いしきのまじん   作:流浪の職員

8 / 9

 少し遅くなり申した。反省の意を置いときます。

 スッ…(´・ω・)つ(謝意)



 皆さんのコメントが面白い。鋭い。( ᐛ )。要望が凄い。

 あとめがっさ深読みしてくれてる方々、申し訳ない。作者3rd知らんのです。スタレはこないだ黄泉引いて始めたばかりなのです。

 それはともかく、おい一部の感想ふっざけんな。クソトカゲなんて出してみろ。それこそテイワット終わるわ。
 図形もやぞ(ブチギレ)。


第一章〜モンド編〜
8.もんどへようこそ


 

「“モンド”にしよう。」

 

 

 シキは深く悩み、最初は自由の国“モンド”へ向かうことを決めた。

 

 

「モンドね。わかったよ。」

 

「久しぶりじゃないか?」

 

「そうだね。モンドは自然が綺麗だよ。その前にジン団長のところに行かなきゃだけど…」

 

「ばるばとすにもあわなければなります。せん。」

 

「あー吟遊野郎(ウェンティ)なら…うん、そのうち会えるぞ!絶対!」

 

 

 どうせエンジェルズシェアで飲んだくれているだろう。

 あの魔神、いくら自由をモットーとした国だとは言え、自由すぎるのではなかろうか。

 

 

「とりあえず、西風騎士団に行こっか。それじゃあ、準備は良い?」

 

「無論。」

 

「もちものもないです。から。」

 

 

 旅人は先に塵歌壺から出て、塵歌壺をアイテムとして持ち、モンドの城門前までワープした。

 その後塵歌壺を取り出し、中に入ってシキ達を呼び、外に出てから塵歌壺を仕舞った。手間ではあるが、稲妻からモンドまでの距離と移動時間を考えると、これぐらいの手間は受け入れることができる。

 

 

「……これが…モンド…」

 

 

 シキは初めて己の目で見るモンドの美しさに感動した。一切の表情筋が動いていないものの、確かにその心は揺れ動かされたのだ。

 

 

「じゃ、まずは西風騎士団本部に行くよ。」

 

「疑問。バルバトスの所では無いのか?」

 

「アイツ、神っちゃ神だけど…モンドの運営には一切関わらないんだ。」

 

「だから“神が去ったモンド”なんて言われ方もするぐらい。」

 

 

 旅人の顔パスで城門を通り、真っ直ぐに西風騎士団本部へ向かう。騎士団本部では、今日も訓練する兵士達の掛け声が響いている。

 本部に入り、そのまま団長室へ向かう。

 

 

「ジーン、いるー?」

 

 

 ノックもせずに扉を開け放ち、許可もなくズカズカと部屋に入り込む。まさに旅人クオリティー。

 

 

「君か。せめてノックぐらいは…」

 

「いいじゃんか。それより、今日からモンドを回ろうと思っててさ。」

 

「モンドを?今更何故…あぁ、そこの彼か?」

 

「そうそう。報酬だからね。」

 

「…待て、旅人。報酬というのは…?」

 

「……ジン、誰かわからない?」

 

「…もしやどこかで会ったことがあるのだろうか?だとしたら済まない。」

 

「……ねぇジン。最近寝たのっていつ?」

 

「………きの「ジン?」……3日前です…」

 

「どおりで…」

 

 

 旅人が三徹目の告白をジンから聞き出したとき、後ろでゆらりとシキが揺れた。

 

 

「シキ?」

 

「…………臭い。」

 

「なっ…!?」

 

 

 空気を読まないふぁっきんばーど。包み隠さぬふぁっきんばーど。あろうことか乙女に向かって臭いと言ってのけた。

 

 

「なっ、け、今朝ちゃんとシャワーは浴びて、今日は汗もかいていないはず…た、旅人!私は臭うのか!?」

 

「え、全然いい匂いで…って違う!シキ、説明を、説明を求む!」

 

 

 流石の西風騎士団団長も顔を真っ赤にし、慌てて旅人に確認に迫った。物理的にも迫ってきたジンの胸元から香る匂いに旅人は一瞬花園を見た。

 

