ブルーアーカイブ 7³来る!   作:疾風刃雷

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第3話です。
※少し胸糞な展開があるので注意


時雨の少女来る!

私の名前は陸八魔アル、突如現れた謎の赤ん坊にキヴォトスのアウトローのボス後継者になれとか言われた哀れな生徒よ!

 

今は……

 

「ハァ~」

 

放課後に校舎のグラウンドをトンボ掛けしてるわ…

 

「確かに試合に負けたのは私のせいだけど、私一人に掃除任す?普通。」

 

今日授業の体育で試合があり私も参加したんだけど…私がミスしたせいでチームが負けた、しかもそれに腹を立てた皆が私に掃除を押し付けて今に至る…て訳よ。

 

「ハァ、これだけ掃除したのにまだ半分もいってないとか、いつ終わるのよこれトンボ掛け

 

最近私の友達…兼部下(結局ハルカに押し切られて内心嫌々ながら)のハルカはダイナマイトの仕入れに遠出して2週間程いないから暫く平和なのに〜。

 

「あーもー、今日はせっかく用事があるのに!!」

「手伝おうか?…アル」

 

そう愚痴をこぼしながらトンボ掛けをしていると知っている声に振り返ると。

 

「あっ!、カヨコ先輩!」

「助っ人とーじょーっ、てやつよ」

 

3年の鬼方カヨコ先輩がそこにいた、ゲヘナの3年生で軽音部のエースで他の生徒達からも人気がある、そして数少ない私を馬鹿にせずに接してくれる人だ。

 

「ごめんなさい、せっかくカヨコ先輩が遊びに誘ってくれたのに、私のせいで」

 

そう私が謝るとカヨコ先輩は優しく。

 

「謝らくて良いよ、時間は少し遅くなるけど私もアルと一緒に行ってみたかったからさ、2人で終わらせっか」

 

そう返してくれた。やっぱりカヨコ先輩はできた先輩だわ!!

 

「っ、ありがとうございます!」

 

カヨコ先輩との付き合いはそれ程長いわけじゃない、半年前何時もの様にダメっぷりを発揮して学校を終え帰る雨の中衰弱した猫を抱え込んでたカヨコ先輩と私は出会った…その時、私も一緒にその猫を助ける為に獣医さんを探して助けたのが私とカヨコ先輩の関わりが始まった。

それ以来カヨコ先輩はこうして私のことを遊びに誘ってくれたりしてくれた。本当にこの人には心が折れそうになった時も助けてくれた本当に良い先輩よ!

 

 

 

 

 

「楽しかったですねカヨコ先輩!」

「そう、アルが喜んでくれたなら良かった」

 

遊び終えた帰り道、駅の途中まで私とカヨコ先輩は一緒な為電車の中で話し合っていた。

 

「……ねぇ、カヨコ先輩」

「ん?、どうしたのアル?」

「カヨコ先輩、私を遊びに誘ったのは何か相談したいこととかがあるからじゃないですか?」

「っ!!……やっぱりこういう時のアルは感がいいね。」

 

…やっぱり何か相談したいことあったのね先輩、だって遊んでる時のカヨコ先輩、少し表情に影があったし、いったい何があったのかしら…

そのままカヨコ先輩に相談事について聞いてみましょう。

 

「其れで何を相談しに?、私なんかがちゃんと相談に乗れるか分かりませんけど…」

「大丈夫、相談に乗ってくれるだけ嬉しいからさ…」

 

「……ねぇ、アルは私と最初に出会った時に私が抱えてた猫、覚えてる?」

「えぇ、あのあとカヨコ先輩が飼うことにしたんですよね」

 

私の家じゃ流石に飼えないからね、私は補習とかで忙しい時あるし、フウカにさらにペットの世話を押し付けるなんてことはしたくなかったから。

 

「あの子……長くないんだ。もう…」

「な、何ですって!!!」

 

長くない!!そんなどうして!!

