ブルーアーカイブ 7³来る!   作:疾風刃雷

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色々あって遅くなりましたが、生きています。(まさか半年以上も掛かるとは………)
第14話の投稿です。


殴り込み来る!

私の名前は陸八魔アル、突如現れた謎の赤ん坊にキヴォトスのアウトローのボス後継者になれとか言われた哀れな生徒よ!

 

 

 

 

今は……

 

「ん? アル、今から外出だったか?」

「え、マコト先輩? なんで家に!?」

 

外に出かけようとした所でマコト先輩とばったり鉢あっていた。

 

「キキキ、実は先生に頼まれた事があってな。その返事と一緒にお前も元気か顔を少し視ておこうと思ってな!」

「そ、そうだったんですね」

 

そうしてマコト先輩が私に家にまで来た理由を話し終えると、マコト先輩は横の塀に座っていた用事のある先生に話しかけた。

 

「来たぞ、先生」

“ちゃオッス。マコト、君が来たってことは……“

 

「ああ、()()()()への手続き、してきてやったぞ」

“うん、すまないねマコト。私だとどうしても許可を取ろうとするだけであっちの方からゴネられたからね“

「キキ、仕方ないだろう……私の時なんぞ最終的にほぼ殺し合いになってたからな」

“殺し合い? ハハッ、あんなの唯のじゃれ合いだよ“

「………いやいや殺し合いだろ、()()は」

 

な、なんの話!? 殺し合いって聞こえたんだけど!

2人の会話から決して自分が無関係ではない事を悟った私は不安になり直ぐ様その場から離脱しようと試みようとした時、横から聞き覚えのある声が二つ聞こえてきた。

 

「アル様、おはようございます!」

「アル、おはよ」

「は、ハルカにカヨコ先輩!」

 

やって来ていたのは出かける際に駅で待ち合わせの約束をしていたハルカとカヨコ先輩の2人だった。

 

「どうせならアル様を迎えに行こうかと……って貴方は……………」

 

そんな中、ハルカがマコト先輩の存在に気付いた。

 

「まさか、『跳ね馬』の羽沼マコト!?」

「あぁ、直接顔を合わせるのは初めてだったな、伊草ハルカ」

「………貴方の様なゲヘナの大物が一体アル様に何の用ですか? もしアル様に喧嘩でも売りに来たのなら……」

「キキキ、それは絶対にないから安心しろ、それにしてもどの組織や派閥にも牙を剥いていた一匹狼のお前が本当にアルの部下をしているとは………キシシ、良かったな。お前自身の居場所を見つけられて」

「────ふん、余計なお世話です」

 

やっぱり同じアウトローだからか、ハルカはアウトローとしてのマコト先輩の素性を知っている様でマコト先輩を警戒する様に睨みつけていた。

 

「ちょ、ちょっとハルカ! 止めな「こーら、止めなよハルカ、何もしてない人に毎回食って掛かるのは良くないよ」

「ウゲッ!……く、首が締まるっ…………は、離しなさい軽音女っ!」

「か、カヨコ先輩!?」

 

そんな一蹴触発の雰囲気を出すハルカを止めようとカヨコ先輩がハルカの服の後ろの襟を猫の首根っこを掴む様にして引っ張られ首が締まってしまい、ハルカは苦しそうにうめき声をあげてマコト先輩を睨みつけるのを止めた。

 

「ん、お前カヨコか?」

「あれ、マコト? 何でアルの家に居るの?」

「少し野暮用でな。 キキ、それにしても、こうやって話すのは久しいなカヨコ!」

「いや久しいって……1週間前に教室で話したばっかだよね? それに同じクラスメイトじゃんか……」

 

「え、カヨコ先輩とマコト先輩って同じクラスだったんですか?」

「「うん」」

 

2人のその言葉に私は少し驚いた。

何故ならゲヘナの生徒は本校舎の一学年だけでも(不登校の生徒を含めるが)とんでも無く数が多い、其れ故に年に起こるクラス替えでクラス全員知らない人になるなど珍しくないのだが、まさか3年間同じクラスとは……