 

「臭い。臭い。悪しき匂い。負の匂い。辛さ。苦しさ。眠気。我慢。義務感。責任。」

 

「………と、言うか君は誰だ!婦女子にいきなり臭いなどと…わ、私も一人の乙女であってだなぁ!」

 

「我?我、【鳥】。【緋色の鳥】。【認識の鳥】。この間ぶり。」

 

「…とり?…とり……緋色の…〜っ!?」

 

 

 ジンは思い出した。七神全員が警戒していた、かの邪智暴虐な発狂バードを。そういえば最後に塵歌壺で見た時には人形であった。

 その時旅人はシキが感情を食べる事と言っていたことを覚えており、臭いと言った訳がなんとなく分かった。それ故、お仕置きを考えていた。

 

 

「シキ。一番臭うのは?」

 

「睡眠欲。3日と言ったが、正確には週頭からだろう。」

 

「シキ。匂いのもとは絶たなきゃいけないよね?」

 

「是。是。そういえば旅人を虜にした布団があったな。」

 

「………シキ、GO!」

 

「否。ねこ、任せた。」

 

「わかりました。」

 

 

 シキはねこに例の「緋色の布団」を手渡し、ねこは一瞬にしてジンを布団で包んだ。

 

 

「なっ、な に ぉおぉぉ〜…???」

 

 

 ゆめへいざなえ緋色の布団。過労。徹夜。ダメ絶対。

 ジンは死んだ。

 

 

「旅人。旅人。コレはどうする。」

 

「とりあえずリサさんにお願いかな…」

 

 

 ミノムシ(ジン)は旅人に担がれ、司書の仕事をしていたリサに手渡された。

 また寝てねぇのかとリサはキレた。

 

 シキは旅人に連れられ、朝食がてら『鹿狩り』にやって来ていた。

 

 

「とりあえず朝ご飯にしよっか。」

 

「ようやくだな!オイラ、もうお腹がペコペコだぞ!」

 

「旅人。旅人。ここが『レストラン』というところか?」

 

「そうだね。モンドの食事店と言えばここさ。」

 

 

 メニューを見ながら1つのテーブルを囲っていた旅人達に、気付けば風神バルバトスことウェンティが混ざっていた。

 

 

「吟遊野郎!?」

 

「ウェンティ!?」

 

「やぁ旅人、パイモン。それにシキ、ねこも。」

 

「バルバトス。どうした?」

 

「おはようございます。」

 

「おはよー。流石に君が来るなら監視の意味も込めて…ね。」

 

「そうか。」

 

「そうですか。」

 

「いやいや、あっさりしすぎだろ!?もうちょっとなんか、こう…」

 

「普通では?」

 

「ふだんどおりです。ねこはそうおもいます。」

 

 

 シキは動じなかった。何故なら、昔から『島』以外へ行くときは監視という名目で、いつも七神クラスが側にいることが常であったからだ。

 

 

「それに、頼みがるんだけど…」

 

「頼み?」

 

「また何か事件か?」

 

「………忘れちゃった♪テヘッ」

 

「テヘじゃないだろぉ!」

 

 

 流石自由の国の神。ガバガバである。

 ウェンティも加わり、賑やかな朝食を取りながら今日の予定を決める。シキとしては、美味いものさえ食べられれば何でも良いため、特に希望がなかった。

 

 

「あーそうだそうだ。思い出したよ。」

 

「さっき言ってた“頼み”?」

 

「そうそう。シキには教会に寄って欲しいんだ。少し、会ってもらいたい人がいてね。」

 

「教会っていうと…ロサリアとか、バーバラか?」

 

「いやいや、旅人達も会ったことは無いだろうね。でも恐らく…と言うか、十中八九シキならわかると思うよ。」

 

 

 旅人はなんとなく理解した。また敵に回しちゃイケナイ系だろうなと。

 パイモンはわからなかった。どれだけ考えてもモンドの、しかも教会でウェンティから勧められる様な人が思いつかなかった。そもそも会ったことがないと言われていたのを忘れている。

 

 

「ちなみにシキ。それ10品目だけど…まだ入るの?」

 

