ファデュイ
11人の幹部「執行官」の指揮のもと、各国に対し表では合法的に外交圧力をかけ、裏では傾国の策謀を巡らせるという、二重の侵略行為を働く事実上の侵攻部隊だ、活動網は広く世界のどこにでも構成員が存在している。
敵側寄りではあるが警察やヒーローの一部と強固な関わりがあり、命が惜しいならば深く関わらないことが身のためだ...
「ーーーー!ーーー?ーーー!!?」
殴ったはずの脳無の腕は明後日の方向を向いていた、アビスの使徒ですらまともにダメージを与えることはできなかったのにだ。
煙が晴れ蛍はそこに立っていた、だが1つ違ったのは彼女の周りにシールドのようなものが展開されていることだ。
「...サービスしすぎだよ...でも、これなら!」
風元素の力を足に纏わせスピードをつけ脳無に一撃を喰らわした。
「荒星!」
右手で狙いを定め脳無の真下から岩の樽のような創造物を繰り出し脳無の目線は空を見ていて空を覆うよに蛍が剣を真上から突き刺した。
「やっ!」
「ーーーー!」
叩きつける勢いで剣を貫通させたが、脳無はしぶとくそれだけでは倒せない。
「ーーーー!!」
「それなら...塵となれ!」
蛍が地面を抉る勢いで足を叩きつけると彼女を中心に振動波を起こすと、その波で脳無はノックバックし2人の周りには岩の山が生成された。
「ーーーー!」
(これだけやってるのにまるで手応えがない...個性?でもいくつもあるように見えるし...いや、まさか...そんなことって)
自分なりに頭をフル回転させ考えに考え、この脳無と呼ばれる怪物は憶測ではあるが改造された人間であると考えた。
この時の蛍の頭にはファデュイの執行官の1人を思い出したが、考えるのを後にしこの怪物を倒す方法を探した。
「ーー!!!」
「はぁーー!」
至近距離からの斬撃や岩をぶつけたりと繰り返すが、自分の体力が減るだけで向こうは倒れる気がしない、脳無の攻撃はなんとかシールドで耐えてはいるもののそれも時間の問題だ。
(どうしよう...これは流石にお手上げかも)
オールマイトが来るまで耐えられるかな、なんて考えが浮かんでいると鍾離から受け取った神の目が輝いていた。
「ふふっ、ほんと...いたせり尽せりだよ」
それを見た蛍は思わず笑ってしまう。
「ーーー!!!!!」
「天道万象!!」
脳無が蛍目掛けて突進をしてくると先ほど喰らわせた振動波を繰り出し、怯み上の方へ目線を向けさせると脳無は叫びながらも隕石のような岩を当てられ爆風が広場を包み込んだ。
場が静まり返る中、飯田が隙をついてこの場から出て助けを呼びに行ったオールマイトが駆けつけた。
「もう大丈夫、私が来た!!!...ってアレ!?」
爆煙が晴れるとそこには石化した脳無とその前に今にも倒れそうな蛍がそこに立っている。
「ごめん...見せ場奪っちゃった...」
「!蛍少女!」
倒れる蛍を支える、当たりを見渡すと怪物の他には見るも無惨な死体が数え切れないくらい転がっていた。
あまりの酷さに言葉を失っていると緑谷達が駆けつけ事情を詳しく聞くことにした。
「飯田少年から大まかには聞いてはいたが、まさかアビス教団まで襲撃に来るとは...」
外からは複数のサイレンが鳴り、雄英に勤めるヒーローが駆けつけこの場はとりあえずだがこの場は納められた。
ーーー
ーー
ー
「...ここは」
「よかった、目が覚めたんだな!」
目をゆっくりと開くとパイモンが覗き込んできた。
「心配したんだぞ!敵が現れてつっこんだと思ったら、変な所に飛ばされてたし、そこで殺されかけたり、広場に戻ったらおまえが倒れてるしでオイラもう疲れたぞ!...ふぇ!?な、なにするんだよ!」
「ごめん...今だけでいいからこうさせて」
「...なにかあったのか?」
ぷんすか怒るパイモンを抱きしめて広場の出来事を話した。
「えっ!お兄さんに会ったのか!?じゃああの時助けてくれたのはやっぱり...」
「あの時って、パイモンも空にあったの?」
「殺されそうになった時、助けてくれたんだ...お前にあまりにも似てたし、多分お兄さんだと思う」
それを聞いて少し安心した、私のことを殺したいぐらい恨んでいるならパイモンやみんなを助けてくれたりしないはず...きっとそうだ、そうに違いない。
そうやって自分に都合のいいように言い聞かせることしかできない。
「おや、目が覚めたのかい、ハリボー食べるかい?」
「おう!ありがたくいただくぞ!」
「蛍さん、今時間大丈夫かい?ああ、私は塚内、警察だ」
「け、警察!?蛍は何もしてないぞ!」
「捕まえにきたわけじゃないから安心して、早速で悪いんだけど、アビス教団について聞きたいんだけど...大丈夫かい?」
「それについては私から説明しよう!」
壊れんばかりの勢いでドアが開かれると、オールマイトが来てくれた。
彼は私と空が離れ離れになった例の事件を知っているうちの1人なのでここはお願いした。
「オールマイト、彼女と知り合いだったのか?」
「すまない塚内くん君には隠していたんだ、こればっかりは隠しさないと、と思っていたんだが、ここまで来たら話すしかない」
「アビス教団というのは敵連合よりも厄介なのはわかっているが、そこまでの奴らなのか?」
「今から話す事は警察の上層部に決して漏らさないで欲しい」
塚内に念を押しオールマイトは8年前の事件、つまり私がNo. 1ヒーローと出会うキッカケとなった話だ...
次回は蛍と空の過去回です