 

「っと言っても唯クラスが同じってだけだし、とりわけ特別仲が良いって訳でも無いんだけどね。 マコトは余り授業には出てきてないけど、毎回テストの成績は良いんだよね」

「キキキ、議長としての仕事が忙しくてな、それに授業に関しては3学期までの範囲は既に学習し終えている私の場合、出れなくてもテストで余り不利にはならんからな」

「そ、そうだったんだ……」

 

そんな2人の意外な交友関係を聞いていた私に、咳き込みながらも息を整えたハルカに手を引かれた。

 

「ケホッ……アル様……そろそろ」

「あっ!? そう言えばそうね…………マコト先輩、私達はこれで……」

「ん?……あぁ、何処か出かけに行くのだったな」

「そ、マコトもまた学校でね」

「キシシ、あぁまたな!」

 

 

 

 

“─────で、どうだった? 実際に2人を見て“

「─────先生が選んだのだから2人共実力は確かだろうなぁ………だがそれだけではアルの部下に相応しいかは認められん」

“じゃあ確かめてみるかい?“

「何?」

 

 

 

 

 

 

 

「───へぇ、やっぱりマコト先輩って凄いのね〜」

「えぇ、なんせ資金難や勢力縮小等で解散寸前だった自身の組織をボスに就任してからたった1年で元の規模以上に拡大させて、今ではゲヘナ自治区でも有数の組織にまで成長させた若手アウトローの中でもきっての麒麟児ですからね。私もあの女の才覚だけは認めてます」

 

マコト先輩と別れて、カヨコ先輩とハルカと一緒に駅へ向かう道中暇していた私はハルカからマコト先輩の話を聞いていた……

 

「まぁ、どっちにしても私は羽沼マコトあの女は気に入りませんが……」

「え?そうなの?」

 

「だって私にとって基本年上は全員敵ですから………あっ、 も、勿論アル様は別ですからね!」

「そ、そう」

 

いや敵の範囲広すぎるでしょ!

ハルカの目上の人に対する考えを少し垣間見て私は内心若干引いた。

 

「───そういえばアル」

「え? どうかしましたかカヨコ先輩?」

 

そんな中、先ほどからずっと黙っていたカヨコ先輩に声を掛けられた、一体何の話を………

 

「さっきからマコトがアウトローとか組織とか言ってるけどさ……まさか………」

「……うぇ!? え、えっと…その」

 

 

や、ヤバいっ!……勢いでごっこ遊びだと思ってるカヨコ先輩の前でまるで本当に居るかの様にアウトローの話をしてしまってた!……直ぐにでも誤魔化さないとと思い話題を逸らそうと喋ろうとすると、カヨコ先輩が先に会話の続きを口にした。

 

 

「───まさかマコトまでアウトローごっこに参加してるなんて驚いたよ……もしかして私が知らないだけでゲヘナで流行ってる?」

 

ま、まだアウトローごっこだと思ってるのーーーっ!?

カヨコ先輩から出た答えはまさかのアウトローごっこだった、いやあれだけ内容聞いてごっこ遊びの設定だと思えるって……天然過ぎでしょ……

 

そんな風に私達が談笑しながら歩いていると、

 

「え、ちょ…嫌ああああぁぁぁぁぁ!!!」

「ア、アル様ーーー!!!?」

 

私は誘拐された。

 

 

 

 

 

 

「アル様ァァァァァァァァァァァァ!!!」

「ちょっ!? 落ち着ちなよハルカッ、いくら何でも走っては追い付けないって!」

 

“いや〜急展開だね〜“

「せ、先生さん!? 大変ですアル様がっ!!!」

「アルこ所のちびっ子、いつからいたの!?」

 

“私のことは今どうだっていいでしょ? あの車の奴らは恐らく何処かの組織の連中、それで身代金か人身売買目的でアルを攫ってったようだね“

「そ、そんなっ!」

「っ! ヤバいじゃんそれ!」

 