「限界は無く。」

 

「ねこもありません。」

 

「そ、そう…」

(どうしよう…このままならモラが尽きる…ウェンティはどうせモラなんて持ってないし…)

 

「………旅人。旅人。外ではモラと言う“対価”が必要なのだろう?我は“識っている”。」

 

「う、うん。そうだよ。それにこの勢いでシキがご飯を食べると…その、私のモラが…」

 

「憂うな。案ずるな。我が食事の対価は、我が用意する。今の世の摂理である。無論、旅人にも還元しよう。」

 

「本当!?よ、よかった…」

 

「だがしかし。元手がいる。素材がいる。」

 

「そ、その…もうそこまでモラは…」

 

「故に狩りに行く。」

 

「以外とアグレッシブだな!?」

 

「ねぇパイモン。この機会にパイモンも働いてみない?」

 

「えぇ!?お、オイラは旅人のガイドで忙しいから…」

 

「しろまんじゅう。ちゃんと働く。なさい。」

 

 

 ちなみに鳥、鹿狩りでも値段が高い方の『漁師トースト』が気に入ったようで、食べた殆どが漁師トーストだった。旅人の財布は大幅なダイエットに成功した。

 

 

「で、モンド城の外に出た訳だけど…どうするんだ?」

 

「素材集め。ひたすらに。」

 

 

 シキは今まで“喰らった”知識から『冒険者ギルド』の存在や、素材の価値等は識っている。

 

 

「…ところでシキ。武器は?」

 

「無いが?」

 

「どーやって狩りをするんだよ!」

 

「普通に。」

 

「…ウェンティ、わかる?」

 

「ごめん、僕にもさっぱり。」 

 

 

 武器も持たずにどうするのか。旅人達には全くわからなかった。

 しかしシキは歩いた先で見つけた猪と、“目を合わせた”。

 

 

「……」

 

「どうだ。」

 

「…ギリギリ、法器…かなぁ?」

 

「まぁ法器は元素による攻撃だから…一番誤魔化しはきくだろうね…」

 

 

 【緋色の鳥】としての力を使い、目を合わされた猪は精神を【原野】まで連れ去られ、魂ごと頂かれた。反則級の即死技である。

 ちなみに傷一つないまま冒険者ギルドに買い取られた猪は、そこそこのモラになった。

 

 

「ふむ…」

 

「凄いね…これなら一日買い食いしてすごせるよ…」

 

「我歓喜。それと昼は美味かった。ごちそうさま。」

 

 

 昼食はモンド城の外で、旅人お手製『鶏肉のスイートフラワー漬け焼き』を食べた。シキ的にはかなりヒットだった。

 

 

「午後はどうする?」

 

「バルバトスの頼みとやらを。教会へ行けと言っていた。」

 

「あぁ…そういえばそうだったね。忘れてたや。」

 

「お前が言ったことだろ!」

 

「まぁまぁ。たしか丁度今日が()()()だから…うん、教会に行こう!」

 

 

 こうして旅人達はモンド城へ戻り、風神バルバトスを崇める西風大聖堂へと向かった。

 

 

「…あれ?」

 

「なぁ旅人。ここって、こんなに人が集まってたっけ?」

 

「ううん。」

 

 

 大聖堂前の風神像がある広場。いつもはちらほらと人が見られる程度だが、今日の広場は大量の人で埋め尽くされていた。その中にはモンド以外の国の人も見られる。

 

 

「ねぇウェンティ。今日は教会で何かイベントがあるの?」

 

「うーん…イベントと言えばイベントかなぁ。最近、月に一度、ぐらいの頻度で懺悔室と言うか…愚痴を言う部屋みたいなものが出来たんだ。」

 

「へぇー…バーバラ、そんなこと始めたんだ…」

 

「それがどうやら、教会のシスターじゃないみたいなんだよねぇ。」

 

「どういうことなんだ?まさか、教会と全く関係ないヤツが勝手にやってたり…」

 

「確かに関係はないらしいけど、ちゃんと教会に許可を取ってやってるみたいだよ。その証拠にほら。」

 

「あ、バーバラと…ノエル?」

 

