茅場晶彦の目の前の光景が一瞬歪んだと思うとまた同じ光景が目に映った。
「これが現実なのか・・?」
茅場が自分の手をグーパーして確かめてみるが特に違いが分からなかったが、自分の顔を無意識に触ると、顔には汗が出ており手に付いた。
「なるほど・・・君の言うとおりのようだ」
「今から茅場晶彦・・・いや、ヒースクリフと言ったほうがいいかな?今日から貴様もいちプレイヤーだ。存分に楽しんでくれ」
「フ、フハハハハハハ・・・・」
ヒースクリフは顔を手で覆い隠しながら笑う。
そして楽しそうに向かって言った。
「実に面白い事を、俺も存分に楽しませてもらおう。ゲームでもなく、遊びでもなく、現実として」
「はじまりの町に全てのプレイヤーを俺が集め、残りは説明しよう」
「そんな事まで出来るのか・・・いや、世界を作れるのならそれ位も簡単な事か」
その言葉とともにヒースクリフは消えた。
そしてはじまりの町の中央の広場に全てのプレイヤーが集められた。
プレイヤー達は急に景色が変わったと思ったら前に集められたときのように急に集められた事により回りはがやがやと騒ぎになっていた。
そして前回集められた時と同じようにまた空中に巨大アバターが出現した・・・。
「諸君、また集めたのはこのゲームはすでに現実となった事を伝えるためだ。・・・・とりあえず五月蝿いので諸君には数分黙っていてもらおう」
巨大アバターがそう言うと集められたプレイヤー達は言葉が話せれなくなり、身動きも取れなくなった。
「さて、説明させてもらう。すでに分かっているものもいるかもしれないが。分かり易く言えば、ここはアインクラッドと言う別世界になった。もちろん前のゲームの中と言ったときの説明のように死ねば死ぬ。現実だからな。ゲームと違い剣で切れば血もでるし、腕も切れば切り落とせる。しかし現実世界でもこの世界はすでにアインクラッドと言う別世界。この世界の回復ポーションや回復結晶などを使えば切れた腕も元にもどる。しかし現実のためアイテムを常にデータ化などの事もできないし、HPなどわかりやすい自分の限界もない。血を大量に流せば死ぬだろうし、首を切られればそれこそそこで絶命するかもしれない。現実と言ってもアインクラッドという世界の加護でレベルと言う恩栄は残っている。レベルがあがれば世界の加護が増え動きも良くなり、思考も早くなるだろう。そこは自分達で試していけばわかることだ。さて・・・軽く説明をさせてもらったが、細かい事等は諸君達が色々と自分達で体験していってもらいたい。そして元の世界に返るにはアインクラッド最上階にゲートと呼ばれるものを用意しておいた。そこをくぐれば元の世界だ。それでは諸君、がんばってくれたまえ!そして、ゲームではなくなったという事でここまでで死んだプレイヤーも全員初回から現実と楽しめるように蘇らせておいた。ちなみにこれは最初である処置であるためこれ以降はこんな例外を作らないので一度死んだらゲームオーバーだ。蘇えるとか嘘だと思うだろうが、蘇った者達に聞けば本当だとわかるだろう。それではこの世界、楽しんでくれたまえ」
巨大アバターが言いたい事だけ言い終わると、姿を消した。
そして全てのプレイヤーが自由に動けるようになった。
そして各プレイヤーの周りに自分たちがアイテム欄にしまっていたアイテムが転がっていた。
右手を振るもの、自分に少し傷をつけ回復ポーションを使うものなど色々いた。
それを面白そうにヒースクリフは見ていた。
そしてこの世界を変えた者、無は楽しくなりそうだと立ち去った。
なぜ無はこんな事をしたのかと言うと、それにはまず無の説明をしよう。
名前は無、そのまま「む」と読む。これは本当は存在しない人間という事で自分で作った名前だ。
本名九(いちじく)十(もげき)能力は二次元の入る事が出来るという特殊な事が出来る人間だ。
そして今回はソードアートオンラインというアニメを見ていたことからこれを現実にしたら楽しくなりそうだと思ってそのまま行動した結果だった。
そしてがやがやしていた中ヒースクリフはまずはどう変わったかと確かめるためにフィールドにでた。
あらゆるスキルモーションを試すがスキル自体は使えなくなっていた。
そしてその辺の雑魚モンスターに切りかかるとモンスターを切るという感覚があった。
「ふむ、実にリアル・・・いや現実だから当たり前か」
モンスターを何度か攻撃すると死んだと認識されたのか行き成りモンスターが消え、そこにはこの世界のお金のコルという物が現れた。
「どういう理屈かわからないがこれはゲームと変わらないようだ。しかしコルを持ち歩くの邪魔になるな」
ヒースクリフは適当に数時間狩りをしていると体が少しひかり、自分の感覚ではあるが何故かレベルが上がったという事がわかった。そして自分のレベルが2になったという数字さえも感覚で頭に思い浮かんだ。
