TS若返り傭兵は旅をする   作:Aa_おにぎり

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昨日の投稿時間間違えた…


#221

廃遊園地でとんでもない奴らと出会してしまったスフェーンとサラ。

 

「うーん…」

 

逃げた先で隠れながら状況を把握したサラは一言。

 

「状況が沢田のアニキなんよ…」

 

そう言う目の前には右手にRocket Launcher、左手にShotgunを持ち、カンカンに怒った様子の般若面のスフェーン。

そりゃそうだろう。愛車のサイドカーを木っ端微塵に破壊され、その直後の誘拐すると言われたのだ。これで彼女が切れないはずが無かった。

 

「ふぅ…」

 

切れている彼女はおそらく止まらない。サラはそう思い、彼女の激憤を前に大人しくしておこうと思っていた。

 

「とりあえず作戦を考えましょう」

「え?」

 

しかし当のスフェーンは一度大きく息を吸って先ほどまでの殺気を消し飛ばした。

一体全体、どうしたのかと聞きたくなった。

 

「急に落ち着かないでよ。こっちが驚くでしょうが」

「は?何で?」

 

真顔でスフェーンはサラを見ていると、スフェーンはすぐに地面が微かに揺れているのに気がついた。

 

「ちっ…」

 

すぐさまそれが敵のオートマトンであると認知すると、二人は暗闇の中を走った。

廃遊園地、そこであの犯罪者集団に復讐をすると言ったスフェーンはまずサラを安全のために下山させようとしたが、

 

「え?やだよ?」

 

暗い山道を一人で歩かせるのか?正気か?と言ってスフェーンに返した。

帰る気が無かったスフェーンとしてはどうしたものかと一考したが、

 

「危なくない?」

「心配ご無用」

 

そこで彼女は自身ありげに散弾銃(KS-23M)拳銃(S&W M3)を取り出した。

 

「あんたも拳銃持ってたんかい」

「自衛手段の一つよ。選択肢は多い方が勝つもの」

 

観覧車のゴンドラの中、二人は簡単な作戦会議を行う。

 

「で、どうする?貴方のロケットランチャーで一網打尽?」

 

強力な爆発物であり、今回は対戦車榴弾も持ち合わせているスフェーン。その方が楽だろうと思っていると、

 

「いえ…」

 

そこでスフェーンは実に良い笑みを見せてスラリと言った。

 

「ジリジリとなぶり痛めたほうが楽しいでしょう?」

 

その笑みを前にサラは一瞬の沈黙の後、ジト目を向けた。

 

「…あんたやっぱ性格悪いわね」

「失敬な、器物損壊と誘拐をする犯罪者よりはマシです」

 

もはやどっちが犯罪者なのかわからない精神状態だが、もし何かあった場合は御愁傷様ということで片付けておこう。サラはそう心に決めて先にこれからしばかれるであろう犯罪者達に黙祷を捧げた。

 

 

 

 

 

「くそっ…」

 

散弾銃を両手に軽く毒吐くボニータ、その横でクライドが聞いた。

 

「もう逃げたんじゃないのか?」

 

すると同じく廃遊園地を進むオートマトンのコックピットから通信が入る。

 

『そうだぜ、ここは街からも近い。軍警に通報されてたら俺たちもやばいぜ』

 

このオートマトンは民間用の汎用型オートマトンに各種改造と軍用OSを書き加えた違法改造オートマトン。法整備が進んだことで軍用OSを積載したオートマトンは規制対象に入っており、この国では所有が禁止されていた。

 

「いや…」

 

しかしそんな不安とは裏腹に、ボニータは確信した様子で前を見つめる。

 

「奴らはまだここに居る…私の勘がそう言っているのよ」

「『…』」

 

ボニータのその言い分に二人は軽く沈黙した後にため息をついた。

 

「分かったよ。君の気が済むまで探そうじゃないか」

『はいはい…バックとブランチにも連絡を入れておくぞ』

 

オートマトンではジャマーが展開され、人里離れたこの場所から通報は不可能にされていた。

オートマトン乗りのウィリアム・ジョーン。彼は発煙弾発射機から発煙弾が発射されると、上空に放たれた赤い閃光弾がゆっくりと落下する。

 

『これで来るはずだ…』

 

するとその直後、

 

ッ!