「本当だ。とりあえず、二人に話を聞いてみようぜ。」

 

 

 旅人は、広場の奥、教会に近い場所に建っている見慣れぬ小屋の側にいたバーバラとノエルを見付けた。

 よくよく見ると人垣は一列になっており、群衆の中を苦労して通り抜け、やっとの思いでノエルとバーバラのもとまで辿り着いた。

 

 

「おーい、ノエル!バーバラ!」

 

「あっ、旅人にパイモン!久しぶり!」

 

「お久しぶりです。旅人さん。パイモンさん。」

 

「おう!それで聞きたいんだけど…この人だかりは、一体何なんだ?」

 

「これですか?ええっと…バーバラさん。」

 

「うん。旅人達が璃月に向かってから、魔物っぽい人が教会に来てね。」

 

「ま、魔物ぉ!?ヒルチャールみたいなやつか!?」

 

「うーん…ちょっと違うんだけど…その人は西風騎士団に連れられてこの大聖堂まで来てね。その人の悩みを聞いてあげたら、恩返しに何かしたいって言われて…それで…」

 

「“懺悔室”とかいうやつって訳か。」

 

「本人があまり人と関わりたくないみたいで…でも、とってもいい人なんだよ!こっちの悩みを親身に聞いてくれて、アドバイスまでくれるの!」

 

「ウェンティ、聞いた感じすっごくいい人そうなんだけど…わざわざ会う必要あるの?」

 

「さっき、シスターさんが魔物っぽい人って言ってたでしょ?僕がチラッと見た感じが、どうもテイワットの魔物っぽい感じがしなくて…」

 

「それで我に?」

 

「うん。君なら何か知らないかと思って。」

 

「………流石にこの列に並ぶ気はないぞ。」

 

「……そうだよねぇ…」

 

 

 いったいどこが最後尾なのだろうか。一列に並んでいるとはいえ、教会から最後尾が見えない程に人が集まっている。

 

 

「ねぇバーバラ。もしかしたら、このシキがその人の…種族?がわかるかもしれないの。だからどうにか、その人に会えない?」

 

「うーん…旅人の言うことだし信じたいけど…初めて会う人だし、彼はどんな人なの?」

 

「簡単に言えば、稲妻とか他の国の神様達の知り合いかな。」

 

「………ごめん、ちょっとわかんない…」

 

「ま、まぁ身元は神様が保証するから…お願い!」

 

「ん〜…その人、“ハスター”さんって言うんだけど…ハスターさんは本当にあまり人と直接会いたがらないの。だからハスターさんに聞いてみるね。」

 

「ありがとうバーバラ!」

 

 

 バーバラは小屋へ向かい、一、二言話した後すぐに戻って来た。

 

 

「ど、どうだった…?」

 

「うん、ハスターさんが会っても良いよって。ただ、並んでる人をどうにかしなきゃだから、晩御飯の時でもいいか?だって。」

 

「オイラ達は構わないぞ。いいよな?」

 

「異論無し。」

 

「もんだいありません。」

 

「じゃあそう伝えて。晩御飯…5時間後ぐらいに教会に来ればいいかな?」

 

「うん!そう伝えるね!」

 

「バーバラ、ありがとな!」

 

 

 旅人達は件の人物と約束を取り付け、他に用もなかったので早々に大聖堂を離れた。

 特にやることもなかったため、暇潰し&金策として、約束の時間までシキは旅人達と共に外で狩りをしていた。

 中々の成果を得られ、シキはしばらく支払いには困らない程度のモラを得た。

 

 そうして約束の時。

 辺りは既に暗く、エンジェルズシェアやキャッツテールの方から酔っ払い達の喧騒が聞こえる。

 旅人達は既に大聖堂の中にいた。

 

 

「おーい、バーバラー!」

 

「あっ、旅人!」

 

「それで、この人が“ハスター”さん?」

 

「そう!」

 

「よろしく頼む。」

 

 

 バーバラの隣に立っている、フード付きの外套で全身を隠したハスター。デカイ。バーバラ二人分程の身長のハスター。声は低めで、恐らく男性であろうことが伺える。

 

 

