蛍
個性:自由な風
変幻自在に風を操れる
春、それは高校生活の始まり!
「準備できた?」
「バッチリだぜ!」
「似合ってるよ」
「へへん!オイラは何着ても絵になるからな!」
雄英は私のは当然として、なんとパイモンにも制服を届けてくれたのだ、しかもサイズピッタリ、いつ測ったんだろう?そういう個性の人でもいるのかな?
入学するにあたって知り合いから入学祝いという事で自転車を作って貰った、けどこれで登校距離には困らない、意外と遠いから助かった。
「パイモン、多分道中危ないから私のカバン入る?」
「オイラはお前のフードの中に入るから大丈夫だぞ!」
「そう?なら振り落とされないでね?」
「おう!あ、おにぎり食べてもいいか?」
「さっき食べたばっかじゃん...こぼさないでよ?」
つくづく甘いなあ、と思いつつ雄英へと自転車を走らせた、結局フードの中にはおにぎりの具だった鮭がポロポロと溢れていた、今度は塩おにぎりにしてあげよう。
「えっと1ーAはどこだろう」
「マズいぞこのままだと遅刻しちゃうぞ!見ろ、あそこじゃないか?
あのモジャモジャ頭なんだか見覚えがあるぞ」
「あー!プリンの人とモサモサ頭の人!」
校舎へと入り迷いそうなったがなんとか辿り着くとそこには試験で助けたモジャモジャの男の子と吐いた女の子に出会った、私はその子にはプリンの人で覚えられているみたいだ。
「あの時、お礼言おうと思ってたのに気がついたらいなかったんやもん!その節はありがとう!」
「あ、あの時は、本っ当にありがとう...ございました!」
「ううん、気にしないで困ってる人がいたら助けるのは当たり前でしょ?」
「め、女神さまや...」
そんなんじゃないよ、と言いつつも照れながらドアを開けると、そこにはあの時の真面目メガネ君と髪が所々トゲトゲしている子が2人言い合っていた。
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の制作者方に申し訳ないと思わないか!?」
「思わねーよ、てめーどこ中だ端役が!!」
「ボ、俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」
「聡明〜〜〜!?クソエリートじゃねえかブッ殺し甲斐がありそうだなぁ!」
「ブッ!?君ひどいな、本当にヒーロー志望か!?」
真面目メガネ君...飯田はこっちに気づくとススッと近づいてきた。
「俺は私立聡明中学の...」
「聞いてたよ、あ...っと僕、緑谷、よろしく飯田くん」
おっ、これは丁度いいタイミングかなと思い私たちも伝えていく。
「ついでってわけじゃないけど、私は蛍、この子は...非常食のパイモン」
「全然違う!マスコット以下じゃないか!!」
空中で地団駄を踏むような仕草を見せ怒るパイモンを宥めるていると、もう1人の子も自己紹介をしようとしたが、後ろから視線を感じ思わずみなを庇うように剣を出し後ろを振り向くとそこには誰もおらず目線を下にすると寝袋に入ったくたびれた男がそこにはいた。
「下がって!」
「ど、どうした!?敵か!?」
「いい警戒心だ...だが俺は敵じゃないここの担任の相澤消太だよろしくね、わかったら武器をしまえ」
担任の相澤は寝袋から出てその中を弄るとあるものを出した。
「早速だが、体操服を着てグラウンドに出ろ」
▫️▫️▫️▫️
「個性把握テストォ!?」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ」
いや私、答辞あるんだけど、折角考えたのに...
「雄英は自由な校風が売り文句、そしてそれは先生側もまた然り」
自由、ここはひょっとしたらモンドかもしれない...いやそんなわけない。
相澤先生はやらなきゃいけない種目を言っていくがいまいちピンとこない、何の事だろうとパイモンに聞こうとすると自分の名前が呼ばれ前に出ていった。
「蛍、中学の時...やった事ないか」
「うん、何を言ってるのかさっぱり」
「悪かった、下がっていいぞ、誰かそいつに説明してやれ、その方が合理的だ...次席の爆豪、中学の時ソフトボール投げなんmだった?」
「...67m」
なんか爆豪って人に睨まれたんだけど、喧嘩売らないと生きれないの?
「じゃあ個性使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい、早よ、思いっきりな」
「んじゃまぁ...死ねえ!!!」
...死ね?わかった、こいつは暴言吐かないと生きていけないんだ。
手から投げられた...いや爆発して飛ばされたボールは勢いよく前方は飛んでいき相澤先生の手元にあった計測器の様なものに705と出ていた、おそらくこの数字は飛距離のことだろう。
これから個性の使用ありでの体力テストをいきなり行うと言われた、そして誰かが言った「面白そう」という言葉に怒ったのか、まさかの8種目トータルで最下位だったものは除籍処分になると...いや、入学初日から理不尽すぎない?
だがそんな理不尽を覆していくのがヒーローだと言われたら、みんな何も言えなくなった。
「やるからにはトップを狙おうぜ!」
「当然」
まず最初の種目は50m走だ、これはただ走ればいいだけだけど、どう個性を活かそうか、だが入学までの数ヶ月ひたすら個性を伸ばし続けていた私にとってはやりようはある。
「次、蛍、緑谷」
「じゃあ行ってくるね」
「頑張れよ、オイラが見守っててやるからな!」
スタート位置に立つと隣で一緒に走る緑谷に手を振ると何故か顔を赤くして目線を逸らされてしまった、何かしただろうか?
