──7年前、とある自治区
「お待ち下さいハルカお嬢様!」
「お嬢様を捕まえろ!」「発表会はどうなさるのですか!?」「お嬢様ー!」
「誰が待ちますか!」
私、伊草ハルカは8歳になった誕生日に初めて住んでた屋敷を脱走した。
別に今まで逃げられなかったわけじゃない、お父様の面子の為に逃げないでいてやってたのだ。
「でももう毒入りクッキーも苦しいピアノの発表会もたくさんなんですよ!!!」
それでも逃げたのはもう嫌だったからだ……毎回の如く食わされるジュリの毒入りクッキーも、そして其れを食べて死屍累累な状態で弾かされる地獄の様なピアノの発表会ももうたくさんなのだ。
何より私には夢がある、其れを叶えるために私はこの屋敷から脱走するんだ。
「私はこの屋敷を出て自分の力だけで一流のアウトローになってやるんです!!!」
それから少し経った後、私はとある場所でお父様の追手をやり過ごしていた。
(フフフ、チョロいですね。此処までくれば誰にも見つかりっこありません!)
そう意気込んでいた私だったが、以外な奴が突如目の前に現れたのだ。
「見つけましたよ〜、ハルカ♪」
「ジュ、ジュリ!?なんでこんな所に!?」
「え?そんなのハルカを連れ戻す為に決まってるじゃないですか?」
「でもどうして此処だと分かったんですか!?此処は私しか知らない秘密の場所なのに!?」
なんと自分を見つけたのは妹のジュリだったのだ、いやどうしてジュリが私しか知らない秘密の場所を知ってるんですか!?
「その煙を辿ったんですよ」
「煙?」
「な、な、なんなんですかこれはーーー!!!?」
ジュリが指を指した私の腹を見てみるとなんと私の腹から煙がモクモクと出ていた、逃げるのに集中していて今まで気づかなかったがこれでは居場所が丸わかりだ。
「其れがさっきハルカが食べたクッキーの効果です、私の料理って作り方によって様々な効果を持つらして『ポイズン・クッキング』って名付けることにしました」
「ぽ、ポイズン・クッキング!?」
──それからも私は捕まるたびにまた脱走を繰り返し続けたが脱走するたび……
「居たぞー!彼処だ!」
「と、取っ手がなくなってる!?」
「ポイズン・クッキング溶解さくらもちですよ」
「ゲェ!ジュリ!」
何度も、
プピーーー、プピーーー
「お嬢様はこの音の先にいるぞ!」
プピーーー、プピーーー
「ホワアァァァ!!!は、腹から変な音と腹痛がぁぁぁぁぁああ!?」
「ポイズン・クッキングプピーカツレツです」
「ゲェ!ジュリ!」
何度も、
「うわぁぁぁあ!なんだこの巨大な怪物ーーー!!!」「おい!お嬢様を捕まえるより先にお嬢様の救助を優先するんだ!」
「ジュリィィィィィイイ!!何なんですかこの化け物は!!!」
「う〜ん、ポイズン・クッキングを作ろうとしたんだけど何故かこの謎生物ができちゃったんです、とりあえずパンちゃんって名付けてみました」
「なあ!?と、とりあえず早くこの化け物止め……っヒェ!……しょ、触手みたいなのが服の中に──!!!」
何度もジュリに邪魔された。
そんなジュリの妨害がある脱走劇を2ヶ月も繰り返した後、私はジュリのポイズン・クッキングをなんとか掻い潜り屋敷を脱走することに成功したのだった………
「──アハハ、けれど今にして思えばポイズン・クッキングを始めとしたジュリの料理のバリエーションを増やしちゃったのは、あの頃の私なのかも知れませんね、アハハハハハハ!……………グス」
(い、色々大変だったのね……)
“不憫だね〜“
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