「夕食がてら話がしたい。どこか…ないか?」

 

「うーん…ならエンジェルズシェアかなぁ…」

 

「そうだな。ディルックの旦那ならきっと、2階の席を貸してくれると思うぜ。」

 

「ならエンジェルズシェアに行こう。ハスターさんもそれでいい?」

 

「我はどこでも大丈夫だ。案内を頼む。」

 

 

 旅人達はエンジェルズシェアへ向かい、たまたまディルックが店番をしていたため、お願いして2階の人が来ない席を貸してもらった。

 

 

「店主さん、悪いが今日は誰も2階に上げないでくれないか?」

 

「…旅人もいることだ。まぁ良いだろう。しかしよく俺が店主だとわかったな。初見だろう?」

 

「他の店員さんの視線さ。飲み物は後で取りに行くよ。」

 

「ふむ、承知した。旅人、くれぐれも店を壊すなよ。」

 

「そんな暴れる人じゃない…はずだよ。」

 

「心配すべきはこの飲ん兵衛だろ…」

 

「安心しろ。そこの吟遊詩人は今日帰すつもりはない。キッチリ今までのモラを払ってから帰ってもらう。」

 

「えぇ〜!?」

 

「出禁にされないだけありがたく思え。」

 

 

 その後適度な食事とお酒をテーブルに並べ、夕食会が始まった。ディルックは頼まれた通り、店員にも2階に行かないよう伝えていた為、2階は貸し切り状態だ。

 

 

「問。バルバトス、何故我とハスターを会わせた。」

 

「それは…」

 

「あぁ、大丈夫だ。フードも取ろう。」

 

 

 フードを取った大柄なハスターの頭は、確かに魔物の様な人型の頭部だった。どちらかといえばタコに近いだろう。

 

 

「これが俺の正体さ。」

 

「……貴方は…魔物?」

 

「う〜ん…そうとも違うとも言えるんだよなぁ…」

 

「そうか。そうか。バルバトス、理由がわかった。」

 

「うん?シキ、何がわかったんだ?」

 

「確かに我はコイツを識っている。コイツは我を知らぬだろうが。」

 

「えぇ!?」

 

「我を知っていてその態度とは…汝、何者だ?」

 

「ふむ…わかりやすく言おう。我は【鳥】。【緋色の鳥】。【認識の鳥】。“444”と言われた。隣のは“040”。」

 

 

 ハスターは驚いて椅子から崩れ落ちた。

 

 

「お、おま、お前…!?」

 

「初めまして?“2662”。何故この世界にいる。」

 

「こっちのセリフだ!おい汝ら!何故こんな超ド級危険認識災害共と一緒にいる!?てか汝!汝こそ何故ここにいる!?」

 

「知らん。気付けばここに。」

 

 

 旅人はハスターがシキと同じ様な存在と知り、あぁやっぱりかと悟りを開いた。パイモンはショートした。

 

 

「まぁそこの風神が呑気にしてるし、とりあえずは良いか…それで、何故我に会いたいと?」

 

「知らん。バルバトスに言われたまで。」

 

「で、風神さんよ、どういう訳で?」

 

「えっと…君、シキ君と同じでだいぶ厄介な力があるだろう?それも制御できないやつ。シキ君なら君の悩みも解決できないかなーって。最近、モンドの人々を助けてくれてるみたいだしね。」

 

「どういうこと?」

 

「我のことだ。我から説明しよう。」

 

 

 ハスター曰く、ハスターはこのテイワットに属さない“邪神”であり、元は違う世界にいたのだが、自身の持つ厄介な力のせいでここまでやってきたらしい。

 

 

「その力って?」

 

「…我が邪神だと言っただろう?世の中にはな、よくわからん宗教団体が我を崇め、度々我の元まで追ってきてな…何かとやってくれるんだ。」

 

「やってくれるだけならいいんじゃ…」

 

「アホか!?いいかよく聞け!?あの気狂い共は我に奉仕するために来るんじゃない!」

 

 

 酒が入った為か、よく喋るハスター。ウェンティも、まさかここまで鬱憤を溜め込んでるとは思わず、少し引いていた。

 

