今更始まる摩訶不思議アドベンチャー   作:ただのトーリ

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長すぎてふたつに分けることになったよ…。


プロローグ2

 

「いいかキーニ、お前の力は大したもんだが如何せんムラがありすぎる。怒りで引き出した時の力は間違いなく最強かもしれないが、それじゃダメだ。常に最高のコンディションを維持しつつ潜在能力を操れるようにならなければ宝の持ち腐れだ」

「はいっ」

「まずはスーパーサイヤ人にならないで組手だ」

 

 

 神殿から離れるように空を飛び、十分距離を取ったところで停止する。

 

 ピッコロさんと向き合い、戦闘態勢に入る。

 

 数秒の沈黙の後、どちらともなく攻撃を仕掛けた。

 

「はぁっ」

「ずぁ!」

 互いの拳がぶつかり合う。それだけで空気が揺れるのを感じる。

 

「だだだだだだだだ!!」

「でりゃりゃりゃりゃりゃ!」

 

 高速の拳とケリの連打を応酬する。

 腕の長さが苦しくなってきたところで蹴りが迫って来た、それを後方にさがりつつ気弾を牽制に放ち下がる。

 

 もちろんその程度は左手で弾きながら追いかけてくるピッコロさん。ただこれで片腕を振り上げた状態になった。

 

 急遽反転し、左腕を上げた事で空いた脇腹目掛けて小さな気弾を数発連射する。通常はバスケットボールほどの気弾だが、これは野球ボールくらいのサイズ。

「ちぃ!」

 それを避けるためにピッコロさんは後方に飛び退くが、飛ばした気弾はまるで意志を持ったかのように追従する。

「はぁっ!」

 それを大きなエネルギー波でかき消すと、今度は一転して気弾の連射を行ってきた。

 

「くっ!」

 一発一発の威力が私のそれとは段違いだというのに速度もあるとか!

 さらにいえば、この人は無駄な連射をしないタイプだ。

 一手一手に理由を持たせることが多い。そんな人が連射する時は・・・。

 

「やっぱりか!」

 

 周囲に停滞する気弾の群れ。

 それらはまるで檻のように逃げ道を塞ぎながら、ジリジリと今も尚攻撃のときを待っているようだった。

 

「魔空包囲弾!」

 

 咄嗟に私はこの世界でいちばん有名な技を放つ。

「かめはめ・・・波ーーー!」

 巨大なエネルギー波によって技の一部をかき消す。そこを滑り込むように突撃をして包囲を抜けるが……。

 

「まってたぜ」

 

 先回りしていたピッコロさんによって私は撃ち落とされてしまった。

 

 

 

 

 

「うう・・・くやしい」

「お前が勝とうなんざ十年早い。まあ、スーパーサイヤ人があれば別だろうがな」

「私は変身無しでピッコロさんに勝ちたいの!」

 

 私の言葉ににやりと笑みを浮かべながら「いい心構えだ」と呟く。

 

「だが、お前らサイヤ人の真骨頂は基礎を上げた上での変身による倍加だ。もちろんその考えはいいが、自分の特徴を潰すような修行だけはするなよ」

「はいっ」

「じゃあもう一度だ!!」

 

 

 

 それから短くも濃い組手を何度も繰り返した。

 途中からはスーパーサイヤ人が解禁されたけど、さすがは悟飯さんの師匠なだけあって力もスピードもかなり上がってるはずなのに、技術だけで軽くいなされた。

 

 本当に強い。

 怪我をするとデンデが直してくれるので思いっきりやったけど、途中で「少しは怪我を避ける努力をしてください」と怒られた。ぐすん。

 

 

 

「しばらく休憩だ」

 

 

 夕方前になってようやく休みになった。

 そういってピッコロさんは悟空さんの所に用事があるそうで、下界へと降りていった。

 

「ふいーー」

 

 それを見送ってごろんと、神殿前の広場で転がっているとちょっと眠くなってきた。

 少し仮眠をとろう・・・。

 

 

 

 

 ん?

 

 随分と寝ちゃってたみたいだ。空が暗くなって……え!?

 

 そこにはいつの間にか神龍が現れていたのだ。

 この暗さは夜になったとかではなく、神龍によるもの!?

 

 誰が呼んだの!? ピッコロさんが「不要な争いが起きるからしばらく隠す」って神殿に回収して安置してたのに!

 

 急いで駆け寄ると、そこには懐かしい姿の三人組がいた。

 

「お前たちは!」

 

「なんだ誰だ!?」

 

 振り返ったのは青白い肌に少しヨボヨボで、胸に「炒飯」の文字を少し崩したマークを付けた魔族だった。

 

「ピラフ大王! なんでここに!」

「ほぉー? ワシを知ってるとは随分と有名になったもんだ! やはりワシは世界征服をするだけの器があるということだな!」

「さすがですピラフ様!」

「よ! 世界一!」

 

 横にいる犬とちょっとと年を食ったおばさんがヨイショする。

 

「いつも悟空さんの邪魔ばかりするポンコツ三人組でしょ! なんでここにいるのよ!」

 

 ぽんこつという言葉にコミカルなずっこけを見せる三人。

 

「誰がポンコツだ! それに貴様、悟空と言ったな! あのクソガキの知り合いか!」

「私はキーニ! 孫悟空さんは私の叔父さんよ!」

「叔父だとぉ!? 確かに見てみればあのふてぶてしいムカつく顔の面影がどこかあるようなないような……ええい、その顔は見てるだけでも腹が立つ! 貴様みたいな小娘は1人で寂しくさ迷ってろ!」

 

 

『容易い願いだ』

 

「へ?」

「え?」

 

 

 私とピラフ一味の声が重なった。

 

 見上げると神龍が私を見つめ、瞳を光らせる。

 

『ではその少女をこことは別の世界に転移させよう』

「ちょちょちょ!?」

 

 なんでそんなことになるの!? まさか、ピラフのさっきの言葉を願いだと勘違いした!?

 

 だからってなんで別の世界なのよ! 別の星とかでもいいじゃない!!

 

 そんなもんをく言うまでもなく、私の体の周りに光のスパークが走る。

 

「う、嘘でしょ!?」

 慌てていると、そこのピッコロさんとパパが戻ってきた。

 

「キーニ!」

「どういう事だこれは!」

「パパ! 助けて!!」

 

 手を伸ばすが、パパの手は私を取り巻く光に弾かれてしまう。

 

「くっそーー!!」

 

 スーパーサイヤ人になって突撃してくるが、それすら阻む壁。

「キーニ! 待ってろ必ず助けるからな! 諦めるな!」

「パパっ! パパっ!」

「うおおおおおおおお!」

 

 ひかりのかべを殴る拳から血が溢れてもとまらない。

 だがついに視界がかすみ始めた。

 

「キーニ! 必ずドラゴンボールでお前をこの世界に呼び戻してやる! 待ってろ!」

 ピッコロさんもピラフ一味をねじりあげながら鬼気迫る顔で叫ぶ。

「わかった! 信じてる! パパ、私っ絶対あきらめない! だからパパも信じて!」

「キーニィィィィィ!!!」

 

 

 パパの絶叫を最後に、私の意識は遠のいた。

 

 

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