“まあ君たち2人だけで行っても無駄死にしそうだし、アルの事は警察に任せなよ“

「警察? そんな奴らにアル様を任せておけませんよ!!! アル様ぁぁぁぁぁぁぁ!!! 今助けに行きますからねーーーーーっ!!!」

「捕まったアルがどんな事されるか分からないしね、とりあえず追うための足を確保しないと……其れは其れとしてヴァルキューレへの通報、ちびっ子に頼んでいい? 私達はアルを助けに行くからさ」

“分かったよー……あ、そうそう。因みにアルを連れ去った組織なんだけどあの誘拐の手口と手際の良さからして恐らく────“

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──うぅ、痛たた……いきなり何すんのよ!……ってえぇ!?マコト先輩!?」

「キキキ、さっきぶりだなアル!」

 

「それじゃあボス、我々はこれで」

「あぁ、ご苦労だったな」

 

 

“──それで? 2人はどうだいマコト?“

「………彼奴等の頭にはアルを助けることしかない、とても冷静な行動をしているとは言えんが……信頼できる、何よりそんな所が気に入った! キシシッ!」

「せ、先生まで………一体全体どう言うことなの!?」

 

「キキキ、スマンなアル。お前の部下たちを試させてもらったんだ!」

「た、試す?」

 

 

「じゃあハルカとカヨコ先輩はどうなっちゃうんですか!?」

「キキ、あの2人なら何も心配いらん。先生が彼奴等に言った組織はそもそも存在しない架空の組織だ、流石に会話までは此処からだと聞こえなかったが2人共諦めて直に帰ってくるさ」

「よ、良かった〜!」

 

「キシシッ!それにしてもいい部下を持ったなアル、この幸せ者め〜!」

「は、はい!………って2人は部下じゃなくて友達です!」

「キキキ! そうかそうか!」

 

友達である2人が私の部下扱いなのはちょっと複雑だったが、

 

そうして私は安心した。

 

“あ。言い忘れてたんだけど、実はハルカ達に言った組織、本当は実在するんだよね〜“

「「……はい?」」

 

────ただしこの赤ん坊から衝撃的なその発言を聞くまでは……

 

「そ、それじゃあ。2人は本当に存在する敵のアジトに殴り込みに行ったってこと!?」

“うん“

「せ、先生貴様ァ! なんてバカなこと考えてるんだ! シャレにならんぞ!!」

 

で、でもアウトローじゃない普通の不良グループ程度ならあの2人は大丈夫の筈………よね……

 

 

「ったく……で? 何処のグループなんだ?」

 

2人の強さを身を持って知ってる私はそう内心安心していると同じく安堵したと思われるマコト先輩も先生に2人が向かった先を問いただすと、先生は2人に言った組織名を私達にも話した。

 

“『()()()』だよ“

「…………は?」

 

「な、何だとぉ!?」

「マコト先輩?」

 

「しょ、正気か!? よりにもよってなんて所に行かせたんだ!!!」

「ど、どうしたんですかマコト先輩!?」

 

 

「『桃巨会』の連中は確かに不良グループだが、奴らのイカれ具合は其処らの不良や過激派アウトローともレベルが違う! あの2人だけで太刀打ちできる連中じゃないんだぞ!!!」

「え゙ぇ!?」

 

“そうだね、『桃巨会』と言えば星の数ある不良グループの中でも指折りの武闘派として表でも裏でも名を轟かせているからね“

「な、何ですってーーー!!!」

「くっ! 直ぐに助けに向かうぞ!」

「ちょっ!?」

 

そうして私は直ぐ様マコト先輩に引っ張られながら車に乗り込められ、ハルカ達の後を追う事になってしまった。

 

「ど、どうして何時もこうなるのよ〜〜〜!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「『──────!』何? 私達が合流するまで待てだとぉ!? 馬鹿を言うな! 待ってる間に2人がコンクリが入ったドラム缶に埋められてたらどうするつもりだお前は! もう切るぞ!」

 

マコトとアルは敵のアジトへ向かう途中、運転しながらイロハと電話していたマコトだが、マコトは最後雑に電話を切り隣に座っているアルに話しかける。

 

