新しいガンダムを見に行ったらガンダムが始まった(困惑)
意外と小学生の時に見たガンダムの記憶が残ってて自分もびっくりしました。
主人公ちゃんが慣れない操縦を頑張っているのを見るとお節介焼きたくなる気持ちと成長していく姿に嬉しくなる気持ちの二つが湧いてきて何とも言えない気持ちになりました。
頑張る若い子に嬉しくなっちゃうなんて私もおじさんになったみたいですね。
でも、あんなに熱中して楽しめた映画は数年ぶりだったので本当に最高でした。
機体のOSを起動し、エンジンに火をくべた。
周囲のモニターに光が灯り、OSロゴが浮かび上がる。
「メインシステム通常モードを起動します。」
OSの起動完了ボイスが流れメニューを選択、FCS設定に移行。
FCSリンクされた武装一覧が表示されている。
右腕に50mm PzK、左腕には可変盾。
肩部武装に目を移す。
左肩部にBRP(フラッシュロケット弾)発射機、右肩部に有線式誘導弾。
近距離対策で盾とBRPを積んだが熱溶断機の前ではお守り程度でしかない。
問題はあの眼鏡女、イーザの機体編成だ。
5か月前彼女と再会した私は模擬戦を申し込まれた。
そこから1ヶ月後私はやっと足を手に入れ、文字通り歩く練習からスタートすることになる。
歩けるようになってすぐ機体操縦のリハビリを始めたが思い通りには進まない。
撃墜前と同等になるのに約4か月かかってしまった。
その間彼女の経歴や生い立ちについてヘルマが調べてくれた。
どうやら彼女は代々騎士を輩出する名家の出身だったようで成績も優秀で訓練学校主席で卒業している。
今から6か月ほど前に私は撃破している。
あの時は戦闘能力を失った彼女を見逃した。
プライドの高そうな彼女の事だ、根に持っているのだろう。
戦闘時、実体剣を用いた防御移動を誘導弾で横転させて頭部をつぶした。
もちろん優秀な彼女の事だ、前回と同じ轍は踏まないだろう。
そのために対策としてBRPを積載した。
盾は純粋に低下した操縦技術のカバーを目的としている。
本当は両腕に武装を積みたいところだが仕方ない。
同軸機銃のFCSは正常。
機体情報に切り替える。
改良はあまりされていない、所詮演習機だ。
「ねぇ、行けそう?」
ヘルマの声がヘッドセットに届いた。
「機体の癖がわからないから怖い」
演習場には演習機は複数存在し、同じ型式の機体でもそれぞれに癖がある。
他人の機体に乗るとその現象を強く感じることが多い。
ペダルの踏み加減や操縦桿の反応速度などその人に合わせた調整が行われるからだ。
そのため様々な生徒が使う演習機は調整されてない。
「仕方ないでしょ、貴方の機体は大破してるんだから」
彼女は少しけだるそうに返す。
私の口から溜息が漏れる。
「やめておく?」
すこし心配そうな声色で彼女は問いかけた。
「急ぐ必要はないと思うの、もっと準備してからでもいいんじゃない?」
彼女の言うことにも一理ある。
しかし現状どこまで行けるのか未知数の手前、ここで測っておきたいのもある。
「やめておきましょうよ」
「ね?」
彼女の声が嫌に耳に残る。
確かにそうなのかもしれない。
しかし、それでは永遠に止まったままだ。
こうしている間にも時間が流れて行き、日常は続いていく。
夕の星を見送ったあの日のように置いて行かれてしまう。
追いつかなければ、心だけあの日に残ったままだ。
それは嫌だ。
「やってやる」
私の口から言葉が出ていた。
そうだ、足枷が外れればこんな感情なんてなくなるんだ。
きっと前みたいにいつもの日常に戻れるんだ。
「え?」
彼女の意外そうな反応を見せた。
「やるしかないんだ、戻るために必要なんだ」
あれだけ練習したんだ今度はきっとうまくやれる。
情報を表示したタブを閉じOSを戦闘モードに移行する。
「メインシステム、戦闘モードを起動します」
全武装のFCSシステムが正常にリンクされたことが表示された。
待機姿勢から戦闘姿勢に移行、照準の感度と動作を確認する。
少し感度が鈍いか?
切り替えは正常、速度も良好。
機体収納スペースから一歩を踏み出す。
姿勢制御システムはパッチが適応されている。
良好だ。
そのまま格納庫の外へ歩み出す。
二月末の白銀世界が私を出迎えた。
「行ってきます」
何も言わない彼女に挨拶一つ告げて履帯式機動ユニットを起動する。
操縦桿を操作し前進を開始する。
遊びは少ない、速度調整には気を付けよう。
道路の轍が演習場へと伸びている。
不安感から速度を上げる、感情を振り切るには速度が足りなかった。
行き場のない感情だけが私の胸に残っている。
やっとここまで来たぞ…
新装備はまた後々報告書にまとめます。
誤字等あったら報告ください。