戦闘は、ヤマト型2番艦ムサシの乱入と全ての軌道エレベーターから出てきたMSによってあっけなく終了した。銀河帝国艦隊はその半数を失い、3割が逃げ、2割が国連の管轄で捕虜となった。そして問題のムサシはというと、戦闘宙域から離脱するトレミーにシレッと付き添い、何食わぬ顔で接舷し、そして中にいた艦娘が津波のようにトレミーの中へと雪崩れ込んだ。
「良いのか?トレミーの中に引き入れて」
「仕方ないわ。これからの作戦にムサシは必須だもの。ビーム君には尊い犠牲になってもらうわ」
「ふっざけんなマジで!!!ちょっ、俺艦娘とか一切知らないんすけど!!」
「あら。あんな可愛い子達に好かれて何が不満なの?」
「不満というか怖いんだよ!アイツらの好感度に理由が無いとか普通に考えて心底怖いだろ!!一種のホラーだろうが!!!」
「ほらフェルトちゃんむくれないの」
「むぅ」
「ビーム君、貴方のことは忘れないわ」
「ビーム・マグナム。少しはソレスタルビーイングの役に立て」
「真顔でそんなこと言うな!配信とか、配信とか・・・配信とか頑張ってただろ!」
「嫌なら俺が相手「サイテー」すんません」
「ビーム・マグナム。全てはお前次第だ」
「もう乗り込まれた後だけどな」
「くっそ、やってやる!やってや「HEY!!!テイトクゥウ!!!」ぎやあぁぁぁっぁあああああああああ!!!」
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逃げました。
逃走しました。遁走しました。本当に脱兎のごとく逃げました。
だって怖いもの。幸薄な少年に理由無き幸運ものは大好きな俺だが、何の働きもしていない俺に理由無き好意というのは流石に理解の外である。何がどうしてそうなったのか、理由が知りたい。そう思った俺はジャングルの奥地ならぬトレミーの奥地へと足を踏み入れていったのだが。
「あ、提督。対面では初めましてだね。時雨だよ。よろしくね」
何でいるんですかねぇ・・・・。
黒髪で名前は知らないが可愛らしい髪形をしていて、黒と赤のセーラー服を着込む『時雨』と名乗った少女は、ニコニコ微笑んでいるが有無を言わせぬ圧力のようなものを全身から解き放っていた。
「どうしてここにいるのかだって?」
「いやまだ何も言ってない・・・」
「それはね、今までの提督の反応から推察したんだよ。提督ってさ、私達艦娘と提督の関係をまだよく分かっていないというか、怖がってるフシがあるでしょ?だから絶対に反対方向へ逃げると思って先回りしたんだ」
そう言いながらにじり寄って来た時雨は、俺より背が低いにも関わらず片手で俺の肩を掴んだだけで動きを封じると、壁に押しつけてきた。
「ふふふふふ」
・・・・・笑顔が怖い!!!
「お前さ、寝ぐせ付いてんぞ」
「え、」
「今だオラアアア!!!」
何とか怪力から抜け出した俺は再び走りだした。「そこにいたっぽい?」とか言ってディフェンスしてくる少女をデビルバットゴーストで抜き去り、「潮、頑張ります!」とか言ってる少女に猫だましを食らわせて抜き去り、無口な少女の横を通り過ぎ、トレミーの中央にある十字路に出たところで、十字路の全てに艦娘がいて詰んでしまった。
「あっ・・・・・」
「「「確保――――!!!!」」」
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「はい。じゃあ今日も配信を始めたいと思いまーす」
「ねぇねぇ提督。どうして配信なんてしてるの?」
「それは俺に聞くな」
「提督。お飲み物をお持ちしました」
「おう。終わったら頂くな」
「シャキッとしなさいよクソ司令官!」
「お前は何にキレてるんだよ」
「は、はぁ!?キレてないけど!」
「うるさ・・・・」
「嫌いにならないであげてください提督。霞ちゃんはアレで提督のことが内心では大好きですから」
「ち、違うから!何言ってるのよ!!」
「とりあえず全員静かにしていてくれるか?配信できないんだけど」
「提督~終わった~?」
「まだ何も始まってねぇよ酒を開けるな。ってかここで飲み始めるな汚れるだろうが」
「えぇ~いいじゃんよ~、ヒック」
「酒くさ・・・フェルトちゃん、後は頼いった!誰だコラ!」
「はい。ソレスタルビーイングは銀河帝国軍を名乗る軍隊に武力介入を行い、他3か国と共同でこれを打ち払いました。また脱走したヤマト型2番艦ムサシを鹵獲・・・鹵獲?しました。これによって当分は銀河帝国軍から侵攻はされないようになったハズですが、あくまで『ハズ』であり、また侵攻された場合地球を守れない可能性もあるためソレスタルビーイングは銀河帝国軍に武力介入を行うことを決定しました」
「おぇええええええええ」
「おま、ガチのリバースすんなバカ!吹雪、ティッシュ!」
「うわ本当に吐いてる・・・・以上です。配信を終了いたします。ご視聴ありがとうございました」