D×Dの終わりが見えてきたのでこっちでも終わりに向かって書けたらいいなと思ってます。久しぶりの更新なので可笑しなところがあると思います
「粗茶です」
「あっどうも」
「あぁ」
ソファーに座る俺と士兄へ姫島先輩からお茶を貰う
それをずずっと飲む
「うまいです」
「うまい」
「あらあら。ありがとうございます」
「朱乃、貴方もこっちに座ってちょうだい」
「はい、部長」
姫島先輩もリアス先輩の隣に腰を下ろすと全員の視線が俺と士兄に集まる
こんなに視線が集まる事がないから緊張してしまうというか、なんというか…
「単刀直入に言うわ。私たちは悪魔なの」
「……はっ?」
「………」
呆ける俺と落ち着いてお茶を飲む士兄
「信じられないって顔ね。まあ、仕方ないわ。でも、貴方も夕夜、黒い翼の男を見たでしょ?」
それを聞いた瞬間、俺はあの時に襲われたことを思い出し刺された場所を擦った
あれが夢ではなかった。あの痛みは現実のものだ
その後、リアス先輩の話によると先輩達は本物の悪魔らしい
夕麻ちゃんや男は堕天使、そのどちらも倒しに来る天使の含めて三すくみが存在する。その三すくみは、太古の昔から争っている
今回俺が狙われたのは、中にある神器を危険視して殺されたらしい
神器とは、特定の人間の身に宿る。規格外の力のという事だ
「イッセー、手を上にかざしてちょうだい」
「え?」
「いいから、早く」
リアス先輩に急かされ、俺は言われた通り左腕を上にあげる
「目を閉じて、貴方の中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」
「一番強い存在……」
俺は目を閉じて、想像する
これまで自分自身が経験してきた事を思い出す
いつまでも塞ぎこんでいた俺を慰めてくれた義姉達の姿を
家族となって支えてくれた士兄の姿を
親父とお袋を手にかけた怪人を倒してくれたヒーローの姿を
そうだ
俺は決めたじゃないか。今度が皆を助ける番だと
そしていつか…
仮面ライダーのようになるんだと
俺は心の中で思い浮かべると左腕と腰が輝きだす
光は次第にを形を成していき、左腕と腰を覆っていく。光が止んだ時、右腕には赤色の籠手が装着されていた
腰には銀のホルダーが付けられている
「これが…神器?」
「そうよ。それが貴方の神器よ。これは『
リアス先輩が俺の腰にあるホルダーを見る
すると士兄もホルダーを見て考え出している。そんなに珍しい物か?
「さて、次は貴方の事を話してちょうだい。ツカサ」
「……俺か」
今度は士兄の話になる
士兄は少し間を置いてからバックルと黒いUSBを取り出し、テーブルの上に置く
「これは?」
「ロストドライバーとガイアメモリだ。ガイアメモリは地球の記憶を収めた生体感応端末で、ロストドライバーはガイアメモリを使って変身する為のバックルだ」
「変身ってあの黒い姿の事」
「あぁ、それにこれは神器じゃない」
「神器でもなく堕天使をあそこまで…」
士兄が変身する仮面ライダーはこの世には存在しない能力だ
前にどこで手に入れたのかと聞いたが全て旅で手に入れたと言われるだけ
リアス先輩がしばらく考え込むと
「ねぇツカサ。貴方も「悪いが悪魔になる気はない」……あらどうして」
「まだ人間として生きていたいからな。もしも死にそうになったら感がる(それに俺の中の
「そう。なら仕方ないわね」
リアス先輩が席から立ち上がると俺と士兄以外の人達の背中から堕天使とは違う黒い翼が生える
すると俺の背中からも黒い翼が生えてくる
俺って本当に悪魔になったのか
「改めて紹介するわね。祐斗」
「木場祐斗。もう一誠君は知ってると思うけどよろしく」
「……一年の搭城小猫です。よろしくお願いします」
「三年生、姫島朱乃ですわ。オカルト部の副部長も兼任しております」
「同じく三年の塔城黒歌にゃ!」
部員全員の挨拶を終えると士兄が立ち上がる
「兵藤士だ。一誠の兄をやっているからよろしく頼む」
「兵藤一誠です。えぇっと……まぁこれからよろしくお願いします」
俺も挨拶を終え、今回の集まりは此処で終わった
オカルト部に入って数日が過ぎた
いつものように学校を過ごした俺に対して士兄は学園で用務員として働いていた
その理由としては、オカルト部の協力者として動けるように士兄が提案したからである。部長も承知して用務員の仕事が空いていたのでそこに就けるようにしたという。ちなみに部長と言うのはリアス先輩が呼ぶようにと言われたからだ
表向きの部活も終わり、家路についていた俺だが
「はぁ…俺ってこういうのに向いてないのかな」
悪魔となった俺は悪魔社会の仕組みや知識が無いので、勉強と下積みとして、チラシ配りを夜中にやっている