「はぁ、全くイロハめ………」

「だ、大丈夫ですか?」

「キキキ、構わんさこれくらい。寧ろ謝らなければならないのは私の方だ、先生の発言が発端とは言えお前達を厄介事に巻き込んでしまった元凶は2人を試そうとした私だからな」

 

「で、でも良いんですか? マコト先輩だって立場とかあるのにこんな事したら……」

「心配いらん、それに私は確かにアウトロー組織のボスだが、同時にゲヘナの議長なんだぞ。あの2人はゲヘナの生徒、しかも大切な妹分の仲間を助けるのに理由なぞ必要ない!」

「マコト先輩……!」

 

「そ、そう言えばマコト先輩はハルカ達が向かった不良グループについて知ってるんですか?」

 

そんなマコトのハルカ達を思い遣る姿勢にアルが感動した後、ふとアルはマコトが2人が殴り込みに行った不良グループについて知ってそうな素振りを見せていたマコトに質問を振った。

 

「あぁ、あの2人が向かった『桃巨会』というグループは元々は一不良グループという括りなんだが………実態は元は表の世界の住人ながら裏社会に殴り込んで今も尚壊滅せずに生き残っているというかなり危険な連中*1でな、私達も万魔殿表の立場としても『キャバッローネ』裏の立場としても無視できん連中なんだ……」

 

アルに質問されたマコトは更に話を続けた、『桃巨会』という不良グループは元々はゲヘナと違う自治区である百鬼夜行自治区の裏社会で暴れていた、しかし暫くして起きた数多くのアウトロー組織との縄張り争いや百鬼夜行の治安組織との抗争に敗れゲヘナに逃げ込み、再び勢力を拡大し始めた連中だという事。

それに加え不良ながら誘拐や詐欺、禁制品の売買、更には過激派のアウトロー組織でさえ進んではやりたがらない仕事等も簡単に請け負っているという危険な集団で、しかも一度喧嘩を売られたならば、例えアウトローに属する人間だろうと後の報復など関係なく危害を加える凶暴性、そして主力メンバー達の屈強さという面から過激派のアウトロー組織以上に危険な集団としてヴァルキューレからは監視を、大抵のアウトローからは軽蔑と警戒の目を向けられている。

そしてその話をマコトから聞き終えたアルはそんなヤバそうな組織のアジトに二人が殴り込みに行った事に顔を青褪めていた。

 

「───其れと此れはまだ噂の域だが、『桃巨会』が後先考えずにそこ迄過激に行動できるのは彼女達のバックには巨大な後ろ盾がいるのではないかと言う話もある……………とまぁ、こんな所だな」

「だ、大丈夫かしら2人共」

「徒歩のままなら先に回り込めるが、もし2人が何処かでタクシーや車等の乗り物を使っていれば…………我々が辿り着くまで無事を祈るしかあるまい」

「そ、そんな!」

 

 

 

 

 

 

 

「こ、此処に二人が……あっ、二人のバッグ!」

「イロハの話通りの場所だな。先生の事だから恐らく二人にもこの場所を言っているだろう」

 

そうして話している間に『桃巨会』のアジトに辿り着いた二人は車から降り、アジトの扉の入り口の前まで行くと扉の側にはハルカとカヨコの物であろうバッグがあり2人もこの中に入った事が分かる。

 

「よし。行くぞアル!」

「は、はい!(怖いけど……2人を助けなきゃ!)」

 

そんな覚悟を決めた2人は『桃巨会』のアジトに殴り込んだ、しかしマコトが勢い良く入り口のドアを蹴り飛ばし、その勢いでアジトに乗り込むと2人は直ぐ様眼をひん剥く光景を目の当たりにした、何故ならそこにあった光景は……

 

「ぐぅ……っ」「つ、強え……」「…がっ……」

 

「さっさとアル様を捕らえている場所を教えろォ! それともまだ殴られ足りないんですか!? 早く吐かないと次はその口にダイナマイトぶち込みますよ!!!」

「ゲェ……だ、だからそんな人知らないんですよ!」

 