〈よーい...start!!〉
合図と共にゴールを背中を向けて風元素の力、旋風の剣を放ち勢いよくゴールへと飛んでいく。
「風刃!」
けれど、威力はそこまでだったため途中で落ちそうになったが今度は手を地面に向けて再び旋風を放ちゴール地点に着くことが出来た。
〈3秒14〉
もうちょっと早く出来たかも、これじゃあ遅いな。
続いて握力、これは個性を使えそうもなかったので普通にやった。
〈84キロ〉
「...こんなものかな」
「流石、蛍だな!」
(((((いや、充分すごいよ!?)))))
他の人は540とか計測不能を叩き出していた、それは勝てないよ。
続いて第3種目立ち幅跳びは風域を作り出し風の翼を展開し飛び続けた。
「それはどのくらい飛べる?」
「クールタイムも計算したらずっと飛べるよ」
「∞にしてやるから降りてこい」
「すげえ!∞が出た!ってかクールタイムって何?」
続いての反復横跳びは個性の使い所がなかったため普通にやった、そして先程やっていたソフトボール投げの所で種目は違えど∞を出した子が出てきた、あの子は麗日って言うんだ。
「次、蛍...お前の本気を見せろ、テストの意味がない」
「チャージが貯まってなかっただけだよ」
「...よくわからんが、そういうことにしといてやる、早よ」
ボールを上に投げた瞬間剣を出し、2回宙返りして竜巻を作り出した、これが私の元素爆発、旋風の息だ。
「風と共に去れ!!」
そう叫ぶように竜巻にボールを乗せ飛ばしていく、その竜巻は消える事なくただひたすら前に進み続ける。
「ちなみにあれは消えることはないよ、消せと言ったら消すけど」
ちょっと喧嘩腰に相澤先生に言うと手元の計測器には∞と表示された。
「に、2回目の∞だ!すっげえー!」
「フン!蛍ならあれぐらい余裕だぞ!」
「なぜ、君が誇らしげなんだ!?」
下がっていいぞ、と言われたので大人しくみんなが待機している所に戻ると、次の緑谷が相澤先生に何かを言われていた...ここまで個性を使ってるようには見えなかった、あのパワーが何か関係しているんだろうか。
「あいつ大丈夫か?なんであの時みたいにブワーン!って力出さないんだ?」
「多分、調整が出来てないんじゃない?」
「そっか、確かにあの時腕がバキバキだったもんな、うぅ〜思い出しだけでもゾッとするぞ〜」
クラス全員が見ている中、投げられたボールは勢いよく飛んでいき好記録を出したが人差し指が入試の時のように紫色に変色していた。
周りから様々な声が飛び交う中、爆豪がブチギレた様子で緑谷につっかかって行ったが相澤先生が首元についていた布のようなもので拘束されていた、その後聞いた話によると先生の個性は抹消と言って視た者の個性を消すことが出来るらしい。
「先生、少し時間もらっていい?彼の指を手当するから」
「手短にな、時間は有限なんだ」
「ちょっと痛いかもしれないけど耐えてね」
「へ...いやいや!だ、大丈夫です!本っ当に!」
「つべこべ言わずに手当てされろ!」
手当を終えると残りの種目も再開されどれも全力で挑み、テストは終了し。
そして結果が一括開示された、見ていると相澤先生から除籍はウソで私たちの最大限を引き出す合理的虚偽とみんな騙されて終わった、パイモンが「教師が嘘ついていいのかよ!!」と怒っていたけど、多分嘘ではないと思うけど。
そんなこんなで怒涛の初日が終わり下校時間となった。
「おーい!一緒に帰ろう!えーと、蛍ちゃんとパイモンちゃん...あ、蛍ちゃん自転車通学なんや」
「いい運動になるよ?」
「私も通学方法変えようかな...あ、私は麗日お茶子です!」
私たちはお互い2度目の自己紹介をして談笑をしながら歩いていると前の方に緑谷と飯田の2人が歩いていた、どうせならみんなで帰ろうと思い、合流しようと声をかけた。
「君たちは∞女子コンビ」
「飯田天哉くんに...緑谷...デクくん!だよね!!」
「デク!!?」
「ん、違うのか?だってあの時爆発野郎が「デクてめェー」って言ってたじゃないか」
「中々似ているな」
「ぶっ...似とる!」
パイモンが緑谷に突っかかった時の爆豪のモノマネをすると麗日は吹いてしまった。
「かっちゃんの真似なんて、度胸ありすぎるよ...え、えっと本名は出久でデクはかっちゃんがバカにして...」
「蔑称か」
「えー、そうなんだ、ごめん!!...でも「デク」って「頑張れっ!!」感じでなんか好きだ私」
「デクです」
「おい!ちょろすぎるぞ!」
帰りまでの道のりはいつもより軽く、楽しかった。
これから楽しい学校生活が待っていると思うとワクワクする。
自転車を届けてくれたのは綺良々です