アクセサリーショップ、はじめました。 作:金細工師
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なんか、武・ルメ・和という天啓を得た。去年と同じ?いや今年は中京でそれやらかしたから……あるよきっと。
業務日誌 ◇×月 ×○日
昨日は久しぶりに深酒をしたので二日酔いで頭が痛い。
うっかりヘファイストスと椿にアスカロン*1の事をポロリしたらやたら食いつかれて、絶対に話すまで帰さんって高そうな酒をガバガバ飲まされた。
あまりにしつこかったから話したけど、「標的を想定して剣を鍛える……そういうのもありだなっ!!」とか言い出したし、普通に担い手に合わせて剣を鍛えてくれ。
ヘファイストスは合体剣*2の話に眼を輝かせてたし。
鍛えないよな?ヘファイストスならあのどういう構造なのかイマイチわからん剣も作れそうで怖いんだけど。
最終的にテンションが上がりっぱなしだった鍛冶馬鹿の2人を放置して帰ったけど、家に着いたら明け方近かった。
流石に起きれなくて店は午後から開けたが、何故か今日に限って知り合いが訳のわからん相談を俺に持ち掛けて来るし。
うちは装飾品+魔道具の店やぞ?何時からお悩み相談室になったんだよ。
さて、うちに訳のわからない相談を持って来たのがアストレア・ファミリアのお留守番。ポンコツ金髪エルフのリュー・リオン。
自分の手を見て顔を赤く染めたり、かと思えば急にぶんぶん頭を振ったりを繰り返す不審者ムーブで店に入って来た。ガネーシャ・ファミリアさんこいつです。
んで、聞いてもないのに支離滅裂な話を早口でされて……なんとか理解したが、こいつマジかぁ。
結論から書くと、同族のエルフからも「いや、リューの恋愛観は同じエルフからしてもないわぁ」って呆れられるくらいの貞操観念というか恋愛観を持つリュー・リオンが初対面の男の子に(恋愛的な意味で)落とされていた。
どう見ても都市に来たばかりで道に迷った雰囲気の少年がいて、正義の眷属としてその少年に話しかけたら「すごい綺麗な人でびっくりしました」と言われ、道案内をしたら感激されて手を握られお礼を言われたと。
その男の子マジですげぇわ。エルフは種族的に他者に触られる事を嫌がる傾向にあるが、それが極まってて直接肌に触れられると反射的に触った相手をぶん投げてしまうアンチ恋愛体質のリューの手を握れたとか、アストレア・ファミリアの連中が都市にいないのが残念だ。
間違いなく「リオンに春が来たわぁぁぁ!!!!」ってお祭り騒ぎになっただろうに。
俺に話すうちにその時の状況をまた思い出したのか、あうあう言い出したリューに「そういう話は俺じゃなくてアーディにでも相談しろ」とぶん投げた。
アーディは数が極めて少ないリューに触っても大丈夫な人だし、リューの親友だから真剣に相談に乗ってくれるよ……多分。
「わ、私がそのヒューマンの少年に惚れているはずないだろう!?」とか騒いでいたが、いや鏡でも見ろよ?その表情と言動で惚れてないは無理があるからな??
男女交際はまずは手紙のやり取りをしてからうんぬんかんぬん?本当に何時の時代のエルフだ。名前も聞いてなきゃ住処も知らん相手とどうやって手紙のやり取りをするつも……なんで、もう付き合う前提で話をしてんだ??
指摘したらキャパオーバーだったのか顔を真っ赤にしてぶっ倒れやがった。
いまの場面、漫画かアニメだったら間違いなく頭から蒸気が出てたな。
しっかし、本当に面倒くさいなこのポンコツ。
その後は、とりあえずアーディを呼んで事情を説明してリューを引き取って貰った。
アーディに「リューが面白過ぎるからアストレア・ファミリアの連中に手紙出そうと思うけど、アーディもどう?」と誘ったらいい笑顔で頷いてくれた。やっぱりお祝い事は皆で共有するべきだよね。
『本日の売り上げ』
【一般人用】
・指輪2点 ・ピアス2点
【冒険者用】
・ブレスレット2点
※購入者はガネーシャ・ファミリアのアーディ・ヴァルマ。リューの引き取りを頼んだらついでに買い物がしたいとのことだった。2点買ったのは自分のと姉の分らしい、相変わらず仲の良い姉妹だ。
業務日誌 ◇×月 ○◇日
接客してたらやたらテンションが高いヘスティアが店に突撃してきた。
とりあえず、接客の邪魔だったので頭に一撃入れて落ち着かせた。客が「……えぇ」みたいな顔してたが、駄女神相手に容赦をしてはいけないんだ。
無事?に接客を終え、客が帰った後に少しだけ落ち着いたヘスティアから話を聞いたが、念願の眷属が出来たらしい。
詐欺かなとも思ったが、どうやらマジらしい。そりゃヘスティアのテンション上がるわ。
眷属はベル・クラネルという名前の兎みたいな男の子らしい。
……兎みたいな男の子とはいったい。
ヘスティアの説明が下手くそなせいでいまいちわからなかったが、まぁ悪い子ではないっぽい。
そんで、報告に来ただけなのかと思ったら俺に冒険者のイロハを教えて欲しいらしい。
何で俺なんだよ、一応言っとくが我の本職は鍛冶師ぞ?剣ほとんど鍛えないし鍛治の発展アビリティもないけど所属的には冒険者というより鍛治師ぞ?