 ハスターは語る。

 

 曰く、いきなりやってきたかと思えば、ナイフで自身の手を切り、その手で自慰行為を行った後、様々な液体が混ざったものを自身に塗られた。

 

 曰く、朝食を取っていたところに急に子豚を連れてきて、朝食皿にその子豚の睾丸を添えられた。いらんと言えば今度は子豚の生首を切り落とし、差し出された。

 

 曰く、目の前で男女数人が急に全裸なったかと思えば、それぞれの臀部と大腿部にこれまたよくわからないシンボルを彫り、複数人で入り乱れ始め、その輪に入れられそうになった。一度辞めろと言うと行為を止め、よくわからないことを言い出し、首を傾げていればまた目の前で行為が始められた。

 

 

「もうそんなんばっかで!我平穏に過ごしたいだけなのに!どうしてぇ!!!」

 

 

 旅人はこの哀れな邪神の気持ちがよくわかった。コレは酷い。流石に酷い。あまりにも酷すぎる。一同ドン引きであった。

 

 

「それで、テイワットに来てからはどうだったんだい?」

 

「…念の為、海中に寝床を作り、この世界の人々との接触も最小限にしてきた。テイワットの人々に今の所影響は見られなかったが…」

 

「かったが…なんなんだ?」

 

「……元の場所の奴ら、世界の垣根超えてきやがった…!」

 

 

 ある日目が覚め、水上に上がったところ、元の世界で見たエンブレムを身に纏った水死体がいくつか見つかったらしい。

 

 

「その…なんで懺悔室みたいなことを?」

 

「ここの人達は大層親切で…恩は返すべきだと思ったからな。できる事と言えば、愚痴を聞く事ぐらいかなと。」

 

「それであそこまで人気になるなんて…」

 

「まぁ我、ギリギリ成年とはいえ200歳だから…なんとなく悩みとか、愚痴の理由もわかるというか…」

 

「経験が違う…!」

 

「それで、話は戻るんだけど…シキ、どうにかならないかい?」

 

「むしろどうにかできるのか?いくら444でも…」

 

「可能。」

 

「マジで!?」

 

 

 ハスターは勢い良く立ち上がり、シキの両肩を強く掴んだ。

 

 

「汝、嘘じゃないよな!?嘘だったら…アレだ!末代まで祟るぞ!?」

 

「是。恐らく可能。故に問う。貴様、分体は作れるか。」

 

 

 シキの案は至ってシンプル。

 本体を【原野】に置いておき、テイワットでは今のシキの様に人の身体で活動する。意識だけ分体に移せば、例の狂信者共は【原野】で【鳥(シキ)】に美味しく頂かれると言う算段である。

 

 

「…聞く分には良さげだが、我分体など作れぬ。」

 

「ならば我が作ろう。我とねこのこの体、元はテイワットの人のモノなれば。」

 

「そうなのか!?」

 

「あぁ。今まで喰ったモノをこねくり回して出来たのが今の我とねこだ。なんとかなるだろう。」

 

「ホントマジでお願いします静かに暮らしたいだけなんです…」

 

 

 ハスターは真剣に土下座した。

 

 

 

 

 〜その後〜

 

「お〜い、ハスター()()ー!」

 

「む、パイモン。それに旅人か。久しいな。」

 

 

 西風大聖堂に、生き生きと働くモンドで大人気の神父が1人、新しく就職したとか。





SCP-2662
http://scp-jp.wikidot.com/scp-2662



 (クソトカゲ及び図形の登場予定は今の所)ないです。
 ただこの不憫キャラは出したかったから前書き伏線的にはちょうど良かったかもしれぬ。

 前あった感想みたいに、スタレの設定だと〜、とか3rdだと〜、とか指摘あったらむしろ教えてクレメンス。新たな話が浮かぶやもしれぬ。



 …食べ歩きする認識災害とはこれいかに。

次はどこに行こう?

  • ストーリーをなぞって璃月!
  • 1回帰ろうか稲妻!
  • 犬に会いに行こうスメール!
  • アケロイド警察だフォンテーヌ!
  • 何人飛ぶ(死ぬ)かなナタ!
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