知り合いの畑にお手伝いに行ってたら一月中頃になっていたぞ…(驚愕)
今年もなにとぞよろしくです。
あの戦闘から3ヶ月。
私、ミリーは謹慎処分の身となってしまった。
停戦協定違反と独断による戦闘行為、本当なら重罪を課せられていただろう。
しかし指揮系統の混乱による事故として処分を言い渡された。
演習場は今日も賑わっており、絶え間ない発砲音が響いている。
ここは武器を使用した訓練が行えるため、様々な部隊がここに集まっていた。
私は罰として教練勤務を言い渡されていた。
今日の担当業務はすべて完了したため管制室を眺める。
教官が座席に座り演習場とカメラ映像を映したモニターを交互に眺め、各々の生徒への指導を行っている。
その中に見知った後ろ姿、白い髪に頭頂部の耳。
「ヘルマちゃん」
私は彼女の肩に手を置き、話しかける。
獣人用のヘッドセットが似合っていた。
「ミリー、謹慎中じゃなかったの?」
彼女はヘッドセットの片耳を外し振り返った。
「謹慎中はここの手伝いをするようにって」
私の言葉に彼女は察したようだった。
彼女の隣に座り、イヤホンをつける。
私の種族は耳が長いためヘッドホンをつけることができない。
「ヘルマちゃんの担当は何号機なの?」
「8号機」
彼女はヘッドセットを戻し窓の外へ視線を移す。
8号機は戦闘機動を行っている。
市街地を模した演習場、通称キルタウン。
基礎演習の総仕上げの配置となっており、新任操縦手は誰もが通るコースだ。
「貴女が撃墜した彼よ」
その言葉に心臓が跳ね上がり、記憶がよみがえる。
「ヘルマちゃん、その…」
私は言葉を探していた。
自身の行いに対する謝罪の言葉を。
「それは彼に言うべきでしょ」
彼女は一瞥もせずに言って見せた。
私は視線を彼に向ける。
通りへ滑らかに侵入する彼は最小限の動きで標的を撃破していく。
機体胸部は敵に向けて侵入する際は先に曲がり角から露出する腕から射撃体勢に移行する。
誘導弾はPzKの火器管制システムとリンクさせ牽制射撃と誘導を同時に行う。
敵機の右脇をすれ違い様に打ち込まれた刺突爆雷が爆ぜた。
お手本のような所作に思わず見とれそうだ。
しかし、そこに違和感が存在していた。
攻撃やスラスターを用いた機動行動に僅かに遅延が起きている。
「少し反応が鈍いかしら」
彼女も気付いたらしく、首を傾げていた。
彼の機体は通りを曲がり手前の目標を左腕PzSfで撃破すると右腕PzKが次の目標を捉える。
しかし、射撃するまで一瞬硬直し射撃している。
距離のある目標をPzKを3発で倒すと肩部誘導ミサイルを発射する。
有線誘導型ではなく火器管制システムリンクの半自立型ミサイル。
ワイヤー有線式に比べて誘導できる弾数は多いが攪乱装備に弱い。
上方へ発射された誘導弾が向きを変える、手元の情報端末では左腕と右腕の火器管制システムが標的を捉えた。
半自立型の特徴であるロック前の誘導弾発射を応用した戦闘。
この場合は直上へ向けて発射することにより回避の難しい上方からの強襲を行っている。
さらに専門的な装備を使用することで小型の無人探査機からの独立誘導による攻撃が可能。
連邦軍で実施されている戦法で自走砲に依存しない砲撃システムとして運用されている。
直上よりミサイルが目標に襲い掛かる。
さながら飛竜が獲物に飛び掛かるようだった。
最終目標撃破で演習終了のブザーが鳴る。
周りを見れば待機中の受講生が集まっていた。
ヘルマちゃんは眉間に皺を作るとマイクのスイッチを入れる。
「少し射撃までに遅延が見られるわ」
「ごめん、あの日に引っ張られてる」
あの日聴いた声が耳に届いた。
「お互い様」
彼女は少し嬉しそうだ。
「思うように動かせない、特に跳躍は本当にダメだ」
笑う彼はどこか苦しそうだった。
「やっぱり義足?」
彼女は彼に問いかける、彼女の目は成績表を眺めている。
「ペダルが踏めないからジャンプスラスターが使えないのが辛い」
「足の一本でここまで辛いなんて」
操縦席から硬いものを叩く音が聞こえる。
撃墜されてもなお彼は帰るために努力していた。
失くしたものを取り戻すため。
「落ち込まないの、次回上手くやるために反省会しましょ」
「私、待ってるから」
ヘルマちゃんは彼にそう告げると不貞腐れたような声で返事をした。
彼の機体が格納庫へ移動していく。
私が奪ったのだ。
彼の足を奪い、撃墜前の動きができず苦しんでいるのも。
全部私の所為だ。
彼は人種、私のように何百年と生きられない。
貴重な人生を私は奪ったのだ。
果たしてどんな顔で彼に会えばいいのだろう。
「ねえ、ヘルマちゃん」
私は彼女に話しかけていた。
常によく見聞きし、考え正しきことをしなさい。
父の言葉だ。
何ができるかはわからない、でも責任は取るべきだ。
罪には罰が必要だ、悪いことをしたなら罰せられなければならない。
「私も手伝わせてくれないかな?」
「ミリー」
少し悲しそうにこちらに視線を向けた。
「実は私ね、このまま彼には諦めてほしいの」
彼女の告白に私は少し驚いた。
「意外だね」
私の言葉に彼女は困ったように笑った。
「私も撃墜されたの、行動不能になって孤立して」
「今は少し怖いぐらいだけど」
ヘッドセットを外して伸びをする。
頭頂部の耳がピクピクと動いていた。
「あの暗く孤独な怖い場所から救ってくれたのは彼だった」
「私たちの仲間を助ける手助けをしてくれたのも彼だった」
彼女の視線は移動する彼に向いている。
どこか心配そうな目をしていた。
「私が操縦席に戻れたのも彼のおかげなの、本当に」
「だからこそ、彼には諦めてほしい」
彼女の尻尾は足元に垂れていた。
頭頂部の耳もへにゃりと伏せられている。
「死地に送るようで嫌なの」
「私と同じ境遇の大切な彼が居なくなることが怖い」
彼女の視線は下を向いてしまっている。
今にも小さくなって消えてしまいそうだ。
「でもね、彼は帰りたがってる」
「だから手伝ってるの、私にしてくれたみたいに」
彼女は顔を上げるとこちらを見据えた。
「でも私にできることは限界がある」
「だから力を貸してちょうだい、彼が戻って来れるように」
縋るような彼女の瞳が私を見ていた。
ミリー、お前がやったんだぞ()
友人から時系列がわかりにくいとご意見いただきました。
目次の時点で並べ替えた方がいいかな?
あと専門用語の表が欲しいとも言われたので報告書をまとめています。
どこまで作った方がいいんだろ?
世界?武器?兵器?それとも全部?
知りたいので後で活動報告でアンケートでもやろうと思います。
ここの感想でもいいのよ?(小声)
誤字脱字あったら報告くださーい(クソデカボイス)