いしきのまじん   作:流浪の職員

6 / 9

 わんわん



 昨晩日間9位→翌日日間7位ってなんぞ???

 感想欄にて、アドバイスやら指摘やら要望やら届いており参考になったり、普通に面白かったり…
 SCP関連のせいか…うん、(感想欄も)頭おかしいですね(褒め言葉)。


6.たうみえる

 

 旅人達は恐る恐る目を開いた。

 

 

「___あれ?」

 

 

 目に入るのは、さっきと何も変わらない、塵歌壺の部屋だった。

 

 

「…何も起こらないぞ?」

 

「でも、ねこ殿は…?」

 

「シキはいるし…」

 

「影、何か…影?」

 

 

 影は一人、せわしなく視線をあちこちに向けている。目を動かすにつれて、段々と顔色が悪くなっていく。

 

 

「影さん!?」

 

「影!何があった!」

 

 

 影は八重神子に肩を揺さぶられながら、恐る恐る口を開いた。

 

 

「ねこです。」

 

「…何?」

 

「ねこです。ねこがいます。どこにでもいます。部屋の隅に、机の下に、旅人さんの足下に、モラクスの肩に、神子の目に…!」

 

 

 影は錯乱している。

 何を言っているのか、いまいち要領を得ない。

 

 

「ねこはどこにでもいます。白い、ねこ。ねことしか言えないねこが、ずっと、どこからも、どこを見てもいるんです!」

 

 

 白い“ねこ”。

 旅人達は“ねこ”の外見を知った。

 

 

「見られてる…!?」

 

「まさかっ…これが…!?」

 

「これが、ねこ殿か…確かに、どこにでもいるな…」

 

 

『パンッ』

 

 

「「「「「ッ!」」」」」

 

 

 シキが手を叩けば、影達を見ていた“ねこ”は消え、人形のねこがシキの隣に立っているのが見えた。

 

 

「さて、ねこは見えたか?」

 

「……うん。ノイローゼになりそう。」

 

「そうなればその記憶は我が喰ってやる。」

 

「あ、安心できそうでできないぞ…」

 

「影、大丈夫かの?」

 

「えぇ…なんとか、大丈夫です。」

 

「この通りねこも充分な脅威となる。」

 

「ことばにはきをつけます。なさい。と、ねこはちゅうこくします。」

 

 

 ねこに何故嫌われたのかと同時に、文字の大切さを身を持って実感した一同だった。ちなみに、某元水神にも少し見えたらしいが、怖すぎて他人に伝えることができなかったそうだ。

 

 影達が別な者と会話しに行ったのを見計らい、シキは旅人とナヒーダを呼び寄せた。

 

 

「シキ、今度はなんだ?わざわざ別な部屋に移動するなんて…」

 

「謝罪する。人が多く、あまりにも騒がしかったが故に。」

 

「人が多いということは…わたくし達にだけ、聞かせたい話なのかしら?」

 

「是。魔神ブエル。クラクサナリデビ。ナヒーダ。」

 

「何かしら?」

 

「………『()()()()()()()()()()()』。聞き覚えは?」

 

「……………無いわ。」

 

 

 旅人は目を見開いた。何故彼女を目の前の人物が知っているのか。彼女は自身を引き換えに、禁忌の知識をテイワットから消し去ったのではないのか。

 まさか、目の前の魔神は、()()()()()()のか。

 

 

「旅人。お前の疑問にこれから答える。確かに我は、()()()()()()。お前の予想は正しい。」

 

「魔神じゃない…!?」

 

「……じゃあ、アナタはいったい、何者なのかしら。」

 

「我は【鳥】。【緋色の鳥】。【認識の鳥】。それ以上でも、それ以外でもない。我が起源はテイワットにあらず。」

 

(私と同じ…)

 

「是であり否。我は外にあり、中にあり、内にいる。」

 

 

 旅人の目の前の存在は、自身がテイワットの外の存在であることを告げた。

 既にパイモンは話に全く付いて行けず、置いてけぼりである。

 

 

「次に旅人。島を見た時、バアルゼブルに伝えたな。」

 

「…うん。影さんにまず聞いたけど…」

 

「その後、一度七神を集め話し合ったな。」

 

「う、うん…」

 

「七神を集める号令は、バアルゼブルが出したな。」

 

「うん。」

 

「思い出せ。バアルゼブルは、他国の神をなんと呼んでいた?」

 

