えはそうではなかった。
第四世代機への乗り換えは辞退してくれたが、A7Vへの改修は実施した。
イーザとの演習前のような殺気立つ様子は見られない。
どちらかと言えば高みを目指して、かつての場所なんかに目もくれない遠くを見ていた。
自分を試して楽しんでいるようなそんな感情を彼から私は感じていた。
まるで死ぬのに怯えていない、むしろ笑いながら受け入れそうで。
未練なんてないような様子にふとした瞬間に消えてしまいそうで。
私は機体のサブカメラで彼の機体を捉える。
舐めるように生徒の機体をガンカメラでとらえ続け、生徒たちの火器管制システムのロックアラートを鳴り響かせる業務にいそしんでいるようだ。
私の気も知らないで。
彼は私や仲間の命の恩人で、辛い時も支えてくれた仲間で、失いたくない大切な人だ。
ミリーや仲間たちから恋人のようだと揶揄われることもあった。
そういう関係ではないので口では否定したが、そういう関係になってもいいかもと思うほどには長い時間を過ごしていた。
恩返しとかそういう感情抜きでもそばに居たいし居てほしい。
いっその事、そういう関係になれば彼を繋ぎ止めることができるだろうか?
しかし、余計なことをしてこの関係が終わってしまうのも嫌だった。
少なくとも今は私の手の中に彼は居て、現状の状態でも十分に私のそばに繋ぎ止めている。
そばに居られる、それだけで私は十分だ。
私は心の内で祈った。
どうか、私を置いていかないで。
あの日、私が入った装甲の棺みたいなひとりはいや。
呼吸を整え、周囲を確認。
いつもの声のトーンで生徒たちを指導する。
この本心がバレないように。
私が彼の全てを管理しなくてはならない。
私の大切な人、失う痛みはもうたくさんだ。
だから絶対に、たとえもう一度彼の足を奪うことになるとしても、私は彼を守るんだ。
胸の気持ちを誤魔化すように私は操縦桿を握りしめた。
すんごいジメジメしてる。
もはやお風呂場なのでは?()