生存者   作:ORC機関

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新しい職場の研修が忙しく久しぶりになってしまいましたね。
皆さまお元気ですか?


運命

曇天の空に信号弾が撃ちあがる。

模擬戦開始の合図だ。

雪は止む様子はない。

私は履帯式機動ユニットで前進する。

敵は因縁の相手、名はフランツ・ベッカー。

進駐軍重装甲擲弾兵団の第34装甲駆逐中隊所属。

素早い機動とトリッキーな戦闘を得意としている。

私を撃破した戦法も彼の技の一つだ。

市街地を模した演習場は視界は悪い。

不意な遭遇を警戒し私は進む。

戦略地図には反応はない。

当たり前だ、上空に偵察機は居ないため観測情報は共有されることはない。

居るとしたら演習を記録する偵察機だ。

跳躍によって高所へ移動し探すべきか?

しかし、敵の動きもわからない今わざわざ姿をさらすのも危険だ。

滑るように曲がり角を確認しながら進む。

無人の住宅街に駆動音が虚しく響いていた。

いつ飛び出してくるのか、どこから攻撃が飛んでくるのか。

その不気味さが私を焦らせた。

刹那信号弾が空に舞った。

救援信号だ、あの時と同じ。

「私を馬鹿にして…」

彼は自分から位置を教えた。

罠の可能性も捨てきれないが、向かう場所は分かった。

ルートを確認し前進した。

終点は中央広場、彼はそこにいる。

移動しながら武装確認を行う

左腕PzSfはそのまま、右腕はPzKから熱溶断機へ切り替える。

両肩部にはボルトカノーネがマウントされており、感度は良好。

武装は問題ない、進路はそのまま、向かうは再会の地、中央広場。

路地を抜け、街路を進む、心音が響く。

橋を飛び越え、広場へとたどり着いた。

開けた場所に噴水が中央に配置されている。

そこに彼は待っていた。

左腕にSPzG用の可変盾を装備し半身を隠している。

右腕には50mmのPzK、右肩部には有線式誘導弾が装備されていた。

あの日が脳裏を過る、だけどあの日とは違う。

鍛錬は毎日欠かさなかった。

何度夢に見たか、わからない。

待ち望んだ日、それが今日だ。

FCSが火器管制レーダーを検知し、ロックアラートを鳴り響かせた。

始まりの笛が鳴った。

彼はスラスターの戦闘機動を実施した。

急速噴射による機動はロックを難しく、機体半身は盾で隠されている。

PzSfの散弾では効果的なダメージは与えられないだろう。

彼との距離を維持しながら追従する。

FCSはボルトカノーネに切り替え、射撃を行う。

三点射のリボルバーカノンが火を噴いた。

やはり回避される、右へ左へ巧みな回避だ。

右肩部の射撃を加速し、避けた隙を狙って左肩部の射撃を行う。

急速逆噴射で減速、射撃を回避するとPzKを射撃する。

今度は私が回避する番だ。

PzKの弾道的に肩部ボルトカノーネを狙っていた。

発射機から伸びるチェーンリンクの先に大きめの自動給弾機につながっている。

防盾で保護されているとはいえ被弾すれば破損するだろう。

私は回避に専念し機会を伺う。

彼との距離が近くなってきた、PzSfの射程まであと少し。

FCS切り替えはまだしない、私はボルトカノーネの牽制射撃を行う、彼の注意を引ければ十分だ。

その時、彼の放った銃弾が右肩部に着弾した。

姿勢制御システムが被弾の衝撃で乱れた、しかしカバーできる範囲だ。

彼はこの機を逃さなかった。

盾で身を守りながら急接近する、しかしこちらの狙い通りだ。

FCSをPzSfに切り替え連射した。

砲身から放たれる散弾は盾に着弾し機体に衝撃を与える、姿勢制御システムが乱れるだろう。

盾で身を守る彼の機体は停止する、制御システム再起動、距離は十分。

私は右腕熱溶断機を起動、接近を試みた。

ここで仕留める。

しかし、彼もまた奥の手を用意していた。

盾が横に回転し左肩部が露わとなる、円筒形の発射機が4つ正方形に束ねてある。

彼のヘッドについているカメラアイが防護シャッターを下ろしたと同時に発射機からロケット弾が放たれた。

刹那、閃光が辺りを染め上げた。

「しまった!BRP!」

思わず口に出していた。

このままではまずい、反射でジャンプスラスターを噴射し飛び上がる。

カメラセンサーの再起動まで3秒、ジャンプから急速噴射で回避する。

着地するころには再起動が完了。

左へ超信地旋回し熱溶断機を振りぬいた。

背後に迫っていた彼の盾を両断し機体を捉える。

彼は同軸機銃を発射した。

轟音が操縦席に響くが気を取られず急速逆噴射で少し距離を取る。

彼は同軸機銃の弾幕を絶やさず有線式誘導弾を発射した。

落ち着いて散弾を発射し誘導弾を撃墜する。

素早くFCSを左肩部ボルトカノーネに切り替えた。

最短射程ギリギリだ。

私は迷わず引き金を引いた。

砲身から放たれた弾はヘッドパーツを吹き飛ばした。

その反動で彼の機体は仰向けに転倒する。

上空に演習終了の信号弾が撃ちあがった。

「やった…」

彼を倒した、私は成し遂げた!

あの日の屈辱は雪がれた、夢に見た現実は今目の前に広がっている。

しかし、なぜだか気分の高揚はなかった。

あの動き、あの日の彼ならもっと良い動きをした。

やはり違う、あの日の彼はもっと強かった。

違う違う、こんなんじゃない、こんなはずじゃ。

彼を倒せばあの気持ちも消えると思っていた、だがどうだ?

空虚感、ただただ私の心に残ったのは空っぽの穴だった。

 




やったねイーザちゃん、夢がかなったよ!うれしいね?(鬼畜)
仕事が始まり忙しくなってきていますが暇を見つけて頑張って書きます。
気長に待っててくれると助かります。(主に私が)
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