 

 旅人は思い出す。

 

 

(確か、影さんは…)

 

『えぇ。呼び出すのは…そうですね、風神バルバトス。岩神モラクス。草神ブエル、マハー…今は違うんでしたか、クラクサナリデビ。以上3名だけで___』

 

「!」

 

「気付いたな。思い出したな。」

 

 

 旅人は思い出した。

 確かに初めから、影は草神『マハールッカデヴァータ』を【認識】しており、ナヒーダことクラクサナリデビが2代目であることを知っていた。

 

 

「その通り。テイワットは『マハールッカデヴァータ』の名を知っている。覚えている。」

 

「どうして…!?」

 

「……これは我の落ち度でもあるが…ブエル、バアルゼブル、モラクス、バルバトス、水龍、そして旅人。今、お前達だけ使用できる道具があるな?」

 

「…『アーカーシャ端末』。」

 

「そんな名だったのか。少し借りるぞ。」

 

 

 シキは旅人からアーカーシャ端末を受け取ると、自身の耳に着けた。

 

 

「………来い、“いぬ”。」

 

『わんっ!』

 

 

 シキのアーカーシャ端末から何かが出てきた。

 それは小さめで、あの“ねこ”の本体程の大きさをした、黒と白の毛を持つ犬だった。

 

 

「………犬…であっているわよね?」

 

「ど、どこから現れたんだ!?」

 

「この端末の世界より。謝罪。いつの間にか我の手元から逃げ出していた。」

 

「えぇっと…?」

 

「説明。犬。」

 

「それは見たらわかるぞ!」

 

「聞け。この犬は、ネットワークに住み着き、“掘る”ことであらゆるセキュリティを突破し、情報を持ってくる。」

 

 

 犬。またの名をわんこ。

 この犬、シキの元から逃げ出し世界樹ネットワークに住み着いており、時折シキに世界樹から情報を流し込んでいた。

 

 

「マハールッカデヴァータの『想い』。すなわち『感情』。大変美味だった。美味しかった。美しかった。それを忘れてしまうのは、消してしまうのは、勿体無い。」

 

 

 旅人にはシキの気持ちがある程度わかった。

 しかし彼女を忘れていない以上、テイワットへの影響が気になる。

 

 

「そこは我得意。我【認識の鳥】。『意識の魔神』。『禁忌の知識』を【原野】に持ち込み、喰らった。今テイワットに存在するは、『マハールッカデヴァータ』の行いのみ。」

 

「じゃ、じゃあ…『禁忌の知識』は…」

 

「もはや力無く。確かに犬ならばまた持ってこれるだろうが、キツく言い聞かせた。」

 

 

 シキはアーカーシャ端末を旅人に渡し、犬を抱き上げ、ナヒーダに手渡した。

 

 

「ブエルよ。探すがいい。過去の己の記録を。知るがいい。己の歴史を。見るがいい。スメールのあり方を。覚えておくがいい。マハールッカデヴァータという一人の貴方を。」

 

 

 話の規模が大きく、自身の『マハールッカデヴァータ』についての記憶をほとんど失っていたナヒーダは、おずおずと犬を受け入れた。

 犬はナヒーダの頬を一舐めし、ナヒーダの顔を見つめて、

 

 

『よろしく!』

 

「」

 

「」

 

「あら!貴方喋れるのね!」

 

「「しゃ、喋ったぁ〜!?」」

 

 

 人の言葉を発した。

 

 

「あぁ、人にして5歳児程度の知能はあるぞ。」

 

『あるじ、あるじ、この人が新しいご主人!?』

 

「あぁ。側にいてやるといい。」

 

『ご主人、よろしくね!』

 

「あらあら、可愛いわね!」

 

「な、ナヒーダはそれで良いのか!?」

 

「良いのよ。わたくしは彼女(マハールッカデヴァータ)のことを知ることができるし…それに可愛いじゃない!」

 

「ま、まぁ…ナヒーダが良いなら良いのか…?」

 

「ねぇシキ。この子は、シキやねこみたいな力は無いの?」

 

「無い。この犬は、情報セキュリティの突破のみに秀でた。故に無害。…だが持ってくる情報については保証しない。」

 

「あら、貴方そんなこともできるの?」

 

『うん!ぼくがわかるところまでだけどね!』

 

「シキ、本当に貰って良いのかしら?」

 

「是。」

 

