神の目
人間の身でありながら元素力のどれか一つを感知し引き出せるようになる。また、身体能力も一般人とは比べ物にならないほど増強される。
これを持つ者は神になる資格がある。
「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイトそしてもう1人の3人体制で見ることになった」
何やら深みがある言い方だが、先日のマスコミの件のせいなのかどうなのかはわからないがどうやらそうなったのなら仕方がないと1人で納得しつつ机で寝ているパイモンをつついていると誰かが今日の授業の内容を聞いた。
「今日やるのは災害水難なんでもござれ人命救助訓練だ!」
これぞヒーローの醍醐味と言わんばかりに盛り上がっていると相澤先生が一喝すると静かになり説明を続けそれが終わると各自コスチュームに着替え、目的地まではバスで行くため皆がバスの前に集まる。
ちなみにパイモンは起きてお菓子を頬張っている、ちなみにパイモンが食いしん坊なのはもはや共通認識のため誰もつっこまない。
「緑谷は体操服なのか?」
「う、うん戦闘訓練でボロボロになっちゃって...」
「派手にやられとったもんね」
サポート会社の修復を待っているため緑谷はジャージでの参加となる。
「バスの席順でスムーズにいくよう番号順ニ列で並ぼう!」
「あいつは相変わらず騒がしいな...蛍、そろそろ行こうぜ、オイラはもちろんお前の隣に座るぞ!」
バスへと乗り込むと対面式タイプのバスだったため飯田は少しだけショックを受けていた、出発すると隣同士で話したり親交を深めようと話し始めた。
「私思ったことなんでも言っちゃうの緑谷ちゃん」
「あ!?ハイ!?蛙吹さん!」
「梅雨ちゃんと呼んで」
「あなたの個性、オールマイトに似てる」
「そそそそそうかな!?いやでも僕はそのえー」
ここぞとばかり自分たちも自身の個性について話していくと後ろに座っていた爆豪と轟が派手で強いという話になった。
「爆豪、キレてばっかで人気でなさそう」
「確かに、ブッコロスゾー!とかバカガー!とかプロもビビるよな!」
「ふふっ似てるね、パイモンモノマネ上手いね」
「殺すぞ!!白チビ!!風女!!」
「蛍さんもパイモンさんも肝座りすぎだよ...」
あのかっちゃんをいじれるなんて、雄英凄いと隣にいた緑谷が頭を抱えながらも蛍とパイモンのやり取りをみてバスの中は笑いに包まれたが、そろそろと相澤先生に注意され皆気を引き締めて訓練場へと入っていった。
「おぉー!まるでUSJみたいだぞ!!」
「落ち着いて...」
興奮するパイモンを落ち着かせると宇宙服のようなコスチュームを着たもう1人の先生が姿を表す。
「水難事故、土砂災害、火事、etc、あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です、その名は...ウソの(U)災害や(S)事故ルーム(J)!!」
((((USJだった!!))))
その先生は13号と呼ばれ、災害救助を得意としたヒーローだとパイモンが説明してくれた。
相澤先生と13号先生が何か話していたが内容は分からなかったが何かあったらしいが相澤先生はため息を吐きつつも授業を始める。
始まる前にお小言と一つ二つ...三つ...四つ...と小言の量が増え自身の個性について語っていった。
「皆さんご存知だと思いますが、僕の個性はブラックホールどんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」
「その個性でどんな災害からも人を救いあげるんですよね」
「ええ...しかし簡単に人を殺せる力です、皆んなの中にもそういう個性がいるでしょう?」
殺せるとその言葉を聞いて皆気を引き締めて話を聞く。
「超人社会は個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます、しかし一歩間違えれば容易に人を殺せるいきすぎた個性を個々が持っていることを忘れないでください」
自身の力のあり方について13号先生は語っていく。
「相澤さんの体力テストで自身の力を秘めている可能性を知り、オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさ体験したかと思います。この授業では心機一転!人命のために個性をどう活用するかを学んでいきましょう...君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない、救けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな...以上!ご清聴ありがとうございました!」
クラスから拍手の嵐が吹くなか蛍が何かに気づいて剣を出した。
「どうした?」
「相澤先生!何か来る!!」
「!?一かたまりになって動くなっ!!13号生徒を守れ!!!蛍お前も下がれ!!!」
奇しくも命を救える訓練時間にみんなのまえに現れたあれは...
「なんだアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」
「違う、あれは...敵!!」
「蛍さんあなたも下がってください!!」
「13号にイレイザーヘッドですか先日いただいた教師側のカリキュラムではオールマイトがここにいるはずなのですが...」
黒い霧が渦巻いているところから次々と敵が出てくる中、1人だけ異様な雰囲気を放っている手を顔につけた男がのらりくらりと姿を現した。
「どこだよせっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ...オールマイト...平和の象徴...いないなんて...子供を殺せば来るのかな?」
「はあああ!」
「「ぐわぁ!!」」
「なんだ!?ガキが1人でつっこんできやがった!」
蛍は先生の静止を振り切り容赦なく敵に立ち向かい僅かだが倒した。
「あのバカ...13号避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策も頭にある敵だ、電波系の個性が妨害してる可能性もある、上鳴おまえも個性で連絡試せ、俺はあいつを連れ戻してくる!行け!」
そう伝えると相澤先生も蛍と敵が戦う戦場へと降り立った。
「ふっ!はあ!」
「このガキつえぞ!」
「風と共に去れ!」
「「「うわぁぁ!」」」
吹き飛ばし次に狙いを定めていると後ろから襲いかかる敵に気付きガードをしようとすると敵が何者かに蹴られ地面に盛大に打ちつけられる。
「相澤先生!」
「お前...帰ったら反省文な...俺が個性を消していく、その間に逃げろ」
「1人じゃ辛いでしょ?」
「ヒーローは一芸だけじゃ務まらん、言うことを聞け反省文の量増やすぞ」
「そこは除籍じゃ...ないんだ!」
次々にくる敵を蛍は余裕そうに倒していきパイモンや他のみんながいた方向に敵が行ってないか視線を移すと黒い霧に包まれ次の瞬間殆どが姿を消していた。
「パイモン!みんな!」
「おいおい心配してるばあぐぁ!」
「風刃!!」
「かっこいいなあ、1人先陣を切って俺たちに立ち向かう姿は...ところでヒーロー本命は俺じゃない...」
「先生、避けて!」
黒い霧から異形の姿した怪物が現れ2人に襲いかかった。
ーーー
ーー
ー
同時刻、山岳ゾーン
「うぇうぇ〜い...たすけて〜」
「か、上鳴さん!」
八百万の作戦で敵を全て倒したつもりだったが土に潜る個性の敵がいたのか、全てを出し切った上鳴はアホになって何もできずにいるところに人質となってしまった。
「武器を降ろせ、大事なお友達が死ぬところは見たくないだろう?」
「この!電気野郎を離せ!」
「痛えなんだこのチビ!」
「パイモン!」
上鳴を人質をとっている敵の腰を蹴るが虚しくも摘まれるように抑えられてしまいジタバタするが目の前に刃物が突きつけられ大人しくなる。
「こいつも生徒か?まあいい殺せば一緒か」
「ぱ、パイモン!」
「じゃあなチビ」
「うわああ!....あれ?」
やられると思い目を瞑ったがいつまで経っても痛みはこなかったため目を開くと敵の心臓部分から剣が貫かれており、そのまま敵が崩れ落ちその後ろから現した人物をみて八百万たちは驚愕した、なぜなら...
「ほ、蛍さん?」
「違う、蛍じゃないぞ!」
「はあああ!」
「「「「ぐあああ!」」」」
蛍とそっくりだったからだ、唯一違うのは今戦っているのが男だと言うこと。
「ここにいるのか...蛍」
彼がそう嘆くと後ろから仮面をつけ棍棒や木の盾を持った集団が押し寄せてきた。
ーーー
ーー
ー
そして場所は蛍と相澤先生がいる広場へと戻る。
「くっ!」
「ーーーー!」
「やっちまえ脳無!」
(ダメだ、先生を守りながらだと力を出せない!)