「ハルカ、流石にやり過ぎだよ。あのさ、あんた達が捕まえた人を監禁してる場所を教えてくれるだけで良いから……」

「ひいぃっ! い、命だけはーーーっ!」

「ププッ、怖がれてるwww」

「……うっさいハルカ………普通に頼んでるだけ」

 

「「……………う、嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?((逆に倒してたぁぁぁぁぁ!?))」」

 

ボロボロになったハルカ達ではなく、助けようとしていたハルカとカヨコがアジトにいた『桃巨会』の構成員であろう不良達をボコボコにして逆に締め上げている光景だった。

その自分達が想像していたのと180度違う状況に二人は驚愕する。

 

「あっ! アル様!?」

「っ! 良かった、無事だっんだ」

 

そんな光景に驚愕して大声を上げたアルとマコトに不良達を脅迫していた2人も気付いたのか直ぐ様無事かどうかを確かめる様にアルに駆け寄った、するとハルカは勢いのままなんとアルに向かって勢い良く土下座をし始めたのだ。

 

「すみませんすみませんすみません!!! アル様の側におりながらみすみすアル様が攫われるのを阻止出来出来ず! こ、このハルカ、死んでお詫びを───!」

「ちょっ!? 私は大丈夫だからハルカ落ち着いて!」

 

「そうだよハルカ、アルもこう言ってるしアル自身無事だったんだからこれで一件落着でしょ?」

「そんな訳ないでしょうが軽音女ッ!!! そもそも貴女だって私と同じ失態犯した癖して何でそんな能天気なんですか!!!」

「え? だって肝心のアルが無事だったんだし」

 

「──は、はは……まさかたった二人だけでこれだけの数相手にここまでやるとは……全く大した奴等だな」

「は、はい」(や、やっぱり2人とも凄い……な、何だか友達として誇らしいわね)

 

「取り敢えず、直ぐに此処からずらかるぞ。 これ以上此処に留まっていれば増援が来る可能性もある」

「増援って、まさかまだ「──テメェ等、人のアジトに何してくれてんだあ゙ぁ゙!?」………ほ、本当に強そうな人達来たーーーっ!!?」

 

しかしアル達が脱出しようとした矢先、仕事から帰ってきたと思われる見た目からして強そうな桃巨会の主力であろう十数人規模の集団がアル達の前を塞いでいた、

しかもアジトや仲間を荒らされたのもあってかデカい殺気をアル達に放っており、カヨコとハルカもさっき迄とは違う強敵に気を引き締めた。

 

「畜生っ……最初来た時どの部屋もゴミの山だったこのアジトを全部片付けるのに全員で掃除して10日も掛かったんだぞ、其れも寝ずだぞ!? それを……………それをっ……………テメェ等、五体満足で此処から出ていけると思うなよ?

(…………確かに其れは怒るわよね!)

「成程、さっき迄の雑魚とは雰囲気が違いますね、コイツラが本隊ですか」

「えぇ……まだこんなにいるの?」

 

「ここに居るのは私の大事な妹分とその仲間達なんだ、後日必ず私が責任をもって詫びをするから今回は彼女達の事を見逃してもらえないだろうか?」

「……無理だね」

 

しかしマコトからの交渉に相手のリーダーらしき不良からの答えは明確な拒否だった。

 

「何? お前達からしても悪くない条件だと思うが…」

「テメェもコッチ側の人間なら分かるだろう? ここ迄俺達の組織を食い散らかした奴らを返してやるなんてお優しいことする訳ないだろうが……なぁ、()()()()()さんよぉ?」

「……私の事を知ってるのか」

「ふん、過去の失敗の教訓でな、ゲヘナに流れてきてから情報の収集は怠っちゃいねぇんだよ」

「しかもこんな所に部下もつけずにゲヘナの顔役であるテメェがやって来たんだ、一気に俺達の名をキヴォトス中に轟かせ、喪った勢力以上に拡大させれる大チャンスが目の前にあるんだかならなぁ!!!」

「成る程、私の首が目的か」

 

「その通り! そして勢力を拡大した暁には俺達を百鬼夜行から追い出しやがった百花繚乱やアウトローのクソ共に復讐してやるのさ!」

「「「「「うおおおおおおお!!!!!」」」」」

 

(め、めっちゃ殺る気出てるじゃないのよ〜〜〜っ!)