「なら今日からウチの子ね!あの子(放浪者)にも紹介しなくちゃ!」

 

『わんわん!』

 

 

 ナヒーダは犬と共にルンルンと皆のいる大部屋に戻っていった。その際、パイモン(非常食)は犬の背に乗っており、意外と気に入っていたことが伺える。

 

 

「旅人。お前にはもう一つ話がある。」

 

「うん?まだ何かあったの?」

 

「あぁ。我は【緋色の鳥】。【認識の鳥】。この世界(テイワット)に縛られぬモノ。お前と同じ。故に、お前()はどっちだ?」

 

「……どっち…?」

 

「…言い方を変える。妹は兄を追っているのか?()()()()()()()()()()()?」

 

 

 旅人にはわからなかった。

 旅人は兄を追っている。これは紛れもない事実である。しかし、兄は旅人を追っているのかと聞かれれば、どちらかといえば“待っている”と答えるのが最適だろう。

 

 

「………そうか、そうか。謝罪。済まない旅人。きっと別の【認識】。別の可能性。あえて我からは消さぬ。しかし、忘れてくれると有り難い。」

 

「…シキは、お兄ちゃんについて何か知っているの?」

 

「………知っているという問いには是。しかし、お前の望む兄かと問われれば否。」

 

「…それでも教えて、って言ったら?」

 

「……我には、“お前達は表裏一体である”としか言えぬ。」

 

「……わかった。」

 

 

 旅人はしぶしぶと言うように部屋を出た。シキもそれの後を追うように部屋を出る。

 先程会議が開かれた部屋では、戻ったナヒーダと犬を中心に賑わっていた。

 

 

「シキ殿、少し良いだろうか。」

 

「?」

 

 

 賑わっていた輪から少し離れて見ていたシキに話しかけたのは、【緋色の鳥】による影響が多そうな召使だった。

 

 

「先程、私が旅人達に心配されていたのを、貴方は覚えているだろうか。」

 

「是。我が忘れることは殆どない。故に不思議。何があった?」

 

「貴方は…覚えているだろうか。」

 

 

 召使は着ていた上着の内ポケットに手を入れた。

 その頃旅人達も、犬やねこがシキの方を向いていたので、釣られて目を向けていた。

 

 

「これを…」

 

 

 召使が取り出したのは、小さな小さな【緋色の羽】だった。

 

 瞬間、その羽を見た全員が【原野】に連れ去られた。

 

 

「な、なんだ!?」

 

「【原野】だ!誰が唱えた!?」

 

「わたくしたちは聞いていないわ!」

 

「フッ…フッ…」

 

 

 騒ぎ立てる旅人達を他所に、召使は気が気でなかった。

 それは自身が恐れた【原野】に再び招かれたからではない。

 

 

「羽。羽。緋色の羽。我の羽。我が一部。そうか。そうだ。思い出した。そうさ。覚えている。忘れていない。忘れられない。覚えているとも。」

 

 

 召使の目の前で人から【緋色の鳥】へと変貌しつつあるシキの姿に、【緋色の鳥】を鮮明に思い出したからだ。

 足は人のものから鳥特有の硬質な足になり、背中からは大きな緋色の羽が生え、髪は逆立ち、嘴が生えた顔から見える目は、普段よりも無機質で赤いものだった。

 人の様な姿の【鳥】は、【緋色の鳥】よりも不気味さが際立っていた。

 

 

「フゥッ…!フゥッ…!」

 

「怯えるな。怖がるな。恐れるな。()()()よ。」

 

 

 呼吸は荒く、身体は震え、立っているのもやっとな召使に向かって、一歩一歩ゆっくりと【鳥】は近付く。

 あまりにも異質な光景に、旅人達は動く事も、目を逸らすこともできない。

 

 召使の目前まで【鳥】が近付いた時、とうとう召使は膝をついた。

 【鳥】は開いた大きな羽を召使を包むように閉じ、両手で召使の頬を包み、顔を近付けその目を見つめる。

 

 

「あぁ…その目だ。綺麗な目だ。美しい瞳だ。素晴らしい光だ。忘れることなどできない。さぁ今一度。もう一度。我を、私を、僕を、余を、俺を、朕を、【鳥】を、【緋色】を、力を、喚んでくれ。」

 

 

 召使は震える身体を必死に抑え、昔一度読んだ本の通りに口を動かす。

 

 