そう面食らう私にカヨコ先輩は続けてその理由を言った。

 

「拾う前から年いってたらしくてさ」

「そ、そんな」

 

原因は寿命らしい、それならもう手の施しようがないわね……

 

「私、どうしたら良いと思う、飼うと決めた時から何れその時が来るとは理解してたよ、けれど…あの子の為に今私に何ができるか、アルはどうしたら良いと思う?」

 

そうカヨコ先輩に相談された私は…

 

「ごめん、こんなこと聞「一緒にいてあげることですよ」え?」

「最期まで側にいてあげることだと私は思います」

 

カヨコ先輩にはっきりと自分の意見を伝えた。

 

「………それだけでいいの?」

「それだけで良いんですよ、一緒にいて最期を看取ってあげるだけでもあの子は幸せに逝けると私は思います」

 

そう……最期に立ち会えるのならそうした方が良い…私はあの子の死にさえ立ち会うことさえできなかったんだから。

だからせめてカヨコ先輩はその子の死に目に立ち会った方が良いに決まってる。

 

「……分かった。ありがとうねアル!それじゃ!!」

「ハイ!少しでも力になれたのなら良かったです!!」

 

そうカヨコ先輩に礼を言われて私達はそのまま別れ帰路についた。

 

 

 

 

 

”良いことでもあった?”

「ふふん!まあね、学校の先輩に相談されたの!内容はちょっと重かったけど」

 

カヨコ先輩と別れ、家に帰って本を読んでる時に先生から気分が良い理由を聞かれた私は上機嫌にそう答えた。

 

”その鬼方カヨコなんだけど”

「って!!何で先生が知ってんのよ!!!」

”君の部下にしなよ”

「なー!!!、貴方カヨコ先輩までアウトローにする気なの!!」

 

ふざけんじゃないわよ!!!カヨコ先輩を部下になんて!!!

 

「其れにカヨコ先輩には他に燃えてることが」

”じゃ、アルも燃えてみなよ”

 

私がそう反論したら先生はいきなり火炎放射器を背中にぶっ放してきた。

 

「あぢぢぢぢ!!」

”燃えるの意味が違うよ”

「私のセリフとるなー!!!」

 

相変わらず漫才染みたことをしていたけど、その後起こる事件で私はこの時の事を酷く後悔した、もっとあの時カヨコ先輩に深く関われていれば、あんなことは起きなかったんじゃないかって。

 

 

 

 

 

 

あれから1週間が経った頃…

 

「大丈夫かしらカヨコ先輩」

 

最近学校にも来てなくて、軽音部にも顔を出してないし、ちゃんとあの猫の最期看取ることができたのかしら

 

「聞いた?また不良達が病院に運ばれたんだって」

 

そうカヨコ先輩の心配をしているとクラスメイトの子たちの世間話が耳に入ってきた。

 

「本当!?これで今日に入って12件目よね、まぁ不良がヤラれるのは日常茶飯事だけど何があったのかしら?もしかして風紀委員会の空崎委員長恒例の不良潰し廻り?」

「どうやら違うらしいわよ、聞いた話だと手当たり次第に大きめの不良グループを締めてるらしくて、話せる状態の人はあの鬼方先輩にヤラれたとかなんとか」

「いやいやありえないでしょ、あの軽音部のエース鬼方先輩がそんな過激な事するわけないじゃん、きっと妄言でしょ」

「そうだよねー」

 

そう彼女達は笑っていたけど私にはそれがどうしても本気な話に思えた。

ハァ!!!嘘でしょ!!カヨコ先輩がなんで!!

そう思った私は直ぐ様話題を振っていた子に駆け寄った。

 

「ちょっとその話!!」

「うわ!なによダメアル!」

 

「次に狙われる不良グループとかわかる?」

「はぁ?なによいきなり?……まぁ此処らの大方の不良グループはヤラれたから次に現れそうなのは近くの廃工場にたむろってる連中がいる所とか…」

「ありがと!!!」

 

その言葉を聞いて直ぐ様その場所に向かって私は走り出した。

 

「はぁ!?ちょっとダメアル!今から授業なのにアンタ何処行くのよ!」

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ」

 

カヨコ先輩はそんな事しない!……でもああ見えてかなり手を出しやすい人だったからもしかして……行って真実を確かめちゃ!!

 

 

”急いでるみたいだね”

「先生!!」

 

そう急いでる途中に先生が現れた、急いでんのよ此方は!!なんなのよ一体!!

 

”先に言っておくけど、不良達を締めてるのは鬼方カヨコ本人だよ、現場から去る彼女を見た人がいたらしいからねー”

「な、何ですってー!」

 

てことはあの話は真実!!いったいどうしてそんな無茶を!!

と、とりあえず行かなちゃ!!これ以上手遅れになる前に!

 

 

 

 

 

 

「つ、着いた!此処ね!」

 

何とか目的の廃工場に着いた私は静かに中に入っていった。

てか先生は途中でいなくなっちゃうし!何なのよ!