ずっと下積みなのかと思っていたある日、部長から本格的な活動をするように言われた。俺もそれを聞いて少しはやる気を出し、いざ魔法陣で依頼人の所まで移動をする
という所までは良かった
だが魔法陣はウンともスンとも言わない。原因としては俺の持つ魔力があまりにも低すぎて依頼者の元へ行けないとのことだ。それからはチャリで依頼人のところまで行く羽目になった
「けど二つともダメだったとは」
二度連続での契約破談
一人目は対価が命に関わる物でボツ。二人目は……朝までDVD鑑賞だったよ
これを聞いた部長も困惑していたし、他も同じような顔をしていた。木場に至っては励ましてくれたよ……その時は本当に泣きそうだったよ。今度どこかで奢ろうとも思ったよ
「はわぅ!」
「ん?」
仕事が上手くいかずに引きずっていると金髪のシスターが顔面から梁上に突っ伏していた
駆け足で近づいて声を掛ける
「おい、大丈夫か?」
「あぁ、すいません。ありがとうございます」
手を引いて起き上がらせる
すると風がヴェールを飛ばし、素顔が露わになる。束ねられた金髪の長髪にグリーン色の双眸があまりにも綺麗で引き込まれそうになった。でもあまり見つめると怪しまれるので止める
「見たところ外国のシスターか?」
「はい。アーシア・アルジェントと申します。アーシアと呼んでください」
「俺は兵藤一誠。周りからはイッセーって呼ばれてる」
自己紹介を終えるとアーシアが辺りをウロウロしだす
「どうした?」
「し、実はこの町の教会に今日から赴任することになりまして。けど道に迷ってしまって」
どうやら彼女は教会に行きたいらしいな
でも教会というとあそこしかないな
「教会なら知ってるぞ」
「ほ、本当ですか!」
アーシアが涙を浮かべながら微笑む
俺は知っている教会への道まで連れっていくが悪魔が教会に行っても良いのだろうか?
そんな事を考えて教会へ向かう途中でアーシアが突然公園の中へ入っていく
その先にひざを擦りむいて泣いている男の子がいた
アーシアは頭を優しく撫で、傷に手をかざし始める
すると掌から淡い光が発せられ傷ついた膝に包まれみるみる内に消えていく。それを見た俺は驚愕した
まさかあれは神器なのか?
傷を直したアーシアは俺の方に向かってくる
「アーシア、その力は…」
「治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ」
そう言って彼女が微笑む
それから教会へと辿り着いたが、体中の汗が止まらない。ずっとだ
悪魔である俺が天使とかの関係する場所はダメだ。部長に行くなと強く言われたからな
「本当にありがとうございました!ここまで連れてきてもらって」
「いいさ、気にするな。じゃ俺は急いでるから」
「えっ!けど何かお礼を」
「別にいいさ。またどこかで会えたら話でもしようぜ」
「はい!必ずまた会いましょう!」
アーシアと別れて俺は教会を後にする
でも教会から離れても嫌な気配がずっと感じたままだ。それは光を受けたような物ではなく、別の物だった
だがしばらくしてそれも消えていた
一誠とアーシアが別れている所を遠くで見ている者が居た
それは黒い翼を生やし、建物の屋根を立っていた。明らかに堕天使だ
「まだ生きていたとは。悪運の強い」
そう呟きながら堕天使は一誠を見る
その目には殺気と狂気じみた物が宿っていた
「悪魔になってからも尚鬱陶しい……今度こそ殺してやる」
堕天使の手から光の槍を出す
その反対の手には厚いUSBのような物が握られていた
「二度と教会に近づいては駄目よ!」
その日の夜
一誠がリアスにこっ酷く叱られていた
その近くには士が座ってみていた
「教会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで神側と悪魔側の間で問題になるわ。今回はシスターが貴方の厚意を素直に受け取ったから良かったけれども、天使たちはいつも監視して、光の槍がとんでくるかわからなかったのよ?」
一誠が教会に行ったという軽率な行動を叱っていた
「でも俺が悪魔だってバレてませんし、大丈夫だと」
「それでも駄目よ!」
一誠の言葉にリアスはさらに怒る
「教会の関係者にも関わってはダメなのよ。特に
「リアス。もうそれぐらいにしといたら良いんじゃないか?」
凄まじいまでの眼力と強めの言い方で言うリアスに士が指摘する
一誠の反応に困っている姿を見るとハッと気づいたように首を横に振った
「…ごめんなさい、熱くなりすぎたわね。とにかく今後は気をつけてちょうだい」
「…はい」
「あらあら、お説教はすみましたか?」
説教が終わるのといつのまにか一誠の背後に朱乃が立っていた
「朱乃、どうかしたの?」