___今こそ来たらん 我が脳漿の民へ

___今こそ来たらん 我が世の常闇へ

___今こそ来たらん 我が檻の赫灼ヘ

 

 

_____緋色の鳥よ 未だ発ちぬ

 

 

 次の瞬間、景色は部屋の中へと戻る。

 唯一異なるのは、召使の頬を両手包むようにし、足や顔は元に戻っているシキから緋色の羽が生えたままだということだ。

 

 

「見付けた。見付けた。ようやく見付けた。我が愛し子。契約者。美しい者。力を望む者。名を。その美しい名を。また我に教えてくれ。」

 

「……………アルレッキーノ…」

 

「……否。否?人は名が変わるものなのだろうか。前は違う。昔は違かったはずだ。」

 

「……そうだ…だが、今、私は、アルレッキーノと名乗っている。」

 

「…そうか。そうか。良い。良い名だ。以前に負けず、美しい名だ。汝。汝、アルレッキーノ。今再び、力を欲するか?」

 

「………いや、要らない。不要だ。」

 

「そうか。そうか。素晴らしい。立派だ。愛し子。美しい者。ならばせめて、我は見守ろう。護らせて貰おう。君を失うことは、我には大き過ぎる。」

 

 

 【鳥】は召使の頬から手を離し、手を取って立たせようとしたのだが、召使の足に上手く力が入らず立つことができなかった。そのため椅子をねこに持って来させ、そこに座らせた。

 そこでようやく旅人達は我に帰り、召使に駆け寄った。

 

 

「召使、大丈夫!?」

 

「あ、あぁ…旅人か…心配は要らない。」

 

「召使、答えろ。何故貴様があの【鳥】の羽を持っていた?」

 

「俺も聞きたいかなぁ。隊長が知らないってことは、陛下にも教えてないんでしょ?嫌だなぁ、俺達の間で隠し事なんて。」

 

「それ、ファデュイ全員が言えたことじゃないよね。」

 

「そうだぞ!璃月でのこととか、忘れてないからな!」

 

「それはそれ。これはこれさ。」

 

「…彼と初めて会ったのは、私がまだ子供であった頃。まだ壁炉の家(ハウス・オブ・ハース)が先代の管轄であった頃の話だ。」

 

 

 召使が語ったのは、かつて、自身が“ペルヴェーレ”と名乗っていた頃の話だ。

 

 

「当時、必死に力を求めていた私は、昔の孤児院で一つの本を見つけたんだ。」

 

「……それが【鳥】に繋がるものだったと?」

 

「あぁ。数ある本の中でもひときわボロボロだったものでな。ふと開いたページに書いてあった文章を読んでしまったのが始まりだ。」

 

「召使殿。その文章というのは、先程【原野】にて読み上げていたもののことか?」

 

「あぁ。それを読んだとき、本から小鳥程の大きさをした【鳥】が出てきたんだ。」

 

「……【鳥】を直視したと?」

 

「うむ。我も当時は驚いたが、今思い返すとアレは我を喚び出す為の文であった。不完全な【祝詞】ではなく、我と何かしらの取引をするための喚び出しであるが故に、完全体ではないものの、自我を持った我が出てきたというわけだ。」

 

「そ、それじゃあ何か取引をしたのか?」

 

「情報を。私の記憶と引き換えに、ありとあらゆる“力になりそうな情報”を貰った。」

 

「え…じゃあ、召使の過去の記憶って…」

 

 

 もしや一度召使は記憶喪失になっているのだろうか。パイモンはそんな考えてが浮かび、シキの方を見たが、そこにいたのはうんうんと満足気に頷くシキがいた。

 

 

「あの記憶は美しいものだった…キッタナイ欲望より来る願いではない、純粋な想いから来る願いであった。喰らうには惜しかった故、見るだけにして望みのものを渡したまで。」

 

「ならば、もし貴方を利用した世界征服の様な願いであれば…?」

 

「即喰い散らかす。我、面倒事キライ。」

 

「……わかったか旅人。俺達がコイツを放置できた唯一の安心できる要素がこれだ。」

 

「うん。たぶんこの性格じゃなきゃテイワット滅んでるよね…」

 

「間違いなくな…」

 

 

 旅人は神達の気苦労がわかった気がした。

 ちなみに、後で崇めるのは良いのかと聞いたところ、「飯持ってきてくれるから放っといてた。」らしい。なんとも適当である。

 

 