って、もう不良達が半殺しにされてる!!まさかもうカヨコ先輩が「ゆ、許してくれ!」ん?この声、奥から

 

「た、頼む。もうこれ以上は死んじまう…」

「…………いまさら命乞い?」

 

奥の方にいたのはボコボコにされ怯えている不良のボスらしき生徒と片方の手を包帯で固定され血塗れの鉄筋をもう片手で持ってるカヨコ先輩だった

か、カヨコ先輩!本当にいたのね!!!

 

「アレは本当に唯の遊び半分だったんだ!、猫とあんたに爆弾を投げつけたのは、でもまさかあんなあの程度の爆弾で猫が死ぬ程衰弱してたなんて思わねぇだろ!、だからこれ以上は」

「死ね」

 

カヨコ先輩が鉄筋を不良の脳天に振り下ろそうとする。

と、止めなちゃ!!!

 

「カヨコ先輩!!やめてください!」

「……っ!!……アル」

「カヨコ先輩…何でこんなことを!」

 

そうカヨコ先輩に聞いたけど、返ってきたのは今までのカヨコ先輩では考えられないくらい冷たい声だった。

 

「さっきの此奴の言葉、聞いてたんでしょ。アルに相談して私はあの子に付きっきりで付いてた、そして1週間前あの子の具合が悪くなって病院に連れてこうとしてた途中、コイツラが!!遊び半分で爆弾投げつけてきて!!私は怪我をして、爆発の衝撃であの子は死んだ!!!」

「な、何ですって!!!」

 

そ、そんな…あの子が…。そう呆然とした私に更にカヨコ先輩はさらに声色を冷たくしながら話してくる。

 

「それだけじゃない、あの時あの子を爆発から守る為に負った私の腕の怪我、医者からはギターが弾けなくなるかもしれないって言われたよ…」

「そ、そんな」

「腕の事も悔しい…けれどそれ以上に病院に連れていけてればあの子はまだ生きられた!!なのにコイツラは遊び半分で其れを!!」

「ヒィ!」

 

不良に更に攻撃を加えようとするカヨコ先輩。

 

「だからって!殺すのは!私はカヨコ先輩にそんな事してほしくありません!!」

 

そんな事カヨコ先輩にさせたくない私は必死にカヨコ先輩を説得しようとする、けれど……激情して冷静さを失っているカヨコ先輩は聞く耳を全く持たない…

 

「煩い!!あんたの許可なんて要らない!!此奴を殺すのを邪魔するならあんたも殺してやろうか!!!!」

「ヒィ!!」

 

そう言ってカヨコ先輩が不良から私に標的を移したのか、私に向かって鉄筋を全力で振り下ろし、私はそれを咄嗟に躱した。

う、嘘でしょ!片手の鉄筋で廃コンテナが真っ二つに!

そ、それよりカヨコ先輩、頭に血がのぼって正気じゃない!と、止めなくちゃ!カヨコ先輩に殺しなんてさせたくない!!

で、でもどうすれば…

 

”じゃあ、死ぬ気で鬼方カヨコを止めてみるんだ”

 

屋根の上にいる先生がそう言うと同時に私の額は弾丸に撃ち抜かれた。

 

 

 

 

 

 

復活リ・ボーン!!、死ぬ気でカヨコ先輩を止める!!」

「死ね!!」

 

死ぬ気状態になったアルはカヨコを止めるために真っ向から向かっていく。

 

「うおおおおお」

 

そんなアルにカヨコは当たれば死は免れないであろう速度で振り回される鉄筋による連続攻撃を行う、しかし死ぬ気のアルはそれを躱わし続ける。

 

”それにしても鬼方カヨコ、唯のそこら辺に転がってる鉄筋を片手であそこまでの威力と速度を出すとは、彼女のセンスは凄まじいね。けど”

「これでトドメだ!!」

 

カヨコが振り下ろしたのは渾身の一撃、しかし…

 

”怒りで動きが散漫だね、それじゃあ死ぬ気のアルを倒せない”

「うおおお」

「な゙!!!受け止めた!!?」

「目ぇ覚ませ!!!」

「ガハッ!!!」

 

その攻撃をアルは白刃取りで受け止め、そのまま頭突きを繰り出しカヨコを気絶に追いやった。

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

 

「ハッ、此処は?」

「あ、気が付きましたカヨコ先輩?」「アル…」

 

あの後死ぬ気が解けた私はカヨコ先輩を何とか担いで工場から離れた場所まで移動し、先輩を看病していた。そんな中カヨコ先輩が目を覚ましたのだ!!