レベルが2になったことで町に帰る事にした。
加護のおかげか武器が初期の武器が重いと思うことはないようだ。レベルが上がった事により動きが少し早くなった事、力なども増えていることも多少だが実感できた。
モンスターも今までの弱点を攻撃というより首などを切れば一撃で殺せることもわかった。
そして切った足とかを持って帰れるか試してみようと足を切って自分が手に持ち相手を殺すと持っていた足も消えてしまった。
どうやら直接切って、その肉を食べるなどのことは出来ないようだ。
しかし時たまにモンスターを倒した後にそのモンスターの肉と言うアイテムが出現することはわかったのでそれを料理しろということかと納得した。
また肉とコル以外にもアイテムが出現することもあったのでその辺はやはりゲームとかわならいんだとなっとくすることにした。
とりあえずそんな事を考えながら町に戻った。
町に戻りそういえばNPCはどうなっているのかとふと思い近くの店に入った。
「いらっしゃい」
元気な挨拶とともにお店の男性と思われる男がカウンターの中から挨拶をした。
ヒースクリフは適当に会話などして確かめるが特に変わった様子はなかった。
しかし会話をしているとそろそろ違う人と変わるので失礼しますと言い出した。
店自体は24時間常に同じNPCが経営しているのだが、どうやらNPCも人間にされたのか、または人間みたいな存在に変えられているようだった。
「名前はなんという?」
「名前ですか?お客さんも変な事を聞きますね。私は始まりの町のアイテム屋Bと言います」
なんて単純な名前の付け方なんだと頭を少し抱えるがもしかして先ほどの交代する前のNPCはAなのかと思い聞く。
「もしかして先ほどの者は始まりの町のアイテム屋Aって名前か?」
「いえ、先ほどのものは始まりの町のアイテム屋Cって名前です。お客さんそんな皆の名前が知りたいんですか?」
「いや、興味本位だ」
他の店もこんな感じにAとかBとかで名前がついているのかと考え、そういえばとモンスターを倒して手に入れたアイテムが邪魔なのでこの店で売る事にした。
そして武器を売ろうと武器を出した瞬間ふと思いついた。これで攻撃するとどうなるのだろうかと。
もともと町の中では攻撃が禁止だったのだが現実なら攻撃が可能だと考えた、だが衛兵などの問題もあるし試すには危険だと考え止め、聞いてみる事にした。
「そういえば店主、町で武器を持ち犯罪などを起こすとどうなる?」
「町でですか?そうですね・・・捕まりますね」
「いや、そういうのではなく、たとえば俺が今から武器をもって店主を攻撃しようとするとどうする?」
「はっはっは、お客さんがですか?武器を破壊させてもらうか、返りうちですわ」
「なぜそんな事が宣言できる?」
「お客さんしらないんですか?町で武器を向けられると加護が強くなり絶対負けなくなるんですよ」
「ふむ・・・では例えは俺がその辺の冒険者を後ろから刺そうとしたらどうなる?」
「それも無意味ですわ。刺そうとした瞬間相手の加護が強くなり武器が刺さりませんわ」
「なるほど・・・加護か・・・店主情報をありがとう」
「いえ」
そしてヒースクリフが店から出ようとすると店主が言葉をかける。
「お客さんあんまり物騒な事は考えないほうがいいですぜ!相手には攻撃できなくても衛兵がすぐ捕まえに来ますよ」
ヒースクリフは足を止め、店主に聞き返す。
「衛兵が捕まえに来るとは?」
「知らないんですか?衛兵は加護そのものと言われ、いきなり出現して犯罪者を捕まえ閉じ込めるまたは抹殺するんですよ」
「閉じ込めるとは?監獄エリアに送り込まれるという事か?」
「いえ、どこに閉じ込められるか分からないのですが、数日後に行き成り町に犯罪者が現れます」
「現れるとは?」
「そのままの意味でして、犯罪者が誰かを刺そうとするじゃないですかそうしたら衛兵が何処からともなく現れ犯罪者を消すんですよ、そして数日後犯罪者がもどってくるそうです。ちなみにですが犯罪者は素っ裸でなのも持ってない状態で行き成り現れます。まあ、犯罪者もそれで反省するんでしょうな、二度と町では犯罪をやらなくなるといいます」
「ふむ、たとえばだが町の外で犯罪を起こすとどうなる?」
「そうですな、犯罪の度合いによりますが町に入ると即衛兵に捕まります。犯罪の度合いは衛兵が決めるのでその場で抹殺されるか、または捕まえ閉じ込められるかですわ」
「犯罪したものはわかるのか?」
「そりゃーわかりますよ。見ればこいつ犯罪したんだなって」
「見ればわかる?」
「おや、お客さん犯罪者を見たことないんですか?そうですね・・・見ればわかりますとしかいえないですわ」
「ふむ」
見れば分かるとはレベルアップのときのように感覚で分かるという事かと考え店を後にした。