お願いできる奴が他にいない?確かにヘスティアと仲が良いアストレアはいまクエストで都市から出てるし……都市に残ってるポンコツエルフはポンコツだから新人教育には全く向いてないからなぁ。
いつもの「私はついやり過ぎてしまう」で手加減をミスってヘスティアの眷属を天に送りかねない。
まぁ、最低限の基礎を教える程度なら俺にも出来るだろうから別に構わないが、一応ヘファイストスに確認してくれと伝える。うちのファミリアは生産系で冒険者活動は積極的にやってないとはいえ、別のファミリアの眷属に指導とか教育していいのかわからんから。
昔からアイズと散々一緒にダンジョンに潜ったりしてるから、割と他ファミリアうんぬんってのが今更感はあるけど。
アイズに関してあの暗黒期にパーティー組めて一緒にダンジョンに潜れそうな歳の近い奴が他にいなかったから、ロキとヘファイストスの利害が一致してたので一緒に組んでたってのが何故か現在もずるずると続いてるだけなんだけどさ。
大人は(闇派閥の対応で)色々と忙しいから子供は子供で遊んでこいってヤツだ。遊びにしては相当悲惨だったけど。
あの頃のアイズは荒れてたからなぁ、俺の対応の仕方も悪かったけど。
意見が合わずに喧嘩して、保護者に怒られて、その場で反省はしてもまたすぐに喧嘩になって……最終的に殺し合い二歩手前くらいの大喧嘩に発展してディアンケヒト・ファミリアに担ぎ込まれたこともあった。
懐かしいなぁ。ディアンケヒト・ファミリアでまだ所属したばっかりのアミッドにどちゃくそ怒られたんだよな。
まぁ、昔の思い出は置いておこう。
俺の話を聞いたヘスティアは「ヘファイストスに確認して来る!」って元気に飛び出して行った。
そして速攻で戻って来た……ヘファイストスから許可も貰えたらしい。
ヘファイストス、相手にするのが面倒だったから俺にぶん投げてきてないか?
まぁ、別にいいけどさ。
ちなみに、ベル君は現在ギルドのアドバイザーからダンジョンやモンスターについての講義をみっちり受けているらしい。
ギルドで新人冒険者にそこまでの講義をやるってことは担当はエイナか、よくやるなぁ。
生き残れるかわからん新人冒険者に入れ込んでも自分が辛くなるだけだというのに。
とりあえず店もあるので、明日から店を開ける前の早朝に面倒を見ることになった。
で、ベル君の得物は?ナイフの予定?……予定ってなんだよ。
資金が足らんからギルド支給のナイフしか無理って、おま……仕方ない、倉庫に放置してる新人が使っても大丈夫そうなヤツを幾つか持ってくか。
あんまりいい武器を最初から持たせると本人の技術が育たなくて後々大変な事になるから持ってくヤツの塩梅を考えないとなぁ、出会った頃のアイズが割といい武器を貰ってたせいでしばらく技術のない脳筋になってたし。
アイズで思い出した。ベル君にはきちんと武器の整備が出来るようにも教えとかなきゃ。
当時のアイズはマジで武器の整備が下手くそだったというか、壊れたら新しいのを使えばいいみたいな考え方だったから最低限の整備すらしてなかったんだよな。
整備を仕込むとなると……俺のお古になるが、余ってる砥石とかの道具も適当に見繕って持ってくか。
さて、ヘスティアはいい子と言っているがベル君はどんな子だろうな。
『本日の売り上げ』
【一般人用】
・指輪3点 ・ネックレス2点 ・ピアス2点
※ヘスティアの所の新人さんに色々教えることになった。対価は「出世払いで頼むよ!」と言われたが、ヘスティアって出世するのか?神の出世ってなんだ……ヘスティアの所だと
まぁ、ベル君が金稼いだら何か買いに来てくれって言っておいた。先行投資ではないが、ベル君が生き残れてきちんと冒険者になれれば何時か客になってくれるだろう。
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