「キシシッ、交渉決裂か……なら仕方ないなっ!」

 

そんな不良達を見たマコトも和解を諦め先制攻撃と言わんばかりに鞭を振るったが、振るったまでは良かったが攻撃は目の前の相手にではなく何故か後ろにいたアル、ハルカ、カヨコ、そしてマコト自身にもあたってしまい痛みにのたうち回ってしまう。

 

「グゥ………スマン、手が滑った!」

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!」

「な、なにしてんですかっ!」

「うぅ…」

 

(そ、そう言えばマコト先輩は部下の人がいないとダメダメなんだったわ!) 

 

部下がいない時は最早何かに呪われているとしか言えないマコトの自滅によってアル達は鞭が当たった顔面の痛みに蹲ってしまう、そんなマコトのポンコツ振りを見た『桃巨会』の構成員達は一瞬歩みを止めてぽかんとしていたが暫くして全員がマコト達の無様な姿を嘲笑しながらアル達に向かい始めた。

 

「なんだコイツ等? 自滅してやがるwww」「ギャハハハハ! ギャグかよ〜!」「今だ袋にしちまえ!」

「ヒィ! ちょっと待っ────」

 

“おっ、やっと顔をあげてくれたね“

 

そんな向かってくる不良達相手に痛みで無防備に蹲っていたアルは静止する様に頼もうと顔を上げたその時、向かいのビルから死ぬ気弾を撃ち込まれた。

 

「─────復活!!リ・ボーン 死ぬ気で倒す!!!」

 

死ぬ気弾によって死ぬ気モードになったアルは言葉の通り、眼の前にいる不良達に向かって突進していく。

 

「イタタ…………ハルカ、私達もアルの加勢するよ」

「ふん、軽音女なんかに言われなくてもそのつもりです、アル様の敵は全て消しますっ!!!」

 

そんな敵の集団に切り込むアルに続く様にハルカとカヨコも戦いに参戦し始めた。

 

「な、何だ!? コイツラのこのデタラメな強さは!?」

「俺達と年は余り変わらないのに……今まで戦ってきた大人のアウトロー共より強えじゃねえかよっ!?」

 

3人によって次々と倒されていく仲間を見て最初は勢いづいていた『桃巨会』の実力者達も徐々に怯みを見せ始め、リーダーであろう生徒が側にいた部下の1人を捲し立てた。

 

「お、おい! 別の階に保管してある改造銃をあるだけ引っ張り出してこい! もうコイツ等全員皆殺しだっ!!!」

「えぇっ!? でもアレは確か取引先に売る用のじゃ……」

「良いから持ってこいっ!!! 責任は全部俺がとる!」

「は、はいっ! 直ぐに「そうは行きませんよ」……な、なんだお前等!?」

 

「此方も負けてられませんよね、ボスマコト先輩?」

「なっ! イロハ!? それにお前達までどうして!?」

「心配になったから来たんですよ。それと電話を途中で切らないでくださいよね、全く」

 

そこにはなんとイロハを中心としたマコトの部下達が道を塞いでいた、どうやらマコトがイロハとの電話を切った後心配になってアジトに向かっていたのだ。

そして部下が来たことによってマコトもまた本領を発揮する。

 

「キキキッ! 余計なお世話だ!……まぁ良い。お前達、久しぶりに暴れるぞ!!!