リアスの問いに朱乃は少しだけ顔を曇らせた
「討伐の依頼が大公から届きました」
一誠がリアスに起こられていると朱乃が討伐依頼の知らせが来た
恐らくはぐれ悪魔バイサーなのだろう。いつでも変身できるように腰には装着されているロストドライバーがある
深夜の時間帯、草木が生い茂る廃墟へ辿り着く
「イッセー。いい機会だから悪魔としての戦いと特性を教えるわ」
リアスは悪魔の現場と歴史を語る
「前に悪魔、堕天使、神の三つ巴の大きな戦争をしたの。どの勢力も長きに渡る戦いが続いたわ……その結果、どの勢力も疲弊し、勝利する者もいないまま、戦争は終結したの。だけど悪魔側も大きな打撃を受けてしまって、数多くの軍団を率いていた爵位を持った大悪魔の方々も部下の大半を長い戦争で失ってしまった」
リアスの語りに朱乃が説明を続ける
「純粋な悪魔はその時に多く亡くなったと聞きます。しかし、戦争は終わっても堕天使、神との睨み合いは現在でも続いています。いくら、堕天使側も神側も部下の大半を失ったとはいえ、少しでも隙を見せれば危うくなります」
「そこで悪魔は少数精鋭の制度を取る事にしたの。それが『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』」
「イーヴィル・ピース?」
聞きなれない言葉に質問する一誠
それをリアスが答える
「爵位を持った悪魔は人間界のボードゲームの『チェス』の特性を下僕悪魔に取り入れたの。下僕となる悪魔の多くが人間からの転生者だからって皮肉も込めてね。主となる悪魔が『王(キング)』…つまり、私達の間で言うなら私の事ね。そして、そこから『
「好評?」
「チェスのように実際のゲームを下僕を使って上級悪魔同士の戦いが行われるようになったのよ。私たちは『レーティングゲーム』と呼ばれて、このゲームが悪魔の間では大流行したのよ」
「こっちで言うとスポーツのような感じですか?」
「大体はそんな感じね。それでイッセー、貴方の役割は」
そこまで言った時、リアスの言葉が止まる
「……血の臭い」
すると白音がぼそりと呟く
それを聞いた俺は、内ポケットからジョーカーメモリを取り出す
廃墟の奥から何かが近づいてくる。徐々に異臭が強くなり奥に居た者の姿が現れる
「不味そうな臭いがするぞ?でも美味そうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」
女性の上半身と巨大な獣の下半身を持った体、両手には槍らしき物が一本ずつ持っている
ケタケタケタケタっという器用な笑い声を響かせる。正しくはぐれ悪魔バイサーだ
「はぐれ悪魔バイサー。あなたを消滅しに来たわ……主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」
「こざかしいぃぃぃぃ!小娘ごときがぁぁぁ!その紅の髪のように、お前の身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁ!」
吠えるバイザー
普通の人間なら腰を抜かすがリアス達は変わらず、一誠に関しては俺達が鍛えたお陰で微動だにしていないが冷や汗をかいている
「よく居る悪役の捨て台詞だな」
「そうね。洒落のある台詞だわ。祐斗!」
「はいっ!」
近くに居た木場がリアスの名を受け飛び出した
「イッセー、さっきの続きをレクチャーするわ……祐斗の役割は『
木場の手には西洋剣が握られており、バイサーの両腕を斬り飛ばす。バイサーが痛みで悲鳴を上げている隙に白音が足元へと近づく。それに気づいたバイサーは、巨大な獣の足を振り上げて、踏み潰そうとする
「小虫めぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ズドンという音と共に足が白音を踏み潰す
だが足は少しだけ地を離れ、白音は少しずつ持ち上げていく
「小猫の役割は『
「…吹っ飛べ」
白音は高くジャンプし、バイサーの腹に拳を打ち込み、壁に吹き飛ばす
崩れた壁で瓦礫の山に埋もれるが、バイザーすぐに起き上がる
「最後に朱乃、お願いするわ。」
「はい、部長。あらあら、どうしようかしら」
「朱乃は『女王(クイーン)』。私の次に強い最強の者。兵士、騎士、僧侶、戦車、全ての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」
「ぐぅぅぅぅ……」
「あらあら、まだ元気みたいですね?それなら、これはどうでしょうか?」
朱乃が天に向かって手に翳す
その瞬間、雷が落ちる。激しく感電するバイサーに対し、朱乃はただ不敵に笑う
「あらあら。まだ元気そうね?」
カッ!
