TS若返り傭兵は旅をする   作:Aa_おにぎり

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スフェーンとサラの二人はその後、ホテルに宿泊をして部屋の中でスーパーで購入をした酒や惣菜を取り出して晩酌をあげる。

 

「「かんぱ〜い」」

 

宿泊したホテルは市内のビジネスホテルである。その一室で二人は部屋の中で片方は純米酒、もう片方は地ビールを開ける。先ほど寄り道をしたスーパーで購入したのを早速開けていた。

 

「やっぱビールだから飲みやすいわね」

「さっぱりして美味しい。この値段帯でこの味なら十分ね」

 

スフェーンは二種類あった地ビールを持ち込み、サラは純米酒の小瓶を飲む。

 

「オリーブ酵母を使った純米酒」

「ええ、香りの割に味は飲みやすいかも」

「どれどれ…」

 

スフェーンは胡座で部屋に備え付けのコップに注いでから軽くコップを回して香りを嗅ぐと、確かにアルコールの香りが強かった。しかしサラの調理スキルは信用ならないが、舌は信用できるので臆することなく傾ける。

 

「おっ、なるほどね」

 

そこで感じたのは圧倒的な飲みやすさ。まず舌を刺すような刺激的な辛味が無く、舌触りの良い感触の後に少しサラリとした一番搾り(バージン)オリーブオイルの様な舌触りを感じた。

 

「飲みやすいわね。ただちょっと匂いでやめる勿体無い人が出そうだけど」

「どうなんでしょうね」

 

部屋の中で買ってきたコロッケやらたピスタチオやらを広げており、とても一〇〇歳超えの老婆たちの晩酌とは思えないこってりしたメニューである。

 

「そっちのビールはどう?」

「ビールだから飲みやすいわね」

 

そう言って缶ビールを傾けてコップに注いでからサラに手渡す。彼女は部屋の備え付けに椅子に座っており、立ち振る舞いが優雅すぎて、飲み食いしているものがチェーン牛丼屋の牛丼も高見えしそうな勢いである。

そしてサラは注がれたビールの香りを確認した後に一気に傾けてから感想を呟く。

 

「なるほど、ビールだから癖もなくて飲みやすいわね」

「でしょう?まあ地ビールでまずいってほぼ聞かないけど…」

「逆にまずいビールって?」

「うーん…あまり好きじゃないのは個人的に大手が作った米入ったビール」

「あぁ…」

 

妙に納得できる話にサラは頷いてしまう。そしてその前で購入したコロッケを一口。

 

「元々米を使ったビールです!っていう商品は、多少変な風に感じても『まあコメが入ってるしなあ』で終わるんだけど、原材料表にちょびっと載ってるとちょっとなぁ〜、ってなるのよね」

「まあ元々ビールは大麦を発酵させて作るものだし…」

 

サラはそう言って苦笑気味にスフェーンが注いでくれた缶ビールのパッケージを見る。

そんなこんなで二人はホテルの部屋で酒を飲みながら片手でコロッケやピスタチオを齧る。

 

「良いわね、昔に戻ったみたい」

「そうね、昔ね…」

 

そして懐かしげにしたサラに、スフェーンはそんな昔のことを思い出す。

 

「なんだっけ、昔に家に拉致られた時を下思い出しちゃった」

「ああ、ココの時ね」

 

サラはそこで昔に産んだ八女の時を思い出す。

 

「ここで一つ、『呼び出されて空港に行ったらそのまま極超音速機に乗せられた人の気持ち』を一言で」

「わ〜、飛行機だ〜」

「ビンタ。往復」

 

スフェーンはサラの答えに厳しい採点をすると、缶ビールを傾ける。

 

「でも貴女のセンスも嫌いじゃないわよ?」

「半分他人の人生背負わされそうだったんのよ?勘弁してよ」

 

スフェーンはそう言って、サラに『名前が思い浮かばないから貴女が考えて得てちょうだい』と言って分娩室に向かった時の事を思い出す。

 

「いやま彼女は立派な建築デザイナーよ?」

「…名前の元ネタ的にファッションじゃないのが笑えるけどね」

 

そう言って彼女は空き缶になったビール缶をゴミ箱近くに並べる。

 

「まあ、そん時に連絡先交換と交わしたわけだけど」

「ああ、あの時なのね」

 

サラはそこでスフェーンから知らされた話に納得をする。

 

「メアリさん経由で紹介されてね。まあサラの手綱を弾ける数少ない人だったからかもしれないけど」

「なるほどね」

 

スフェーンの言い得て妙な表現に自分のことながらその説得力から思わず頷いてしまう。

 

「まあ、おかげで時折相談されるわね。貴女についてのこととかで」

「おかげでこっちは面倒なんですけど」

「今まで散々人を振り回してきた罰じゃないの?」

「ふざけるな」

 

スフェーンにサラは心底不満げな表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

翌日、晩酌も二時間ほどで終えたスフェーン達はそのままベッドに入って朝を迎える。

 

「おはよう」

「ん、おはよう」

 

朝、目覚めてパジャマ姿のサラが起きると、先にスフェーンが起きて荷支度を始めていた。

 

「早いのね」

「早起きは得意なの知っているでしょう」

 

運び屋として、時たま夜通しで運転席に座っていることもある彼女はタフな体を有していた。

 

「で、今日は海の日ね」

「そうよ」

 

二泊三日を予定している今回の小旅行。サラは引退して時間に余裕ができたことで子や孫達に囲まれた生活を送っていたが、それとはまるっきり違う旧友との時間に新鮮さと懐かしさを感じていた。