「「「「「了解!」」」」」

 

「く、クソッ!一体なんなんだよコイツ等!? さっきまで弱そうだった奴等がいきなり強くなr「果てろぉ!」ひっ、ぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!!」

 

 

───こうして、イロハ達万魔殿キャバッローネの加勢により戦力だけでなく人数差までも逆転した結果、10分も掛からず名の通った不良グループであった『桃巨会』は壊滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、壊滅した『桃巨会』のメンバーは全員騒ぎから通報を受けて後から来たヴァルキューレによって逮捕され事件は一件落着………とはいかず、実は全員を倒し終わった後にハルカが放り投げたダイナマイトの1つが室内に置いてあったガソリンのタンクに引火しアジトのビルが火の海になったり、『桃巨会』を検挙する為に綿密な計画を建ててたのにその労力と時間を無為にされたヴァルキューレから脱出した後に小言をネチネチ言われ続けたり等幾つか騒動が起きたが、何とかその場をイロハ達に任せてアル達はマコトに連れられ一足先にアルの自宅に帰って来ていた。

 

「いや〜、久々な鉄火場だったからか中々スリリングな体験だったな!……まぁ少々危なかったしキツかったが」

「あはは……(確かに……)」

「ハルカ、室内でダイナマイトなんてダメでしょ、全員御陀仏になる所だったんだからね」

「う、うるさいですね!全員退避出来たから良いじゃないですか!それに私だって反省はしてますよ!」

 

「ククク…………さて、私はイロハ達の所に戻るとするか、流石に後処理まで彼奴等に任せっきりなのわな」

「あっ、もう行くんですね」

 

そうしてそんな会話をしながら少し時間がたった後、マコトは後処理をしてくれているイロハ達の元に戻ろうと席をたった。

 

「キキキッ! 今回は済まなかったな三人共、今日の予定をつぶした事については埋め合わせは後々必ずする! ではな!」

「はい! マコト先輩も気を付けて!」

「じゃあね、マコト」

「ふん……」

 

 

そう別れの挨拶を済ましたマコトはアルの部屋から出ていった。

 

「行っちゃったわね……………あれ? そう言えばハルカ、さっき迄マコトがいたのに最初に会った時みたいにマコト先輩に突っかからなかったはね……もしかして私の時みたいにマコト先輩の事認めた?」

「……別にそんなんじゃないです」

「じゃあどうしてなの?」

 

マコトが部屋を出た後、アルはふと疑問に思っていた事を口にした、それは最初マコトに終始噛み付いていたハルカが今ではすっかり大人しくなっている事だった。

そんなアルの疑問にハルカ本人が答えた。

 

「────だってあの女、部下がいないと全く役に立たないポンコツじゃないですか、そんなあの女の醜態を今日1日見てたら一々あんな奴に突っかかるのもバカらしいと思いまして……」

「は、はは……そ、そんなことないわよ〜」

 

渋るような表情をしながらそうハルカからそんな答えが返ってきてアルは確かにと内心思っていると部屋の外から大きな音が聞こえ、部屋を出て階段に向かうと何故か階段から転げ落ちて、どうしてそうなったのか恥ずかしい体勢を晒してしまっているマコトがいた。

 

「ぐぐっ………また足を滑らせてしまった」

「だ、大丈夫ですか!」

「ほらね」

「まぁ、ポンコツだね」

“相変わらず締まらないね〜“

 

*1
裏社会にまで勢力を広げようとした表の社会から来た不良グループの大抵の末路はアウトローのヤバさに怖気づいて直ぐに手を引くかアウトロー組織に返り討ちにあって早々に壊滅するかな為、アウトローが不良という存在に警戒するのはかなり稀。(尚アウトローでさえ恐怖する空崎ヒナの様な例外な不良もいる)




長いので本編に出せなかった設定
『桃巨会』
元は百鬼夜行自治区で暴れてた不良グループだが実は百鬼夜行の『魑魅一座』から分裂した一派の一つが過激派になって起こした組織。メンバーは50人程。(元々は120人規模のグループだったが、百鬼夜行での抗争でメンバーの半分以上が逮捕・脱退した)
本来ならそれなりの規模のアウトロー組織が喧嘩を売ってきても難なく勝てるぐらいの強さはあるが、喧嘩を売った相手が悪かったとしか言いようがなく、ゲヘナにて完全に壊滅した。
因みにリーダー格の生徒は存在するがボスが明確に存在している訳ではなく、基本的に方針は複数の幹部格の生徒による合議制をとっているという珍しい組織でもある。


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