「ここから少し…いやかなり恥ずかしい話なのだが…その後、すぐに【鳥】は消えようとしていてな…」

 

「当然。用事が済んだら帰る。」

 

友人(グリーヴ)にもあのこの綺麗な羽を見せてやりたくて…引き千切ってしまったんだ。」

 

「なにやってんだお前ぇ!?」

 

 

 気恥ずかしさからか、少し顔を赤くする召使。少女の様な可愛らしい顔をしているが違う。そうじゃない。

 パイモンの綺麗なツッコミに旅人達は共感し、幼き頃の召使にちょっと引いた。

 

 

「いや、アレは驚いた。初めて味わう“痛み”というものに対しても驚いてな。【原野】に帰る途中だったこともあり、そのまま連れてきてしまった。」

 

「そこで初めて【原野】に行き、【鳥】に喰われかけてな…」

 

「危なかった。驚きと痛みで半狂乱であった。幸い、喰う直前で踏み止まり、元の場所へと帰せたが。」

 

「……流石にトラウマになってな…少し狂った。」

 

「我反省。すまんかった。ゴメンちゃい。」

 

 

 この話を聞いた旅人達の心は一つだった。

 そりゃあそうだろうと。というか、よくその程度で済んだなと。

 

 

「それ以来、貰った情報を用いて訓練しながら成長し、気付けば今の状態になった。」

 

「役立ったのなら良かった。我安心。」

 

「………旅人、オイラ、急に疲れたぞ…」

 

「うん…今日はお開きにしようか。皆も、良いかな?」

 

 

 反対は無かった。皆すぐに帰って今日得た情報を整理したい気持ちでいっぱいだった。

 こうして本日の集まりは解散となり、各々帰路についた。

 

 

「あ、旅人。旅人。」

 

「ん?どうしたの?」 

 

「我、報酬貰ってない。」

 

「あー…そうだよね、他の国に行くほうが早いけど…」

 

「もう夜だぞ…」

 

「そうか。そうか。ならば明日以降だな。しかしもう一つ問題がある。」

 

「まだ何かあるのか?」

 

「我、寝床がない。」

 

「「は?」」

 

「【原野】はもう飽きた。それにこの身体、割と快適である。」

 

「あー…そっか。あの島洞窟だし…何か変なの(SCP-1777-JP)いるし…」

 

「提案。ここの部屋を貸してほしい。」

 

「ん〜…確かに各国を案内するなら私も呼ばれるだろうし…壊さなければ良いよ。」

 

「感謝。礼にこれを…」

 

「……ナニコレ。」

 

「布団。我の抜けた羽を入れた布団。人は鳥の羽を纏い、寝るのだろう?」

 

「……これ、羽毛みて発狂したり…」

 

「なにやらねこが染めていた。故に大丈夫。ねこの愛用品。」

 

「だいじょうぶです。すばらしいものです。おたからです。」

 

「な、なら使ってみようかな…ありがとう。」

 

「こちらこそ、世話になる。」

 

 

 その晩、旅人は一つの神器を手に入れた。

 

 

「___悔しいっ…もう抜け出せないっ…!」ヌクヌク

 

「ズルいぞ旅人ぉー!オイラも入れてくれぇー!」

 





 《新アイテム》
 【緋色の布団】☆☆☆☆☆

 例の【鳥】の羽毛布団。常に程よい温度を保ってくれるため、コタツにすれば電源要らず。一度使うと抜け出せない。
            ___ねこもそうおもいます。





SCP-2000-JP
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2000-jp



 当初よりわんこは突っ込む予定ではいました。
 そこにマハールッカデヴァータに関するミスが感想欄から見つかりましたが、なんかわんこによって上手く行きそうなので通します。(ゴリ押し)
 たぶん弊ワットの天理は諸々の異常に気付けても涙目で眺めるしか無いと思う。まぁ相手が鳥だからね。仕方ないね。

 女の子が圧倒的上位存在に魅入られて震えてるシチュエーションって結構需要あると思うんだ。思え(豹変)。

 既にお答え頂いてる人いますが、アンケートよろしくオナシャス。

さて、どの国から行こうか。

  • やはり自由の国モンド!
  • 美味い飯が多い璃月!
  • 元々近くにいたよ稲妻!
  • 独自の文化を誇るスメール!
  • 技術と歴史あるフォンテーヌ!
  • あの、戦時中なんすけど…ナタ!
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