「ギャッァァァァッァッァァァ!!」
さっきよりも雷の威力が上がりバイサーに落ち、その際朱の表情があれになる
あのSに満ちた表情が…
「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷・氷・炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。そして、何よりも彼女は究極のSよ」
「Sッ!?」
「大丈夫よ。朱乃は味方にはとても優しい人だから、問題ないわ」
リアスがそういっているが一誠は若干怯えていた
最初の時も俺もそんな感じだったよ。お前だけじゃないぞ一誠
「最後にツカサ。貴方の力を見せて頂戴」
「あぁ」
バイザーに近づきながらジョーカーメモリのスイッチを押す
《Joker》
「変身」
ベルトのスロットに装填し倒す
《Joker》
漆黒のボディに身を包み、仮面ライダージョーカーへと変身する
左手で決めながらバイサーに向かって走り出す
「はぁ!」
はぐれ悪魔を殴り、怯んだところを追い打ちをする士兄
拳による連撃の後に横蹴りを放ち吹っ飛ばす
「すげぇ」
いつみても士兄の戦いには凄さを感じる
偶に組手や稽古で戦ってくれるが本気でやった事は一度もない。側で見ていた皆は驚いている
「すごいわね。彼は…下僕に出来ないのが本当に惜しいわ」
部長が士兄の戦いを見て呟いていた
すると少し離れた場所に会った木場に切り落とされた筈のはぐれ悪魔の腕が動き出した
その腕は部長目掛けて襲い掛かる
「部長ッ!」
「えっ?」
俺は部長の元に走り出し叫ぶがそれでもまだ腕の存在に気づいていない
他の皆も遅れながらも気づくが間に合わない。腕は部長の頭を掴もうと迫る
「(…またなのか)」
俺は今目の前にいる命を救ってくれた部長と未だに眠り続けた両親と姿がダブったかのように見える
心の中で悔いだけが強くなっていく
俺はまたあの時のように何もできないで見てるだけなのか……嫌だ。そんなのは嫌だ!
俺の中の想いがどんどん強くなるにつれて左腕が熱くなっていく
足を踏み込む力を人一倍強くし、走り出す
一歩でも早く
一秒でも早く
一瞬でも早く
もっと早く…
もっと早く……
もっと早く………
この状況を突破できる速さを!!
その瞬間、その想いに答えたのか俺の神器が左腕に装着される
中央の宝玉から何かが飛び出す。それは赤いスポーツカーの様なミニカーが俺の周りを飛び回り、腰にある銀のホルダーにセットされる
『SPEED!』
宝玉から発する音声と共に走る速さが上がる
どうやっても間に合わない距離が一瞬で詰め、部長の前に立つ。握りつぶそうとする腕を殴りつけ地面に叩き落とす。その衝撃で腕はそのまま消滅した
「大丈夫ですか部長!」
「え、えぇありがとう」
突然の事に呆然とする部長
俺が無事を確認した後、銀のホルダーにセットされていたミニカーがまた宝玉の中に入って行った
「……なんだったんだ」
ミニカーが入った宝玉を見つめながら呟く
《Joker Maximum Drive!》
するとどこからか電子音が鳴る
鳴った方を見ると士兄がベルトのスロットに装填していたメモリを右腰のスロットに装填していた。右手から紫のエネルギーを溜められる
「ライダーパンチ」
「こんの……舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
士兄に飛びかかり食おうとするはぐれ悪魔
それを合わせるように拳を引いて構える
「はぁ!」
カウンターの如く飛びかかるはぐれ悪魔の腹に渾身の一撃が打たれる
「ぐぅ!……ぐぎぃぃぃいいいいい!!?」
殴り飛ばされたはぐれ悪魔は悲鳴をあげながら空中で爆破する。爆炎が収まった時には、もうはぐれ悪魔の姿は無かった
「終わったぞ」
士兄はそう言って戻ってくる
これで戦いが終わったが自分の中で謎が一つ生まれた。それはさっきのミニカー
あのミニカーがホルダーにセットされ宝玉から音声が鳴った瞬間に速くなったのは俺の神器の力なのか。それを部長に報告したら、俺の『