 

ジョーンの操縦していたオートマトンに一発の銃弾が命中した。

 

「うおっ?!」

 

命中したソリッドスチール弾は右肩のロケットランチャーに命中すると、内部機構をズタズタに破壊した。

 

ッ!ッ!ッ!ッ!

 

何があったと思われる間も無く、暗闇から銃声が四発聞こえる。

 

「見つけた!」

 

発砲炎を確認したクライドは自動小銃をその方に向けて発砲すると、走る音が聞こえた。

 

「行くぞ!」

『あぁ!』

 

ロケットランチャーを破壊されたとはいえ、25mm自動小銃を装備しているオートマトンはまだまだ多くの武装を有していた。

 

「ったく、どこからオートマトンなんて仕入れたんだか…」

 

銃弾を装填し、右手で建物の影から一発。左手で二発を発射したサラは、銃身を前に倒して薬室から空薬莢を弾き出すと、新しい銃弾を一発ずつ装填していく。

 

「スフェーン…ちゃんと準備してよね」

 

そこで後ろから追いかけてくる影を確認すると、

 

ドゴーンッ!!

 

突如目の前の建物を突き破ってもう一台のオートマトンが出てくる。複座式のオートマトンだ。

 

「っ!?」

 

予想外の登場にサラは足に力を入れて速度を殺すと、

 

「ヤッベ…」

 

冷や汗をかいて目の前のオートマトンを見た。

 

『はははっ!見つけたぜ!』

『大当たりよ!』

 

乗っていたのはバック・バローとブランチ・バロー、二人は夫婦でバックはクライドの兄であった。

複座式のオートマトンを前にサラは予想外の事態で思考が一瞬止まった時、

 

バシューーーッ!!

 

遠いモノレールの駅舎からロケット弾が発射されると、それが複座式オートマトンの背部に命中、すぐさま拘束用ウレタンフォームが膨張して入ってはいけない関節部などに一気に侵食する。

 

『『?!』』

 

ウレタンフォームはすぐに硬化し、オートマトンは轟音を立てて動かなくなる。

 

「ナイスタイミング」

 

一台オートマトンを制圧し、サラは遊園地の遊具の制御室に入る。

 

「くそっ」

「どこから攻撃が…?!」

 

突然の攻撃に二人は身を屈め、オートマトンも周囲の熱源探知を行った。

 

『…っ!!』

 

そしてモノレールの駅舎に見つけた熱源を見た時、

 

ッーー!

 

そこから細いエーテル・カノンの光線がオートマトンの頭部を貫通すると爆発を引き起こした。

 

「なっ!」

「アイツら…!!」

 

オートマトン一台を止められ、一台は小破した彼らは、まるで痛ぶられているような状況を前に沸々と怒りが溜まり始めていた。

 

「探せ!」

「おいボニー…」

「殺してやる、あの女の皮を剥いでやる!!」

 

ボニータはそこで持っていた散弾銃の引き金を引いて攻撃のあったモノレールの駅舎に向かって走り出していく。

 

 

 

 

 

『敵、五名。まっすぐこちらに向かっています』

 

上空では偵察ドローンからルシエルが敵のマーキングを行う。

ジャミング装置が働いていても、スフェーンの放つドローンは、それ自体がスフェーンの首元から展開している光ファイバーと接続しているのでジャミングで妨害されても問題なく稼働していた。

 

「了解、こっちでも確認したよ」

 

視界に映る赤いマーキングの施され、こっちに近づいてくる彼らを見たスフェーンは、あえて目立つように指先からエーテル・カノンを発射して、わざと外した。

 

「ちっ」

「隠れろ!」

 

施設の物陰に隠れ、ボニータ達は持っていた銃の引き金を引いて応戦する。

 

『このぉおっ!!』

 

オートマトンも無反動砲を発射し、同時に25mm自動小銃を牽制目的で発射した。

 

ッ!ッ!ッ!ッ!