「ーーーーーーー!!」
「うっ!」
先ほど脳無と呼ばれる怪物に腕を折られたり顔を叩きつけられたりと徹底的に痛ぶられ倒れてしまった相澤先生を庇いながら戦うが怪我人を気にして集中できずにいた、案の定吹っ飛ばされてしまい、とどめと言わんばかりに拳を振り上げ蛍を潰そうとすると脳無が水の刃で吹き飛ばされた。
「!?誰だ!」
「見つけたぞ、敵ども...我々の敵!」
「アビスの使徒!?なんでここに!」
「蛍さん!先生!」
アビスの使徒と呼ばれたそいつは脳無と戦い始めると緑谷達が蛍の元へと駆けつけてきた。
「そんな、相澤先生!」
「なあ、アレってアビスだろ!?なんであいつらもここにいんだよ!」
「先生をお願い...私はあいつらを倒してくる」
「無茶よ、その怪我じゃ蛍ちゃんが死んじゃうわ」
「そうだよ、少なくともアビスのあいつは僕らに気づいてない、先生たちが来るまで!?蛍さん!!」
地面に突き刺さっている剣を手に取り使徒と脳無が戦い合う戦場へとつっこんだ。
「はあっ!!」
「!?何をしにきた異端の者よ」
「ーーーー!!」
「邪魔っ!!」
殴りかかる脳無を風元素の力を使い吹き飛ばすとアビスの使徒と向かい合い、お互い斬り合う。
「何故邪魔をする!」
「聞かなくても...わかるでしょ!」
水の刃を避けつつその水元素を風に纏わせて懐から旋風の剣を至近距離から当てると使徒は後退りをして、蛍の力に驚いていた。
「その力...そうか、貴様はあの時の...」
「...空を...返せ!」
「哀れな子供か」
緑谷達は蛍とアビスの使徒の激しい戦いをただ見ることしかできない自分たちの不甲斐なさを感じていると敵の残党が緑谷達の方へ目線を向けて襲いかかるが間に爆煙が上がり煙が晴れると連中が倒れていた。
「な、全員やられてる!?なにが起こった!?」
「死柄木弔、後ろです!!」
「くそっ!」
自身の個性を使おうと手で触れようとしたが腕に剣が突き刺さりながらもなんとか間合いを取った。
「ぐあ!くそくそくそ!おい黒霧撤退だ!」
「脳無はどうします?」
「アビスが来るなんて想定外だ!置いていくぞ!」
死柄木弔と呼ばれた男と黒霧の2人は姿を消した。
「あいつら帰った...のか?」
「...なにが起こったんだ」
「でもさっきの剣筋、蛍ちゃんと似ていたわ」
だがそんなはずはない今でも蛍はアビスの使徒と戦っていてこっちの事など見向きも出来ないぐらいに戦いに集中しているからだ。
「はっ!」
「くっ、流石はあの方の妹だ...」
「風よ!」
剣と剣を打ち合っていると使徒の方が少しだけ怯んだ隙を見て一撃を喰らわそうとしたがその一撃は届く事なく誰かの剣で弾かれたが、蛍はそんなことよりも驚きの方が勝った。
「うそ...なんで...なんで!」
「久しぶりだね、蛍」
「空!」
もう会えないと思っていた唯一の家族に近づこうとしたが剣先を向けられた、空の目には明確な殺意が宿っていた。
「なに...してるの...」
「俺たちの邪魔をするなら例え家族でも容赦しない」
「うそ...だよね?」
「俺は本気だ、蛍...わかったら下がれ、俺に...殺させないでくれ」
「行きましょう、王子様...目的は果たしました」
2人の後ろには黒霧とはまた違った異空間のようなものが広がり2人はその中へと姿を消すが蛍は空を追うように異空間へと手を伸ばしたが届くことはなかくその場で座り込んでしまった。
「空...どうして...なんで...」
この世界でたった1人の肉親からの自分へ向けられた殺意にショックを受けていた。
「蛍ちゃん!」
誰かが自分の名前を呼び顔を上げると取り残された脳無が目の前にいた、咄嗟にガードをしたが殴られてしまい地面を転がってしまうがなんとか受け身を取ることは出来たが脳無は容赦なく襲いかかり蛍はやられると思い目を瞑った...
ーーー
ーー
ー
「...あれ?」
痛みがこないと目を開くとそこは見慣れた「璃月」だった。
「久しぶりだな、蛍」
「...鍾離...先生?」
そこにいたのは岩神・モラクスで今は鍾離と名乗る男がそこにいた。
「どうしてここに?」
「時間がないからな、手短に話そう」
そう言いつつもお茶に手を伸ばし味と風情を楽しんでいる様子だ。
「...バルバトスにあったそうだな」
「いつもと変わらない様子だった」
ウェンティとあったことを、その時の事を包み隠さず話した。
「そうか...」
「それで鍾離先生はどうして私を呼んだの?」
「まずはこれを」
「これ...ウェンティにも貰ったよ?」
「あいつのはモンドのだろう?俺のは璃月のだ、お守りとでも思って持っておいてくれ、それと手を出せ」
ここは素直に出すと鍾離は手を掴み何やら力が流れ込んでくるのを感じた。
「蛍、お前には友がいる、苦しい時も悲しい時も共に乗り越えてくれる友が...1人で背負い込むものでない、確かにお前は強いだが時には頼る事も強さだ、それを忘れるな」
「...ありがとう」
「終わったぞ、行くといい」
「こっちの世界の鍾離先生にあったら美味しい茶葉でも渡すよ」
「ははっ、そっちの俺も喜ぶだろう」
鍾離の目の前にいた蛍は徐々に姿が消えていくのを見送ると後ろからウェンティが出てきた。
「ずるいな〜じいさんは、あっちのボクにも何か持ってきてくれたりしなかな?」
「日頃の行いの違いじゃないか?お前は少々自由すぎる」
「自由なのがボクのいいところだよ?逆にじいさんは頑固すぎ」
2人は笑顔を崩さないが背中にはトワリンと若陀龍王が見える気がするが2人の神はこの空間を楽しんでいるように見えた。
長えので区切ります