「そういえば部長、俺の役割ってなんですか?」
「『
部長はニッコリと微笑む
兵士って確か一番下っ端だった筈だが……なんかちょっと落ち込むなぁ
そう思っていた時だった
「ッ!?避けろ!」
「えっ?」
士兄が塔城の方に走り出す
すると暗闇から炎の様な物が飛んできた
「ぐぅ!?」
塔城の前に出て腕をクロスしてガードした士兄
だが炎の勢いが強く体が押されて壁に激突し、瓦礫に埋もれる
「士兄!」
「一体何っ!?」
突然の出来事に全員が臨戦態勢を取る
すると部屋の奥から高い声が聞こえてくる
『はぁ…あぁ…』
部屋の奥から近づいてくる足音。次第にその足音の主が姿を現す
出てきたのは人間ではなかった。炎が燃えているような、それでいて火山から噴き出した溶岩のような人型の姿だった。それは俺が子供の頃に襲われた奴らと同じ……怪人だ
「貴方一体何者なの!?」
『グレモリー家の娘か。それに殺された人間が悪魔になったか』
怪人は俺達を見てあざ笑うかのように話す
それに一番気になったのは俺を見て言った言葉だった
「殺されて悪魔になった?……お前まさか!」
『何か気付いたと思ったけど……もう一度殺すまで』
怪人が構えながら迫ってくる
木場は剣を出し、塔城はファイティングポーズをとる。部長と姫島さんはいつでも撃ち出せる準備をする
俺も『
『悪魔風情が私に勝てるとでも思って《Joker Maximum Drive!》…っ!?』
突然鳴り響く電子音
瓦礫の山が吹っ飛び、今まで埋まっていた士兄が跳んでくる
そのまま蹴りの態勢になる
「ライダーキック!」
足から出る紫の迸るエネルギーを纏った蹴りが怪人に迫る
すると怪人の体がさっきより燃え上がり、その熱が右腕に集中し、拳を振り被る
士兄の蹴りと怪人の拳が直撃する
「ぐぅ!」
『ふん!』
衝突した二つの技が反発し、距離を取る
士兄は着地し膝を付き、怪人は未だに高熱を発する
『くっ…今は引かせてもらう』
そう言って怪人は地面に拳を叩き込み、炎を噴き上げ覆い隠す
炎が止んだ頃には怪人の姿は無く、焼けて溶けた地面だけだった
「逃がすか!」
「待て一誠!」
俺がさっきの奴を追うとしたが士兄に止められた
どうしてか聞こうとした時、部屋の壁や天井に怪人が噴き出した炎によって溶けて崩れるところを見て理解した
「もう少しでこの廃墟が崩壊する!全員脱出だ!」
士兄の言葉に全員頷き、廃墟からの脱出をする
さっきの怪人が開けた穴から外に飛び出す。全員が脱出した途端、廃墟は崩れ落ちた
「全員無事か?」
「えぇ。皆も大丈夫?」
「俺も大丈夫です」
「僕もなんとか」
「問題ありませんわ」
「…平気です」
脱出に成功した士達は崩壊した廃墟から離れた場所に安否を確認していた
「一体さっきのは何なの?」
「あれはドーパントだ」
士はロストドライバーを戻しジョーカーメモリを抜き取り、変身を解く
「ドーパントって?」
「あぁ、俺の使っているガイアメモリとは違うが人体に差し込む事で変身できる怪人だ」
士はドーパントに関する事を話した
話の途中でリアスたちが驚愕する。聞き終わるとリアスは顎に手を当てる
「まさかそんな物が出回ってるなんてね」
「あぁ、それにあいつの言い方だと一誠を殺した奴……堕天使の可能性が高い」
「一番あり得るのは貴方に近づいた彼女ね」
その後
今後の対策を考えるという事で解散となった
その夜道の事
士がバイクを取りに行こうとした時
「……あの」
「ん?」
小猫が士を呼び止めた
「……助けてくれてありがとうございます」
小猫はドーパントの攻撃から庇った士にお礼を言いに来た
士は帽子を深くかぶり微笑む
「別に良いさ。俺がしたかったことだし」
「……でも」
「それに」
士は一度言葉を区切り夜空を見ながら
「守りたいから守る。ただそれだけだ」
「ッ!?」
士の言葉に小猫は目を見開く
そんな事も気にせず士はバイクを取りに行った
「……もしかして」
一人残された小猫がそう呟いた