 

散弾や小銃弾が発射され、クライドがオートマトンで牽制している間に駅舎に向かって走り。駅舎を登る階段に入った時、

 

ッ!ッ!

 

階段の上からスフェーンが拳銃(MP-412)を発射し、クライドは柱に隠れる。

 

「ほらどうした?!」

 

スフェーンは正確な狙いで柱に隠れたクライドの方目掛けて引き金を引く。

 

ッ!ッ!

 

「街にあった人探しの掲示板、やったのはアンタらだな?」

 

そこでスフェーンが聞くと、クライドは答えた。

 

「…あぁ、そうさ!」

 

クライドはそこで持っていた自動小銃を片手で乱射する。

 

「殺したな?」

「初めは強盗をしてただけだったんだ…」

 

しかし彼はそこで、初めて殺人を行った時の事をふと思い出す。

 

「相手が暴れたからな。だからやったのさ」

「…人間のクズめ」

 

ッ!ッ!

 

そして二回引き金を引いた後、スフェーンは銃身を前に倒して空薬莢を排出した瞬間、

 

「っ!」

 

クライドはここぞと言わんばかりに飛び出すとその引き金を引いた。

 

「っ?!」

 

銃撃を受け、スフェーンは一瞬驚いた後に撤退を始める。

外ではボニータ達が接近して銃撃を行なっており、スフェーンは上に逃げていく。

 

「逃げ場はないぞ!」

 

駅舎に駆け上がったボニータは散弾を装填しながら叫ぶ。

駅には古びたモノレール車両が残されており、スフェーンの影は見えなかった。

 

「…」

 

警戒して銃口を駅舎内に向けると、その時

 

「っ!」

 

駅舎の屋根から影が下に落ちると、その下にいたオートマトンの上に着地すると、直後に散弾の引き金を引いた。

 

ッ!ッ!ッ!ッ!ッ!

 

レバーを倒し、装填、発射のサイクルを即座に行い、オートマトンに取り憑いて上から銃弾を喰らわせる。

消音器付きの散弾銃は大きな拍手程度まで音が抑えられ、発砲炎も完全に消されていた。

 

「くそっ!」

 

駅舎から乗り出し、ボニータが散弾銃を向けた時。彼女はオートマトンの機体から滑らかに地面に降り、遊園地の中心部に逃げた。

 

「馬鹿な?!」

「十メートルは離れているぞ」

 

散々散弾を放たれたオートマトンはプスプスと火花を散らしており、コックピットが下に開いてそこから軽く怪我をしたジョーンが降りてきた。

 

「ゴホッゴホッ。あぁ、クソ痛ぇ」

「大丈夫か?」

「あぁ…何とかな。まだやれる」

 

彼はそこで拳銃を手に取って立ち上がると、割れたヘルメットを外した。

 

「ヘルメットがあって助かったぜ…」

「こいつは?」

「もうダメだな。電気系統がいかれちまった」

 

そう言いジョーンは煙を上げるオートマトンを見上げた。

 

「しかし…」

 

そこでジョーンは動きを止められたオートマトンを見ながら言う。

 

「あの女、やばいぜ」

「「?」」

 

鹿の獣人のスフェーンの動きを感じたジョーンは降りてきた二人に言う。

 

「あんな動き…多分アイツは戦場の女だぜ」

「「…」」

 

それはつまり、警戒に越したことはないと言うことだ。

自分たちは特別な訓練も受けていない一般人。銃をもった軍人を相手取るには警戒する必要があった。

 

「さすがはカジノ王の子…と言ったところか」

「しかし、逃げるには代償がデカすぎるぞ…」

「囲い込んで追い込むしかないだろ」

 

そう言い三人は銃を持って再び闇に包まれた遊園地に消えていった。




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