 

「気を失った後風紀委員が来る前にカヨコ先輩を先生と一緒に運び出したんです。」

「……なんで、なんで止めたの!!!」

「な、なんでって…」

 

起きたカヨコ先輩が最初に放ったのは私を責める言葉だった。

 

「あの子への復讐を果たすと決めたのに、なんで邪魔したのっ!!」

「カヨコ先輩……」

 

その目はまだ正気ではなく、今なお復讐に取り憑かれた者の目だった。

これだけやってもカヨコ先輩は止められないの…そう思ってた時カヨコ先輩から聞き捨てならない発言を聞く

 

「アイツを殺すことさえ出来たら私も責任をとって自害するつもりだった!!、どうなっても良かった!!なのにどうし「ふざけないで!!!」っ!」

「死ぬとか、どうなってもいいとか、軽々しく言わないでください!!!」

 

その時カヨコ先輩が言った発言がどうしても許せかった私は直ぐに何時もの私とは思えない厳しい言葉で彼女の胸倉を掴んで叱った。

 

「本当に死んだら、そこまでなんですよ!!!」

「アル…」

「そもそも殺しなんてあの子の為になるんですか!!、もう十分痛めつけてたでしょ!!!」

「あの子が望んでるのは復讐に駆られる先輩じゃない、あの子を拾った時の優しい先輩の筈です。」

「っ!……」

 

そう、こんな事復讐なんてあの子は望んでない、それは私でも分かる、だからカヨコ先輩だって分かってるはずなのだ…

 

「だから、もう止めにしましょう?カヨコ先輩。」

「……やっぱり凄いね、アルは」

 

そうカヨコ先輩に言われた、けれど私は別に凄くはない、だって私は…

 

「そんなんじゃないですよ、私は友達で憧れの先輩を止めたかっただけですから」

 

その後、カヨコ先輩は何も言わずその場を去っていった……

本当に私の言葉は届いたのだろうか…

 

 

 

 

 

 

あれから数日が経った。

 

まだカヨコ先輩は学校には来てなかった、あのあとあの不良グループは他にも余罪があったらしくあの風紀委員長に更に痛めつけられて矯正局にぶち込まれたらしいけど。

 

「ハァ〜」

”何溜息吐いてるんだい?カヨコは止めたでしょ?”

「カヨコ先輩に掛けた言葉、アレで良かったのかしら」

”どうだろね、けどアルの言葉は彼女に届いたと思うよ”

 

登校中、カヨコ先輩についてそう先生に話す私、やっぱり不安だわ…

 

「そうなのかしら、そうだといいんだけ「おはよう、アル」え、カヨコ先輩!!」

「?、どうしたの元気なさそうじゃん」

 

其処にはさっきまで話題にしていたカヨコ先輩だった、しかも私が思ってた以上に元気な姿の。

 

「イヤイヤイヤ!!カヨコ先輩こそ学校来て大丈夫なんですか!、復讐とかはもう」

「うん、復讐はやめた。」

 

きっぱりとそう私に言ったカヨコ先輩の表情はスッキリしていた。本当に何があったの!!!

 

「ありがとうねアル、あの時私を止めてくれて、もう一度あの子の墓の前で3日間の間問答し続けて、あの子もやっぱり私が人殺しになるのは望んでないんじゃないかって思ったの、だからもう復讐は止めて前を向いていこうって」

「そ、そうなんですね」

 

よ、良かったー!私はそう安心して胸をなで下ろした。

 

「それとカヨコ先輩、腕は」

「腕?、あぁ、腕もリハビリすればもう一度楽器を持てるようになるって言われたから大丈夫だよ」

 

「本当ですか!!よかったです!」

「アルには感謝してもしきれないよ、これからもよろしくね、親友!」

「…っ、ハイ!」

 

…なにより、私のことを親友と呼んでくれたことが私はとても嬉しかった。

キララちゃんやハルカに続いてまた私に友達ができたわ!!!!

 

 

 

こうしてアルには年上の親友ができた。しかし先生は

”フフ、2人目の部下ゲットだね、アル”

と思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ダ、ダイナマイトを大量に調達しに遠出してる間に。あ、アル様の側に知らない女が!!」

 




鬼方カヨコ=山本武
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