 

「一応、他にも連絡入れているから安全じゃないかしらね」

「そうね…護衛くらいは寄越してくるかもしれないわね。昔は連続殺人鬼に出会したこともあったくらいだし」

「ははっ、そう何度も同じ目に遭ったら流石に死ぬて」

 

スフェーンは苦笑気味にそう答えると、自分の荷物を簡単にまとめ終えてからサラのそばに立つ。

 

「髪はどうする?」

「お願いしようかしらね」

「はいよ」

 

スフェーンはそこで頷くと、サラの持ってきた鞄からアメニティセットを取り出して櫛を使って寝起きの彼女の髪を解き始める。

サラは椅子に座って大人しく髪を整えられていく。

 

「歳の割には綺麗な髪ね」

「お金かけてますもの。一級品よ?」

「まあマイシャンプーで洗ってた時点で察してたけどさ」

 

サラは流石の美意識というべきか、この年齢でも肌に輝きを持ち合わせていた。マダムと呼ばれるに相応しい気品と風格は彼女が『女傑』と言われた頃の輝きを失ってはいなかった。

 

「いかがです?」

「流石ね。私の従者になっていたらもっと稼げたでしょうに」

「勘弁勘弁。貴女みたいな人の下に着いたら胃に風穴開けられる」

「あら、私は病院送りの天才だとでも?」

「天災の間違いでしょう?」

 

スフェーンはサラにそう返しながら丁寧に髪を整えると、彼女は着ていたパジャマから着替えてズボンを履く。

今日は海をメインにした観光地に向かう予定であるので、バイクに跨っても問題が無いようにジーンズを履いていた。

 

「婆さんがジーンズか…」

「何か問題でも?」

「いや…なんとなくの問題…なのかな?」

 

一般人以上に快活的な雰囲気の彼女は、すごいのは昨日のマダムの雰囲気を保っていることだろうか。上には横シマのシャツと紺色ジャケットを羽織り、頭をヘルメットで痛めたく無いという理由で一切イヤリングなどはつけない。今回持ってきた鞄の中にアクセサリーはほとんど入っていない。

そしてサラが化粧をしている間にスフェーンは部屋に忘れ物がないかの確認をしていく。

 

「んじゃ、チェックアウトして行きますか」

「OK」

 

そして全ての準備を終えたところで荷物を持って二人はホテルを出る。

 

「今日はどこに連れて行ってくれるのかしらね〜」

「海をメインに選んでおきましたよ。マダム・アンデルセン」

 

スフェーンはウインク混じりてサラを見ると、彼女は顔を顰めたのでデコピンをお見舞いした。

そして大型バイクに荷物をくくりつけてから停めていた駐輪場を出ると、タンデムでスフェーンはサラを後ろに乗せていた。

 

「ちなみに昨日みたいに歩かされないわよね?」

「ないない」

 

前日に苦労しか経験から少し怪しんでサラは聞くと、スフェーンは首を横に振って否定をしたので安堵する。こういう時、彼女は嘘をつかないことを彼女は今までの経験で分かっていた。

 

「場所は?」

「結構近いわよ。午前中はそこで潰す予定」

 

彼女はそう言うと、バイクはだんだんと海辺に近づいていく。

 

「んん〜、良いわね」

 

港近くには多くの漁船やプレジャーボート、客船や貨物船が停泊しており、人工的な港と視界に見える海の島々が見える。

 

「こう言うところの潮の香りはいいのよね」

「なんで北の方とかに行くと途端に磯臭いに変わるんだろうね」

「さぁ?海が荒れて空気中に海水が霧吹いているからじゃない?」

 

軽くそんな適当な会話をしていると、サラも若返ったかのように舌がよく回っていると思った。

 

「さて、そろそろかな」

 

いくつか橋をこえて区画整理がなされた新開発された区画を曲がると、その先で真新しいアスファルトを超えてスフェーンは目的地が違いことをヘルメットのバイザーが知らせた。するとサラは見えた施設を見てそこが何なのかを察した。

 

「水族館?」

「YES」

 

そこれ見えたのは真新しく見えた水族館で、すでに観光客や家族連れが入っていった。

 

「え?この歳で水族館?」

「ご不満で?」

「いやぁ…場違いが過ぎやしませんかね?」

 

スフェーンのチョイスに苦笑するサラ。

 

「百を超えたババア二人で水族館ですか」

 

しかしスフェーンがチョイスをした上に、予定ではここで午前中を潰す予定らしいので、サラはそれに従って違和感を感じながらチケットを購入する。

 

「いいんじゃない?中は子供でいっぱいよ」

「私、孫を目に入れたら痛いって言うタイプよ?」

 

サラはスフェーンにそう返すと、彼女は二人分のシニアチケットを購入。

 

「まま、中入って色々と見ましょうや」

「…水族館って、子供のためのレジャー施設じゃあ?」

「大人でも結構楽しめるわよ?」

「それ貴女だけじゃないの?」

 

そう言いつつも、スフェーンの解説を聞きながらの魚の鑑賞というのもなかなか面白いものである。

館内には水槽がいくつも用意され、同時に

 

「ここはメイコーの水族館と違って規模が小さいから見やすいわね」

「あそこと比べちゃダメでしょ…」

 

入った後、スフェーンの言った一言にサラは突っ込む。最大級の規模の水族館と比べたらなんだって小さいとサラは言うと、スフェーンはそれもそうかと納得してから書かれた順序の通りに水槽を鑑賞しはじめる。




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