時刻は午前10時、会議の始まる時間になった。
「時間なので始めさせてもらいます!まずは皆良く集まってくれた。今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!俺はディアベル!職業は気持ち的にナイトやっています」
ディアベルが紹介をすると周りではやはりアイツがとか、ナイトなんて職業ねーだろとか、本当は勇者って言いたいんだろとか、周りががやがやする。
ナイト所か職業なんてものはこの世界に存在しない。
片手剣を極めたければ片手剣を、ナイフを極めたければナイフを、鎌を極めたければ鎌をひたすら使って慣れて上手くなっていきレベルを上げ加護の力を得ていくしかないのだ。
そうすればいづれ職業ではないにしろ名称として勇者とか剣士とかナイトとか呼ばれるようになる。
ディアベルが全然ナイトとか付かない呼び名で呼ばれる事をまだこの時は誰もしらなかった。
「昨日俺達があの塔の最上階でボスの部屋を発見した。俺たちは第二層に進みこの世界がいつか脱出できると皆に伝えなきゃならない。そうだろ!皆!?」
その言葉に皆がそうだ!そうだ!とにぎやかになる。
「所で確認したいのだがこの中にレベル10以上は何人いる?挙手してもらいたい」
その言葉を聞き10人が手をあげる。
それをディアベルが指を指しながら数える。
「はち、きゅう、じゅう・・・10人か、思ったより少ないな。では次にレベル6以上は挙手してもらいたい」
今度は結構な人数が手をあげ42人が手をあげる。
そしてまたディアベルが1から数える。
「よんじゅう、よんじゅういち、よんじゅうに・・・42人か」
ディアベルはこれだけ大勢の人数がいるのに4分の1程度しか一緒にボス攻略に行けないと少し落胆した。
他の人たちは低レベルでもいけると甘く思っているのかと周りを見渡すと、一人挙手している男がいた。
「そこの君!何か意見があるのかな?」
ディアベルが手をあげている男を指差し意見を求める。
「すいません、自分レベルは4なんですが攻略に来たのではなくて昨日の呼びかけを聞いて覗きに見ました・・・つまり野次馬です」
「すまないが・・・野次馬目的で来ている者は階段の上まで上がってくれないか?」
ディアベルがそう言うと手を上げなかった残りが全員階段上まで上がった。
ディアベルはなるほどそういうことか思い、やれやれと肩を落とす。
「よし!それでは今階段に残っているもの達に続けて説明する。良いかな?」
「ちょお、まってんか!」
その声に皆の視線が集まる。
皆が階段の上に顔を向けると変な髪形の男が立っていた。
その男が勢いよくジャンプして階段下の広場まで一気に駆け下りる。
「君は?」
「ワイはキバオウってもんや、ボスと戦う前に言わせてもらいたいことがある。今まで死んで逝った人達に詫びいれなあかんやつがおるはずや」
「誰が詫びを入れるんだい?」
「元βテスターの奴らに決まっとるやろ!β上がりどもは最初に集められ、茅場にゲームが遊びではないと言われたときにビギナーを見捨てて消え去った!その後もそうや!現実になったと言われてもまたビギナーを見捨てて逃げてった!β共は上手い狩場を独り占めしたりして自分らだけぽんぽんつよなった!だからそいつらに土下座さして、溜め込んだアイテムや金を吐き出してもらわな、そいつ等に命を預けれないし命を預かれん!」
「ちょっと発言いいか?」
一人のスキンヘッドの男が手を上げ発言許可を求める。
それにディアベルが首を傾け返事をすると立ち上がり喋りだした。
「俺の名はエギルだ。キバオウさんアンタの言い分はこうだ。元βテスターが面倒を見なかったからビギナーが死んだ。その責任を取り、謝罪や賠償をしろってことだな?」
「そうや!!」
エギルがポケットに手を突っ込み、一冊の小さな本を取り出しキバオウに見せる。
「この本見覚えがあるな?道具屋で無料配布しているガイドブックだ」
「そりゃもろたで?それがなんや?」
「この本は一冊作るのにどれ位手間がかかってるか分かるか?ここはゲームみたいに簡単に作れないのにだ、それを手間を惜しまずに作り、配布している。その意味が分かるか?」
キバオウは少し考えるが言葉に詰まり何もでてこない。
「このガイドブックはなキバオウさん、元βテスター達が集まり必死にお金を集め情報を共有して作られたものだ。勿論ゲームの時の話で使えない話も沢山あるが、それでもこのガイドブックを読めばわかるはずだ。つまりβテスター達も俺らも同じ情報をもっていたわけだ。なのに沢山の人達が死んだ。それを踏まえた上での話し合いになると今日は思ったんだがな」
その言葉にキバオウは勿論、周りのプレイヤー達も驚きでがやがやと喋りだす。
そしてキバオウは何も言えなくなり階段まで行き座る。
キバオウに続いてエギルも階段まで戻り座りなおした。
「よし、皆分かってくれたかな?それでは再開させてもらう。ガイドブックに書かれている通りなら第一層のボスはイルファング・ザ・コボルド・ロード、武器は斧と盾だ。ボスの取り巻きにルイン・コボルド・センチネルというモンスターも出現するらしい。そこでボスコボルトをレベル10以上の者が、取り巻きコボルトをそれ以外で攻撃してほしい」
「ちょっと待ってくれ!ボスには10人で挑んで、取り巻きに42人も使うのか?」
階段に座っている一人の男が発言をした。
「ああ!俺はそれが一番安全でいけるやり方だと思ってる!」
「つまりレベルが10行ってない人達には取り巻きを倒してもらっておいて、上のレベルの人達がボスと思いっきり戦ってもらうってことだな」
違う男が発言をする。
「そうだ!」
「ボスが違った場合はどうする?」
キリトがボソッと言ったのだが、その言葉に皆の視線が集まる。
「あ、いや、ガイドブック情報と変わっている内容が多いだろ?じゃあボスも変わっててもおかしくないかなって」
キリトの発言にディアベルは腕を組んで少し考え発言する。
「確かにそれはありえる話だ。そのときは一度様子見をして逃げ、もう一度会議を開こう!他に意見がなければ解散し明日の朝10時にまたここに集合してボス部屋に行こうと思う!」
キリトが手を上げ発言する。
「ちょっと良いかな」
「どうぞ」
「戦い方はどうする?」
「それは俺も考えたのだが、PTという概念がないので各自に任せようかなと」
「それだと流石に・・・一応でいいから軽く合わせておこう」
「よし!そうだな!ではこの後レベル10以上の者達と、それ以外でまとまってフィールドで合わせておいてくれ!他に意見はないかな?」
ディアベルが周りを見渡すが特に意見はなさそうだった。
「それじゃあ、レベル10以上は俺の所に来てくれ!それ以外はそっちで集まって話してくれ!以上、解散!明日の10時によろしくな!」
そしてフィールドで数時間練習で狩りを行った。
ちなみにだが10人・・・ディアベル入れて11人の中には、シリカ、ヒースクリフ、キリト、ディアベル、無はいた。
この中で一番レベル高かったのはもちろんキリトと言いたい所なのだが、ディアベルが一番レベルが高かった。
ちなみにだがキリト14レベル、シリカ12レベルは前と変わらずだが、ヒースクリフは13レベルでなんとディアベルは16レベルであった。
10レベルより下の者達は最初はがやがやとどうする等纏まりが全然なかったが、キバオウが頑張ってまとめてフィールドに狩りに行った。
ちなみにキバオウはレベル9である。
そんなこんなで各自大勢で狩る練習をしたのだった。